NATO戦略的コミュニケーション能力向上センターレポート②「救世主プーチン」から「かけがえのないプーチン」1990年代クレムリンの戦略的コミュニケーション

有事平時を問わず社会の安全を保障していく上でどの様に、公的機関や民間企業が社会とどの様に情報コミュニケーションを重ねて行くかが大事になっております。 また、各個人にも情報を精査し、セキュリティ面での意識といったITリテラシーが求められてきています。 その他にも、自身が属する以外の社会でもどの様に情報コミュニケーションがなされているのか等、相手側の戦略も知る必要があります。 NATOでは、こうした戦略的コミュニケーションを調査、公表しており、業界人の方による要約をシリーズでご紹介いたします。
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ささみ@減量の季節 @hybridhybrid2

洋食は昔ながら系が大抵正解なんですよ。 夜はミリタリーウォッチの人。Marketing strategy,Promotion,Public relations. ❤️≠agree

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NATO戦略的コミュニケーション能力向上センターレポート 2 「救世主プーチン」から「かけがえのないプーチン」1990年代クレムリンの戦略的コミュニケーション stratcomcoe.org/publications/f… pic.twitter.com/voWuQsthdw

2022-12-28 22:17:14
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ソ連は 30 年前に消滅した。しかし、その記憶と、その解体に続く危機の 10 年間の記憶は、引き続きクレムリンに残っている。既存の研究ではは、ウラジーミル・プーチンが国営メディアの助けを借りて、ソ連の記憶と 1990 年代のトラウマを操作して、彼の政権を正当化したと主張している。

2022-12-28 22:17:37
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このレポートでは、別のアプローチ、戦略的コミュニケーションの枠組みを採用することで、クレムリンは 1990 年代のトラウマ体験を利用して、ロシア国民の大多数が持つ価値観の文脈の中でプーチン政権を正当化することを意図した戦略的物語を構築してきたことを見ていく。

2022-12-28 22:17:48
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クレムリンの戦略的コミュニケーションは、ソビエトを美化することによって (懐かしさ)、また90年代を中傷することによって (「野生の 90 年代」)、過去に根ざしていると主張している。これこそが、過去20年間の彼の政権を正当化し、その政権を正当化したことを示唆している。

2022-12-28 22:18:01
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プーチンは2020年、1922年のソビエト連邦創設に関する条約に関して言及をおこなった。これまでにこの条約について言及されたことはなく、彼の正当性の新たな要素として注目されている。 それを理解するためには彼らが「ソビエト連邦崩壊」の物語をどう解釈しているかが重要だ。

2022-12-28 22:18:14
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彼らは「西側が仕掛けた組織かつ意図的な情報戦争」からソビエトを守れなかったと理解している。そして戦略コミュニケーションじょう、国内・国外にどうアプローチしてどう影響を及ぼすか理解するためにはこの物語の要素分析が必要だ。

2022-12-28 22:18:25
ささみ@減量の季節 @hybridhybrid2

本レポートではまず崩壊から90年代、そして2000年代プーチン政権になってきてから、どうこの物語が構成されていったのかを見ていく。

2022-12-28 22:18:41
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90年代は経済的荒廃だけがソ連崩壊の物語ではない。汚職・犯罪・不服従が跋扈し、アフガン紛争の傷も癒えず、チェチェン紛争も存在した。そうした中人々はエリツィンに新しいロシアのアイデンティティを作り上げることを希望していた。

2022-12-28 22:18:52
ささみ@減量の季節 @hybridhybrid2

実際に当時の世論はチェチェンへの介入に批判的であった。95年の調査では4割もの人々がチェチェンの分離独立を支持した。そのような中でも、エリツィンは戦い続け「強いロシア」の姿を見せようとしていた。多くの人々はこの時代を「野生の90年代」と呼んでいる。

