初代 IBM PC 5150 を動かす(2台目)

IBM が 1981 年に発売した IBM PC 5150 の故障品を ebay で購入して動作させる作業の記録。
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はじめに

現在の PC につながる IBM PC の初代モデル 5150(256KB マザーボード)の故障品を入手し、調査・修理・改造を行った。

過去に 5150 マザーボード(初期型 64KB モデル)を修理しているので基本的な部分は理解していたが、ケース、電源、ドライブ、拡張カードなど当時の機器一式をまとめて入手したのは初めてで、最初期の PC について知りたい人にとっては興味深い内容になっていると思う。
 

※マザーボードや MDA ビデオカードに関する情報は以下の内容を参照
初代 IBM PC 5150 を動かす(1台目)


調査

購入時に ebay の情報では以下の事がわかっていた。

・本体
 ・箱付き
 ・ケース外観は綺麗
 ・電源が入らない(no power)

・拡張カード
 ・ビデオ、シリアル、パラレルがあるらしい

・ドライブ
 ・5インチ ハーフハイト1ドライブ

earlgrey @konekodensetsu

ボーナスで PC 買った。やっぱりケースが欲しいので外観が綺麗な箱入り IBM PC 5150。不動品なので修理します。着荷が年末年始予定なので受け取れない可能性があるのが気がかり。 pic.twitter.com/4pogkmtZwX

2022-12-14 10:26:13
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外観

earlgrey @konekodensetsu

IBM PC 5150 届いたけど、ミントにもほどがあるコンディション。金属部が鏡みたい。 pic.twitter.com/YqvGyYNiYj

2022-12-29 00:22:51
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ミント、と書いているが筐体上面にはモニタの足の跡が残っている(この写真だと見えない)。ある程度使用した後に故障してしまわれていたのだと思うが、それにしても金属部が綺麗


earlgrey @konekodensetsu

足はキーボードと一緒でコルクなんだなあ。キーボードもそのうち手に入れたい。 pic.twitter.com/nkmFT3nggS

2022-12-29 00:48:34
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筐体

マイナスネジばかりなのが珍しい

earlgrey @konekodensetsu

筐体下側。ネジは3種類。上カバーを固定している少し大きめのネジ5個(ケース左端)、拡張カード5個、電源4個、マザーボード2個は同サイズ(ケース中央3つ。マザーの1か所だけプラスチックワッシャが使われていた)。後は純正ではない FDD 固定のミリネジ2個(ケース右端)。純正は全部マイナスネジ。 pic.twitter.com/HyKcg2738k

2022-12-29 12:37:01
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earlgrey @konekodensetsu

ドライブベイはフルハイト2つ分あるけど、ハーフハイト1ドライブしか付いていなかった。隙間は手作り木製カバーがマスキングテープで止めてあった。金属パーツはハーフハイトドライブ2段固定用のサードパーティ部品かな。ドライブは片側のネジだけで固定するようになってる(これは純正品でもそう)。 pic.twitter.com/m9KpMHPYhZ

2022-12-29 12:42:58
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earlgrey @konekodensetsu

筐体の前面にはロングカード固定用のプラスチック部品があるんだけど、この筐体は3個しかついてなくて、そのうち1個は欠けて取れてしまっていた。全部形が違うのもちょっと気になる。 pic.twitter.com/ljPwiGNciw

2022-12-29 12:45:36
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マザーボード

以前入手した 64KB 初期型は Intel のチップが多く、今回の 256KB 後期型は AMD チップが多い。

earlgrey @konekodensetsu

マザーボードは 256KB の後期タイプ(左、茶)。比較用として以前入手した 64KB(右、緑)前期タイプの写真も載せる。CPU をはじめ AMD 製チップが目立つ。前面側にあるスピーカー端子が 64KB は基板から出っ張っていたけど、DRAM の配線を曲げて内側に移動させられている。 pic.twitter.com/4AMAQKDqjy

