チベットで相次ぐ焼身自殺抗議への中国の人権活動家の会話

曽金燕「チベット人の焼身自殺は明らかに賢明なことではない。いくら焼身自殺して、自殺者が当局に対して抱いている最後の善意の幻想を示したところで、当局が彼らの叫びなどまったく気にも掛けていないことを示す格好の証明になるだけ。失われる１人１人の命が痛切に惜しまれる。ダライラマにはどうか凡僧に知恵と慈悲の教えを授け、焼身自殺の再発を防いでいただけますことを。」

Stephen King（「90後の民主自由とAV好き」と自己紹介する湖北省の中国人）
「まったく、焼身自殺は、当局がどんなひどいことをしていても、なにも変化を起こさない。まったくの無駄死にですよ」

ウーセル「チベット人以上に、焼身自殺で失われた生命を痛切に惜しみ悲しんでいるものはいません。ただ、その『藏人自焚相当不明智（チベット人の焼身自殺は明らかに賢明なことではない）』という評価は、いったいどういうことか反感を覚えます」

一夫FanShiGanEn（在米中国人）
「焼身自殺は、政府への絶望であると同時に非現実的だよ」

※而非心存幻想＝似是而非心存幻想、と補ったうえで意訳してみた。勘違いしてたらｺﾞﾒ

xingyouyuli（プロフィルは空白だがアカウントは「行有余力」＝行いて余力あれば、則ち以って文を学ぶ。おそらく在米中国人または台湾人）
「すべての慈悲心ある有識者の方々に謹んでお願いいたします。僧侶の焼身について論を闘わせ、失われた尊い命を毀誉褒貶してある種軽んじたりいたずらに騒がせるのはどうかおやめください。彼らが殺生戒の戒律を冒して焼身したからそのような報いは当然だ、などということも決してないのですから」

1989jasmine（米国籍華人。ハンドルの年号からすると天安門世代か）
「かわいそうな大陸（の中国）人！　たとえ素質があるとしても、それでも関心を持つのは私利私欲の焼身自殺にだけ。この種のチベットのような公益のための焼身自殺にはまったく関心がないのね」

※土地強制収容に際し爆弾を身体に巻き付けて抵抗したり、重機の前に立ちふさがって殺されるなど、身を賭した立ち退きへの抗議がしばしば中国国内のネットで大きな同情を呼んでいるのに対して、チベットの焼身自殺にはネット世論の反応が薄いじゃないの、とあてこすったとみられる

I.N.G（プロフィル不明）
「彼らが絶望し、過酷さから逃れたことは確かだ」

1989jasmine
「自殺には2種類ある。一つは社会公益に殉ずるもの、もう一つは私利私欲を追うもの。公益のための焼身自殺（チベット人がいま行っていることだ）は、平和的で非暴力な手段であり、ひとりの人間として誰もが注目し同情するに値すること。エゴを通すためのそれ（大陸人が最近始めたやつね）は、エゴの極限の表現方法ともいえるわけで、まったく同情に値しないよね」

胡平（在米民主活動家。「北京の春」編集長）
「命をすべて投げ出す行為の、どこにまだ私利私欲が残っていると？　ちょっと考え直して下さい」

1989jasmine
「人は財のために死に、鳥は食べ物のために死ぬ（欲ばって身を滅ぼす）。私利私欲でないわけがないでしょ？」

胡平「唐福珍の焼身自殺は？　農民工はなんのために自殺で労使闘争した？」

※唐福珍＝2009年9月13日、成都市内の再開発で、自宅の立ち退き強制執行に抵抗し、「房在人在、与房共存亡（家があるところに人は生きる。生死は家とともに）」という横断幕を掲げて自らの身体に火を放ち、焼身自殺した。中国各地で強引な土地収用や立ち退きの強制執行が社会問題となっており、中国全土の同情をよび、地元当局が更迭された。
※自殺で労使闘争＝給与未払いなどの不当待遇に、出稼ぎ労働者が抗議の服毒自殺をした。2011年1月に社会問題化。

1989jasmine「唐は自分の家を手放したくなくて焼身自殺したんでしょ、農民工は自分の給料が欲しくて焼身自殺したんでしょ。エゴよ！　気の毒がる価値はないわ」