2022-12-28 22:19:03
ささみ@減量の季節 @hybridhybrid2

一方で多くのロシア市民にとっては、文化的自由を享受できた時代でもあった。しかし社会に対する評価は常に悪く「無関心・疲れ」が蔓延していた。ロシア国民と政治権力の関係は複雑であり、市民自身の権利の主張は求めない一方で、自分たちを強く導く存在を常に求めている。

2022-12-28 22:19:23
ささみ@減量の季節 @hybridhybrid2

多くの西側諸国がロシアの民主化を祝福していた一方で、ロシア国民の反応は冷淡であり、自由より安定した社会と秩序を望んでいたと言える。実際に「ペレストロイカがなければ生活はもっと良かった」と答えた人が半数にも達するのだ。

2022-12-28 22:19:34
ささみ@減量の季節 @hybridhybrid2

しかし、社会主義国家再来を求めていたのではなく「安定性・秩序を保障してくれる指導体制」を求めていたというのが正しい。それをよく理解していた。そのため彼はまず「強力な指導」への懐かしさと「90年代の弱い」指導への糾弾を始めた。ロシア国民のトラウマと彼のストーリが一致したのだった。

2022-12-28 22:20:04
ささみ@減量の季節 @hybridhybrid2

「彼はスポーティーで若くて強さを持っている」「決断力があり国を率いてくれる」こうした彼のイメージは新しい若者に新しいソフトウェアをインストールスカのように広まっていった。

2022-12-28 22:20:14
ささみ@減量の季節 @hybridhybrid2

プーチンがより強権的になったのは2008年だ。テレビの前でアルミ会社のRUSAL社長に経営統合を強く迫った。テレビを通して強い指導者であることをアピールするようになっていった。「直接電話番組」が始まるのもこの時期だ。役人の不正を公開処刑するというやり方としてはソ連に通じるものがある。

2022-12-28 22:21:13
ささみ@減量の季節 @hybridhybrid2

プーチンのコミュニケーションの成功は手法だけでなく、2000年代のエネルギー高による好景気が貢献したことも大きい。実際にこれまでにない経済成長を達成し、国民に救世主として説得性を持たすことができた。

2022-12-28 22:21:26
ささみ@減量の季節 @hybridhybrid2

90年代、暗にエリツィンを非難する事でこれまでの正当性を主張してきたが、経済が成長にするにつれて異なる側面も出てきた。「国を立て直す救世主」として国民の彼への必要性が減ってきたのだ。そこで彼が着手したのが「ロシア」という歴史アイデンティティの再構築である。

2022-12-28 22:21:39
ささみ@減量の季節 @hybridhybrid2

「リューリクからプーチンまでのロシア史」なる本では、プーチンの指導力をリューリク朝とロマノフ朝に重ねている。この物語はロシア正教会に受けいられることとなった。そうして正教会は「プーチンという指導者がいなければロシアは野生の90年代に戻る」というナラティブを展開し始めた。

2022-12-28 22:21:48
ささみ@減量の季節 @hybridhybrid2

プーチンは大統領就任後、国営メディアの力をかりて「ソ連の懐かしさと90年代のトラウマ」を発明し刺激してきたと言わている。しかし元からあった、国民性を彼は利用したという方が正しい。強力な指導を是とする感情を過剰に無視して単純に「懐かしさ」「トラウマ」に帰結するのは分析の妨げとなる。

2022-12-28 22:22:49
ささみ@減量の季節 @hybridhybrid2

クレムリンがどのように物語を作っているという分析のためには30年間という短い歴史ではなく、長いロシアの文化と歴史の中の一部であることを理解することが重要である。

2022-12-28 22:22:59
ささみ@減量の季節 @hybridhybrid2

この点を見ると2つの課題が出てくる。1つは世界が望む方向へ変化を促すにあたってどこまで外部から言えるか?2つ目は国民がどこまで許容できるか?ということである、この答えは今後の研究に期待をする。

2022-12-28 22:23:08