2022-12-29 13:13:57
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earlgrey @konekodensetsu

CPU まわり。64KB マザーでは直付けだった 8284 がソケットになっている。PC-SPRINT (クロックアップ基板)が付けやすくて助かるけど、IBM が気を利かせたのかな? pic.twitter.com/F6DqQB3Wud

2022-12-29 13:24:48
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拡張カード

拡張カードが4枚も入っていて嬉しかった。ドライブベイは片側しか使用した形跡がなく、実際1ドライブしか入っていなかったのに FDD カードが2枚入っていたのは謎。

earlgrey @konekodensetsu

拡張カードその1 FDD コントローラ。大きい方が純正(?)の 6181682 カード。チップは NEC μPD765AC。TEAC ドライブに接続されていたのはこっち。小さい方は CompactiCard II というもので、昔の広告を見ると 1.44MB まで対応してるようだ(2ドライブ75ドルの方かな?)。こっちも NEC で μPD765BC。 pic.twitter.com/AZc787WXZj

2022-12-29 14:13:59
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earlgrey @konekodensetsu

拡張カードその2 メモリ拡張カードとビデオカード。メモリ拡張カードは I/O 拡張もついてる複合カード AST SixPakPlus。詳細は後で調べるけどこれで 640KB にできてバッテリーバックアップクロック、シリアル、パラレル、ゲームポートがついてるようだ。ゲームポートは自作ケーブル作ってみるか。 pic.twitter.com/yHMBedGnUN

2022-12-29 14:25:57
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earlgrey @konekodensetsu

ビデオカードは PARADISE MGC。資料に Western Digital と書いてあるが、PARADISE SYSTEM が1987-88 年頃に買収されたという事らしい。CGA/MDA 両対応で切り替えは DIP IC っぽい見た目のジャンパーを使う。現在は MONO (MDA) 設定。うちには CGA カードがなかったので嬉しい。 pic.twitter.com/9w3QAGZwLO

2022-12-29 14:36:17
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CGA/MDA 両対応と書いたが、より正確に書くとカードは CGA 互換で、設定を変更することで CGA/MDA モニタが選べる、というのが正しい。



電源/ドライブ

earlgrey @konekodensetsu

電源とドライブ。純正電源の端子は AT と同形状のマザーボードコネクタ2個とドライブ用2個。出力は 63.5W と小さめ。ガチン、と音を立てて動作するでかいスイッチが良い。5インチハーフハイトドライブは TEAC FD-55B がついていた。容量 360KB。落ち着いたらそれぞれ単体で動作確認する。 pic.twitter.com/sOf7mc3aZW

2022-12-29 13:05:31
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earlgrey @konekodensetsu

IBM 5150 電源、分解したかったがなかなか難しい。メインは 1/4 inch 六角ボルトでうちに適合する工具がない(実測対辺 6.4 mmくらいで 6 mmでは無理)。もう1つは T15 TORX (穴あき)でこっちは工具自体は2本あったが、かなり硬くて力を入れるのを躊躇してしまう。ボルトを外せた後頑張ってみる。 pic.twitter.com/1PuklgYOVu

2023-01-05 22:41:25
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ナットで止めていないので用語としては「六角ネジ」の方が正しい


earlgrey @konekodensetsu

1/4 inch の六角ボルト対応工具が届いたので分解、清掃、部品の調査及びメモ。外観的には問題なさそうに見えるので再組立して電圧のチェックをする。 pic.twitter.com/0BzNlYZnoI

2023-01-07 23:50:06
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earlgrey @konekodensetsu

ネジをもう少し詳しく書いておく。外装は 1/4" 六角ボルト x 7 と T15H TORX x 2。メインボードは 1/4" 六角ボルト x 4。1か所だけアース用と思われる歯付座金が嵌っていた(下からケース/歯付座金/基板/ボルト)。 pic.twitter.com/RgKXlnMdpD

2023-01-07 23:57:15
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