毎月14日は『ツイノベの日』 2011/10/14お題「鉄道」
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この列車は白鳥座もサザンクロスも通らないけれど、それでも僕はきみの手をいつまでもしっかり握って放さないでいられるよ。 #twnvday
2011-10-14 01:59:34丘の上で銀河鉄道を待つ少年。老人は尋ねた。「お前も機械の身体が欲しいのか?」夜空を見上げ、少年は答える。「そんな馬鹿な事は願わないよ」「ならば何を求める?」悲しげな目に星が映る。「僕は機械の心が欲しい。限りある命を自分で壊してしまわないように」 #twnovel #twnvday
2011-10-14 02:21:54#twnovel 「ここでお別れだ」彼はそう言って駅に残った。電車は彼を置いて走り出す。もう彼には会えないのだろうか?彼とやり直したい。電車は伊那上郷駅に到着した。「やあ」そこには別れたはずの彼が立っていた。下山村駅からΩループを下山ダッシュしてきたのであった。 #twnvday
2011-10-14 02:25:22#twnvday 私の夫は鉄道好き。休日どころか平日も色々な鉄道を見に出かけている。それをわかって結婚したけれど、もう限界。夫に不満をぶちまけた。「ごめん。これからは君との時間を大切にするよ」その後、夫の外出は少なくなった。その代わり、廃列車を自宅にしやがった。 #twnovel
2011-10-14 03:26:51#twnvday 気がつくと電車の中。車掌が言う。「この電車は過去へ行く『想い出鉄道』です。会いたい方はいませんか」病死した母の名を告げようとしたが、僕の手を一人の子供が掴む。寂しげな表情だ。「やめておきます」次に気づくと外。止めてくれてありがとう。過去の僕。 #twnovel
2011-10-14 03:46:55「二本のレールがあるじゃないか」「だけど軌道じゃないし」「行き止まりでも軌道って言うだろ」「それでも輪がないから」「リニアも輪で走ら無いだろ」「にしても短すぎる」「これでも長いから充分に加速するよ」「でも」「電磁誘導列車射出用意」「ちょっと待っ #twnvday #twnovel
2011-10-14 04:04:10大陸を横断するミュシコーワン鉄道には戦地に送り込まれる機械が大勢乗せられていた。暗い貨車の中で機械達が武器を分解・整備する音がカチャカチャと響いている。ガンオイルの香りが心地よかった。分かるのは俺だけだ。機械任せの戦争に首を突っ込む酔狂な人間など俺以外にいない。 #twnovel
2011-10-14 04:24:43#twnovel 「♪せーんろはつづくーよー」洗濯物を干す私の足元で長男が歌ってる。「何のお歌?」「きしゃぽっぽ!」去年の今日はまだ巧く歌えなかったのに今では達者なものだ。子供の一年の成長は大きい。「上手になったね。もう5歳だもんね」「うん!」今日は君の誕生日。 #twnvday
2011-10-14 04:37:41電車は嫌い。地方の車社会にどっぷり浸かって生きてきた彼女は、鉄道恐怖症だ。俺は車のほうが苦手だ。渋滞はあるし、寝てられないし。まあ、でも、車も悪くないよ。当たり前でしょう?乗り過ごして帰れなくなった僕を、誇らしげな彼女のハンドルは確実に、家へと運んでくれていた。 #twnvday
2011-10-14 04:59:38「あげるっ」そう言うと彼女は僕の手に小さな紙を押し付け走り去った。 3つ年下の僕は、書いてある字を読むこともできずに転校した。あれから5年。鉄道で繋がるあの街へと向かう。「大好き」あの日読めなかった言葉が君への切符となりますように。#twnvday #twnovel
2011-10-14 05:23:09「線路って私達みたい。」「にこいちなところが?」「ずっと一緒にいるくせにどこまでいっても平行線なとこが。」「枕木で手を繋いでいるんだよ。重ならないのは相手を見つめるためでしょう。そういうわけで結婚しませんか。」「思いがけない終点ね。悪くないわ。」#twnvday #twnovel
2011-10-14 05:23:39祖母は歩道の両脇に花を植え続けている。不思議に思い訊ねると、「ここは昔鉄道で、おじいちゃんはここから戦争に行ったの。いつか帰ってくる時に、迷ってしまったら可哀想でしょう?」そう言って、他の人にはナイショよと笑った。薄紫の線路は美しく馨る。#twnvday #twnovel
