「2022年ベストBMS投票」投票内容まとめ

BMS部門

Mowlさんの2022年ベストBMS

1. r - Baby
   恐らくこの作品を第一位に選んでいる人は多いのではないかと読んでいるが、それを度外視しても間違いなくこの作品は2022年のベストBMSに値すると考えている。この作品は単に感動的な作品とは言い表せないような、魅了的な美しさに満ち溢れた作品だと個人的に感じている。
   　スローテンポな冒頭部分からは色褪せた少年時代の夏の日を夢見るように思い出させられ、感動的で壮大な中間部を経てその日々を彩っていき、最後には名残惜しみつつ、この作品というトンネルの出口からそれらを見送る…といったように、この作品は3分に満たない尺の長さでありながらも非常に濃密な体験を各々にもたらしてくれる作品で、まるで魔法にかけられているかのような感覚を味わわせてくれる。
   　譜面は比較的低難易度であるものの、この作品の包み込むような優しさを演出するには寧ろ充分で、全く隙のみられない作品へと仕上がっている。このような作品に会えることはもはや非常に稀だと思う。驚くべき素晴らしい作品だ。

2. qfeileadh + 空読無 白眼 - MESMERA
   　もはやBMSのシーンじゃなければ絶対に産まれることのないアヴァン・プログ。BGAも相まって驚異的な個性と完成度を誇る作品の一つで、10年単位で見ても間違いなく最もユニークな作品の一つに入るのではないかと感じている。
   　中でも前半のカオティックな展開からは想像もできないような中間部のドラムンベースの展開は2022年に出された作品の中でも最も恐ろしさを感じさせられる瞬間の一つで、呪術的なバックボーカルと日本の童歌を彷彿とさせられるようなメロディラインが融合して、この作品独自の黙示録的な世界観を生み出すことに成功している。FINAL STRIKERの作品としても極めて素晴らしい出来である上に、芸術としても高く評価できる。

• 3~10位

3. 大前司 - Song
   「Song」というタイトルは伊達じゃない。BMSの歴史上で見ても前例が無いような、極めて野心的なプロダクションを伴った作品。暫定的ではあるものの、BOFの上位10位にこのようなBMSの表現の可能性を広げるような作品が入った事は大変喜ばしく思う。恐らくしばらくの間はこのような作風を真似できる人は居ないのではないだろうか。
   　一方で、コンセプトが前のめりになってしまったお陰か、ややソング・ライティングの面で無駄を感じさせられる瞬間がある。しかし、それはこの前例のないプロダクションの下では些細なもののように映る上に、裏を返して見ればまだまだこのスタイルには可能性があるということでもある。是非今後に期待したい。

4. Qyubey - 情熱大邱
   BMS内におけるアヴァン・ジャズの名作は遡れば「Egypt」があったが、そもそもそのジャンルを象る作品の数が非常に限られている以上、お目に掛かる事自体も難しい。しかし、2022年になって突如、その「Egypt」と肩を並べるようなアヴァン・ジャズの名作が産まれた。
   　曖昧ながらも強烈なビート感と交通渋滞のように折り重なるピアノとブラスの音の洪水は今年出された作品の中でもひときわ印象的に映る。凄まじい。

5. Hyparpax - supposedly
   「斬新な作品を作る」というコンセプトを掲げているイベントの中でも最も斬新だとされた作品。「全ての音を既存のBMSから引用して作る」といったPlunderphonics的なプロダクションの下で産まれたものの、不思議なことに作者の作風がしっかりと感じられる出来となっている。
   　シュールな趣きと、浮かんでは消えるような抽象的なメロディラインがこの作品の味を大きく引き出せており、別世界の作品のようにも感じられる。少々厳し過ぎる譜面がこの作品の感覚を邪魔してしまっているようにも感じるが、それでもなお別格で独創的な作品。

6. Orange Vox + ft.AKA - reveL
   2022年最大のカムバック作。コーラスの爆発力は今年出された作品の中でも随一の力強さ。ジャジーなプロダクションは現代のシーンに呼応するためのものだったのかもしれないが、それが上手いこと作用しているようで、この作者の傑作「HAELEQUIN」を思い出させられる。
   　最初こそボーカルのパフォーマンスがやや曲の勢いに負けているようにも感じたが、回数を重ねて聴くごとに段々とこのボーカルが曲を官能的に仕上げているのではないかと感じるようになった。2分にも満たない時間の中で非常に良く出来ている。

7. Frums - drink-colored eight star
   　今年出された作品の中でも極めて異質にも思えるような、挑戦的でノイジーなポスト・インダストリアルの作品。非常に賛否両論だった作品で「ただの騒音」と評している人も多かった印象だが、主題のビートに代表されるように、ノイジーな作品の美味しいところを取れているように思える。
   　中盤から終盤にかけてのエクストラトーン的なパートには少々陳腐さを覚えさせられたが、それ以上に譜面と曲の凶暴さでこの作品は殴りにかかって来ている。なんとも末恐ろしい作品だ。

