茂木健一郎氏 @kenichiromogi 【SNS時代の宗教】連ツイまとめ

2011年10月24日の連続ツイート 「宗教的なモティーフは生きる上での糧となり得るが、党派性の下、他者を排除する必要はもはやない」 ……従来の宗教団体の、排他的体系性だけは、もうそろそろ廃してもいいのではないか……ソーシャルネットワーク時代における組織の概念自体が見直されるべきときが来ている。宗教はその典型であり極致であろう……
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茂木健一郎 @kenichiromogi

「連続ツイート」をお届けします。文章は、その場で組み立てながら即興的に書いています! 本日もまた、前の三日の流れを受けて!

2011-10-24 07:33:46
茂木健一郎 @kenichiromogi

しと(1)「魂」や「死後の世界」は、「脳内現象」であって、その切実さを科学主義から否定すべきではないと書いた。では、そのような表象の体系としての「宗教」をどのように考えるべきかと言えば、宗教感情自体と、宗教組織、団体とは区別しなければならないと思う。

2011-10-24 07:35:54

脳内現象 (茂木健一郎著:NHKブックス)

“私”は脳のどこにいるのか?“私”という明確な意識はいかにして成り立つのか?脳内では千億もの神経細胞が複雑なしくみで結びつき、情報交換をしている。意識が生じるためには、この複雑な脳内の隅々までを、“私”が一瞬にして見渡さなければならない。これはいかにして可能なのか?脳内を見渡す小さな神の視点、すなわち、「脳内現象としての“私”」が生じる根本原理を解き明かす。 http://p.tl/vZUO 「BOOKデータベース」より

茂木健一郎 @kenichiromogi

しと(2)それぞれの宗教に、切実なモティーフがある。たとえば、キリスト教における、絶対者たる神が、死すべき者である人間の苦しみを「共苦」するために、受肉したという考え方。イスラム教における、偶像崇拝否定の思想。ムハンマドの肖像は、たとえ描かれる場合でも顔に覆いがある。

2011-10-24 07:38:43
茂木健一郎 @kenichiromogi

しと(3)日本の神道における、自然との共生の概念は、21世紀の地球において重要である。仏教における、すべての生きとし生けるものを慈しむ考えは、今日のエコロジーの思想につながる。それぞれの宗教において、私たちがこの地上で生きる上で助けになる、さまざまな叡智がある。

2011-10-24 07:40:25
茂木健一郎 @kenichiromogi

しと(4)本来、これらの表象としてのモティーフは、特定の体系性に属するものではなく、また、お互いに排他的なものでもない。ところが、従来の宗教組織は、あたかも帰依が同時に排他的従属を意味するかのような、そんな擬制を行ってきた。

2011-10-24 07:41:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

しと(5)リチャード・ドーキンスが、その著書「神は妄想である」で批判したのも、宗教「団体」の排他性だった。21世紀のグローバル社会において、異なる文化背景の持ち主が混ざり合う時、従来の意味での絶対的帰依、排他性は、もはや維持する必要がないと私は考える。

2011-10-24 07:42:46

リチャード・ドーキンスの「無神論と合理主義」

ドーキンスはイギリスの動物行動学者であり進化生物学者。率直な無神論者で、宗教批判者である。「無神論は進化を理解することの論理的な延長である」と考えている。また「宗教は科学と両立し得ない」とも考えている。 http://p.tl/cDg7 「ウキペディア」より
※9.11アメリカ同時多発テロ事件への言及も興味深い。長文なのでリンクを参照されたし。

茂木健一郎 @kenichiromogi

しと(6)すべての宗教的モティーフを「脳内現象」としてとらえた時、そこに排他的体系性がある必然性はない。たとえば、キリスト教の受肉の思想と、仏教のエコロジー思想が結びついてよい。さまざまな宗教のモティーフに、自由に共感し、自分の生きる糧としてよい。

2011-10-24 07:44:09
茂木健一郎 @kenichiromogi

しと(7)日本人は、元旦には初詣をして、クリスマスを祝い、キリスト教式の結婚をして、仏教で葬られるなど、宗教的に節操がないと言われてきた。しかし、宗教的モティーフを「脳内現象」としてとらえるという立場からみれば、それでいいのだ、とも言える。

2011-10-24 07:45:16
茂木健一郎 @kenichiromogi

しと(8)私自身は、特定の宗教団体に所属していないけれども、さまざまな宗教において提示されているモティーフには、関心がある。その切実さに触れ、自らの生きる糧にすることは、大いにあっていいと思う。ただし、従来の宗教団体の、排他的体系性だけは、もうそろそろ廃してもいいのではないか。

2011-10-24 07:46:42
茂木健一郎 @kenichiromogi

しと(9)宗教に限らず、すべての「団体」は、それが排他的でない限りにおいて、人類社会に恵みをもたらす。ソーシャルネットワーク時代における「組織」の概念自体が見直されるべきときが来ている。「宗教」は、その典型であり、極致であろう。

2011-10-24 07:48:29
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、「宗教的なモティーフは生きる上での糧となり得るが、党派性の下、他者を排除する必要はもはやない」ことについての連続ツイートでした。

2011-10-24 07:49:23

茂木健一郎ブログ クオリア日記

茂木健一郎 @kenichiromogi

クオリア日記 今度夕暮れの空を見上げるときは、アタマの中から、できるだけカメラを追い出すことにしよう。 http://t.co/mKiMkO1j

2011-10-24 07:31:40