レイヴ・カルチャーからヴェイパーウェイヴ(Vaporwave)へ―海外版ネトウヨこと「オルタナ右翼」が用いる音楽ミームの成立と変遷について
- pareorogas
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ヴェイパーウェイヴ(英: Vaporwave)は、2010年代初頭にWeb上の音楽コミュニティから生まれた音楽のジャンルである。過去に大量生産されて忘れ去られた人工物や技術への郷愁、消費資本主義や大衆文化、1980年代のヤッピー文化、ニューエイジへの批評や風刺として特徴づけられる。基本的にパソコンとDAWを用いて、素材の加工と切り貼りだけで制作される実験音楽。(Wikipedia)
「レイヴカルチャーからVaporwaveへ、オルタナ右翼が用いる音楽ミームについて」という35ツイート分の超長い音楽評論を書きました 政治と哲学と音楽に興味があれば読んでください twitter.com/bibi_bib_/stat…
2023-01-01 07:37:30音楽が政治活動に転用される例は少なくなく有名な話では反ユダヤ思想を持っていたワルキューレの騎行で有名なドイツ作曲家ワーグナーの曲をヒトラーが用いて政治キャンペーンや集会でBGMに流すことをしていた Vaporwaveがトランプ支持の右翼団体のミームとして使われ始めたことの経緯を確認しておく(1
2023-01-01 07:31:27#裏CEED2nd 昨日12/31に裏CEED2ndで講演させていただいた私の音楽についての発表ですがその全原案がこちらとなっています 講演では一部のみの発表となったため書き残しておきます twitter.com/bibi_bib_/stat…
2023-01-01 10:00:37今日本でVaporwaveっていうとオルタナ右翼のお気に入りジャンルというイメージが強いけど、2010年初頭に登場した頃はかなりクールな音楽だったと記憶してる。ちょうどその頃、Ariel Pinkも注目され始めて、ヴェイパーウェイブとともに、これこそ10年代の音だ!て思ってた。
2019-02-07 11:53:052010年代に誕生したこの音楽ジャンルを特徴付けるのは「ノスタルジア」の感覚だ。
ヴェイパーウェイブは、その蒸気(vapor)の魔力によって80年代〜90年代生まれのミレニアル世代を惹きつけ、ついには一部のオルタナ右翼をも魅了するに至る。
もはや輝かしい将来を想像すらできず、未来を「喪失」としか捉えることができない人々に向けて、心地いいノスタルジアの癒しを提供している、とも考えられる。
Vaporwaveに関する記事。これを読んで色々考えさせられてしまった。今、私のようなおっさんがレトロにハマったりするけど、若い世代も未来に夢を見いだせない分豊かな時代をコラージュしたり、あまつさえオルタナ右翼と紐付けられ先鋭化したりするのか?等と。 gendai.ismedia.jp/articles/-/597…
2021-01-29 01:16:36レイヴ・ムーヴメントの隆盛と終焉
音楽が政治活動に転用される例は少なくなく有名な話では反ユダヤ思想を持っていたワルキューレの騎行で有名なドイツ作曲家ワーグナーの曲をヒトラーが用いて政治キャンペーンや集会でBGMに流すことをしていた Vaporwaveがトランプ支持の右翼団体のミームとして使われ始めたことの経緯を確認しておく(1
2023-01-01 07:31:2790年代は創作や文芸において考察の対象となることがしばしば見られUKでは後年に語られることの多いレイヴという音楽カルチャーが草の根運動的に生まれた 音楽の多くは家屋内で演奏されることが多いのに比してレイヴで流されるサイケデリック/Breakcore/テクノは屋外の野営で行われることが多かった(2
2023-01-01 07:31:28レイヴにおいては野営のみならず誰も使っていない捨て置かれた家屋で演奏することもあった UK特有の社会事情もありホームレスが無人家屋に侵入して暮らすことに寛容な精神がこの文化を支えた ある種レイヴのアジトを促す因子として機能したUK社会が日本でも米国でもないこの文化を作ったと言える(3
2023-01-01 07:31:29UKが音楽大国というとBeatlesやU2などのUKロックと呼称されるジャンルを思い浮かべる ただレイヴはそれらメディアでフィーチャーされる主流の音楽とは異なり大衆の支持を獲得するものではなかった レイヴのライブ情報は口コミで拡散されテレビや大手出版の広告で支えられることはない(4
2023-01-01 07:31:30音楽性についてもBPM(beat per minutes)が140~170と速くまたPOPsの様にサビが無い メロウな落ち着くスタイルのモノは珍しく繰り返される速いビートが聴衆の神経を煽るような楽曲が多い この反主流性と神経作用性はその2つと親和する人間を寄せLSDや覚醒剤を服用する者を集めた(5
2023-01-01 07:31:31レイヴがアンダーグラウンドカルチャーの一種と捉えられるのはこうした経緯がありのちにこのレイヴの反社会性に目を付けた政府当局に法的及び政策的にレイヴは規制されレイヴムーヴメントは終息していく(6
2023-01-01 07:31:32ニック・ランドが「ポスト・ヒューマン」の実践に向けて利用した「ドラッグ」と「レイヴ」
(7はこっち)ここでレイヴパーティに関わっていた当時代90年代の人物として挙げられる人間にニックランドというイギリスの哲学者がいる ランドは大陸哲学の教鞭を取っていたアカデミアの人間であり後に暗黒啓蒙と呼ばれる独自の思想を作りSF レイヴ サイバーパンクといったキーワードに敏感であった(7
2023-01-01 08:39:40ランドの哲学は加速主義に代表されのちにオルタナ右翼や新反動主義の思想的基盤を形成していくことになる 加速主義ではテクノロジーの発展による資本主義社会の拡大を肯定的に捉え産業の発展とそれによる社会の分離や価値観の刷新を推し進めシンギュラリティと声高に主張される目的を信奉する(7
2023-01-01 07:31:32このランドの思想はある種急進的な虚無主義を掲げるとも言え彼の書く「Meltdown」では加速膨張する科学が既存の社会制度を融解させアナーキーな無政府状態に陥れることの宿命論的絶望を宇宙における熱的死のアナロジーとして捉えコズミックホラーのモチーフを経済社会に見いだす様にもなる(8
2023-01-01 07:31:33端的に言えばテクノロジー信望であるランドの思想は本人のブレードランナー/ターミネーターなどのSFを偏愛する傾向からも見られトランスヒューマンやポストヒューマンの一種であるとも言える 90年代にはいるとニックランドは自身の思想の体現のためかCybernetic Culture Research Unit(CCRU)(9
2023-01-01 07:31:34という団体を作りここで大陸哲学とSFとオカルトを研究し始める ランドは本人のサイバーパンク的嗜好から上記のレイヴカルチャーをサポートする音楽活動をCCRUの一貫として主催するようになりそこでアングラな様相を濃くしていった(10
2023-01-01 07:31:35ランドはこの時期から神経質的に思想を深めていきレイヴと繋がりのあるアーティストとのコラボライブで観客の衆目を浴びるなか奇声を上げ詩を朗読するパフォーマンスを見せた というのもランドの掲げるトランスヒューマン/加速主義の精神においては人間中心主義社会を批判する現代思想も含む(11
2023-01-01 07:31:36この反人間的であることの要諦は人間の外部との接触を試みる立場であるとも言えそれまでのフロイト等に見られた人間の内面を探索し人間の男根や過去の記録に精神を意味付ける傾向と対蹠的であるといえる(12
2023-01-01 07:31:36