8. atmbzk - SHINKA
   間違いなく今年の作品の中でも一番の出来を誇っているテクノ。最初こそ控え気味にビートが流れるが、曲が進むにつれて陶酔感とともに段々と広がりを見せていく。中でもチップムンク・ソウルのようなボーカルサンプルがこの作品の中毒性に一役買っており、高揚感をもたらしてくれる。
   　全体的に締まった出来で、全く無駄を感じられない。現代におけるテクノ・チューンの一つの完成形とも言えるのではないのだろうか。

9. Sakamiya - とむらヰ
   陰鬱なDigital J-Popのアンセム。曲としては2021年に既にあったようだが、曲そのものさながら、この作品は「死」のイメージがやたらと歩き回っていた2022年という年に出されたBMSとして見ても評価に値すると個人的に感じている。
   　黙示録的にも感じさせられるダークな歌詞と、凛々としたような暗さを持ったこの作品は良い意味で語るのに躊躇させられるような作品となっており、芸術品として非常に良く出来ていると思う。

10. うたびとしらず - あらねど09092007
    2007年に出されたあの大作に対してのトリビュートとも捉えられる作品。賛否両論はあったが、BMSの表現でプレイヤーを非常に驚かせてくれるという意味では間違いなく評価に値する作品の一つ。最初こそミニマルな雰囲気が想起させられるが、段々と壮大になっていき、終いにはオーケストラをバックに意味深なLNが一筋の涙のように降り注ぐ。
    　途中から入り込むニューロベースとの絡み合いはもはやこの2022年全体を通しても驚異的なカットの一つに入るだろう。粗さは多少見られるものの、作品全体でプレイヤーに語りかけることにこの作品は成功している。

Grimfeariaさんの2022年ベストBMS

1位：Baby / r

2位：GIMMICK / Ms.Sill

3~10位：
supposedly / Be-Music Sampler
reveL / Orange Vox+ ft.AKA
Yobukoe ga suru 21-Neon no / Rykseb
朝活 / FALL
Heartstrings / 庭師
夢厭 con eleganza / 大前司
Arbre Des Songes / qune
祈雨の菖蒲 / Nego_tiator × 神宮要 × Avtorica

Primsさんの2022年ベストBMS

1. MESMERA / qfeileadh + 空読無 白眼
2. GIMMICK / Ms.Sill
3. Song / 大前 司
4. gur yvsr(仮) / Frums
5. New York Back Raise / saaa + kei_iwata + stuv + わかどり
6. Halation / Nyolfen
7. minefield outlaw / trapman
8. あらねど09092007 / うたいびとしらず
9. drink-colored eight star / Frums
10. For No Reason / ProjectG as 'ProjectG'

第1位：Song
第2位：d2
第3位：祈雨の菖蒲

KeiuOさんの2022年ベストBMS

第1位：Baby
第2位：slic.hertz

第3位以下：
遠声
Fall Apart

M-kaniさんの2022年ベストBMS

1位　#GOTO / NASA
2位　Song / 大前 司
Mystery / ANKAKE
家物語 / K4Y5
Baby / r
zephyric verse / maki
凍テ尽ヒタ時ト共ニ / coTatsu

匿名希望さんの2022年ベストBMS

第1位：GIMMICK / Ms.Sill
第2位：Before it Ends / Billiummoto

第3位以下：
ふたりの-><-シグナル / otoshi.b×qfeileadh×みゅい×柳瀬マサキ×レゾナンスもえこ
♯GOTO / NASA
Song / 大前司
ヒュブリスの頂に聳えるのは / qfeileadh feat.のあ
Fickle Mind / MALVA.
Baby / r

BGA部門

Mowlさんの2022年ベストBGA

1. 焼き鳥 - 灰色カナリア

2. 空読無 白眼 - MESMERA

3. MANAKA - ＜header＞

4. CYLTIE. - Needy Samples Overdose

5. SOMON & Micelle - ペイペイ2000

・作品の味を引き出すことに成功している
・ありきたりではない
・思い切っている

この３つを観点にBEST5を選んだ。中でも1位はMVとして非常に完成度の高い出来で、歴代のBMS作品の中でも最高の出来の一つと個人的に言える。

Grimfeariaさんの2022年ベストBGA

1位：青輝残光 / わっふゑ

2位：Across the Sky / VISLIM

3~10位：
Agilion / LeaF
GYNOID / yusi.
Halation / 空読無 白眼
Pillars of Ash / rN + Mint.zip + Trouman + Keizou
Fall Apart / TRAF
祈雨の菖蒲 / Avtorica
Vista / Landscaper, retu
echo / DARUMUL

Primsさんの2022年ベストBGA

1. New York Back Raise / saaa + kei_iwata + stuv + わかどり
2. MESMERA / qfeileadh + 空読無 白眼
3. Melotte 333 / sun3
4. Halation / Nyolfen
5. ネイクド・ワイルド・パラノイド / kei_iwata + saaa
6. For No Reason / ProjectG as 'ProjectG'
7. フエネック / LisicA
8. デネブ・コネクション / Abel & Kamisys
9. 5月病 / 空読無 白眼
10. FINE TENSION / TRIAL