2011-10-14 05:24:25昔ここには鉄道が走っていたの。もう線路すらない木立の谷間、手を繋いで歩いた緑の歩道に、走る列車を想像するのは容易いことだった。この道に今、独り。思い出が君の輪郭をくりぬく。なるほど僕こそが君がいた証か。僕の手は君と繋がっている。今も。#twnvday #twnovel
2011-10-14 05:25:20それでは皆様よい眠りを。照明が落ちると、車内の客全てが眠りにつく。目的地表記のないその列車の進む音だけが響いた。誰も行ったことのない場所へ。そんな彼らが見つけた最後の目的地は自分の中だった。旅とは非日常との邂逅。良質な睡眠へ。ガタンゴトン。#twnvday #twnovel
2011-10-14 05:27:08#twnovel 線路の上を歩いた話をすると、孫たちは目を輝かす。電車は怖くなかったのかとか、落ちそうにならなかったのとか。彼らは写真でしか見たことがなく、儂とは違うイメージを持っているようだ。昔話に満足した彼らは手を振りながら、空を駆ける電車で帰っていった。 #twnvday
2011-10-14 05:37:37#twnvday 幼い頃は乗り物が苦手で、電車もそうだった。成長に伴い乗り物酔いの頻度は減ったが、鉄道に関しては己の三半規管が鍛えられただけでなく、レールの改良も快適性に貢献しているように感じる。昔のは良く揺れ、空気も悪かった。そこまで考えて気づく。私も鉄道も成長し進化したのだ。
2011-10-14 05:51:22今日はついのべの日。本日のお題は「鉄道」だそうです。小説の更新に必死でしたが、今から石炭をくべて出発進行! さあ、ついのべの旅にあなたもどうぞ。#twnvday のタグで皆様のすてきなついのべがご覧になれますよ!
2011-10-14 05:58:59#twnvday #twnovel 「まだあきらめないのか」って人は言うけど。すぐに路線を変えられるほど、僕は器用な男じゃない。君が好き、君が好き。あいつに恋して、ふられてもまだあきらめない君が好き。君の恋に転車台がなくても、僕はいつだって君にまっすぐ向かう汽車になろう。
2011-10-14 06:00:51#twnvday 初めての山手線。初めての通勤ラッシュ。ギュウギュウに詰め込まれた人に挟まれて足が浮かび、電車の揺れに合わせて右へ左へ。ドアが開くと同時に流れ出る人の波にさらわれて、あれよあれよと運ばれた大都会のど真ん中で、ぼくはいまも漂流し続けている。SOSは誰にも届かない。
2011-10-14 06:13:10#twnvday お尻に変な感触。ヤダ、これが噂の埼京線の痴漢ね。私は勇気を出してお尻を這い回るそれを捕まえた。「やめるにゃー」何これ人じゃないの?「ボクは埼京線妖怪だにゃ」妖怪?よく見るとちょっと可愛いかも。吃驚したけど、ちょっと安心して私は電車を降りた。「駅員さん痴漢です」
2011-10-14 06:20:08#twnovel 朝6時。いつものように仕事の準備をする。三流大学を出て、そこそこの企業に就き、まあまあな女性と結婚して、無難な道を歩んできたサラリーマン。朝から厚化粧で素顔を隠す若作りがうまいオフィスレディ。そんな彼らを戦場へ送る仕事の準備をする。 #twnvday
2011-10-14 07:57:26#twnovel 友人の部屋に横書きの立派な書が飾ってあった。「達筆だね。誰が書いたの」友人が誇らしげに言う。「僕さ」「すごいね。何て書いてあるのかな、えーっと『金失之首』」急に友人の顔が曇る。「……『鉄道』」黙り込む二人。そしてその日僕は友人を一人失った。 #twnvday
2011-10-14 08:43:33黒猫のピカロは汽車に飛び乗った。待ち切れなかったのだ。チカの帰りを。彼女が姿を消してからすでに三ヶ月が過ぎようとしていた。チカ、なぜ帰ってこない? 街の人間に訊いても埒が明かない。最後に彼女を見かけたのはこの汽車の窓だった。ピカロは自分で彼女を捜すことに決めた。 #twnovel
2011-10-14 08:53:35ガタンコ、ガタンコ、シューフッフッ。いちばんのさいわいを探して、僕らは銀河鉄道で旅をする。手のひらに落ちてきたキラキラと光る小さな星をふたりで見ては笑いあう。君が笑って、僕が笑う。いちばんかは分からないけど、さいわいだと僕は思った。#twnovel #twnvday
2011-10-14 09:00:08