NOSU~従順なロボット~
- keramischmond
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「富樫さんは、ロボットの修理なんてしたことあるノスか?」「え?ああ、まあ、俺、もともと大道具出身なもんでこういう機械を扱うのは慣れてたんだ。もっとも、君が、その分厚い本持ってたから、というのもあるけどね。」「ん?大道具出身って?何ノス?」
2011-10-28 01:18:07「ああ、実は俺、監督やってんだ。」「監督?野球の?」「この流れでなんで野球なんだよ?映画とかドラマのだよ。」「へえ~すごいノスねえ!ぼくもそういうのやってみたいノス!」「おいおいロボットが監督なんて聞いたことねえよ!まあ見学ぐらいだったらさせてやってもいいぜ」
2011-10-28 01:22:08「いいノスか!絶対いく連れてくノスよぉ~」「ああ、いいよ!まあその前にお前の体直さないとな!」「ノス!」
2011-10-28 01:24:17富樫はノスのために、ジャンクのロボットを買い付け、部品を取り出し、ノスに装着していった。今出回っているロボットの部品はノスが基準になっている。逆にいえば、新しい部品でもノスに使える、ということらしい。
2011-10-28 01:29:40「どうだ?ノス?」「ちょっと違和感を感じるけど・・・・かなりいいノス!」「よかった。お前はかなり旧式のやつだから使えないのかと思ったけど、すんなりうまくいってよかったよ。」「さて、これからどうする?」「行くノス!」「どこへ?」「現場!」
2011-10-28 01:33:51「ほほう・・いきなり現場か・・・うるさくすんじゃねえぞ?」「ノオオオオオオオオオス!!」「言ったそばから・・・なんか別なとこもおかしくなってるんじゃねえの?」 ノスは心の底からうれしがった。
2011-10-28 01:37:34それからのノスは本当に楽しかった。撮影所に行っては、大道具さんと一緒に手伝い、出演者と一緒に遊んだり、富樫くんと遊んだり・・・「やっぱり・・・人と暮らしているほうが本当に楽しい・・・・」本当にそう思えた。
2011-10-28 01:50:26しばらくはそんな生活が続いた。ずっと続いてほしいと思った。でも、また、その生活が変わってしまうとは思ってもいなかった。 第5章終
2011-10-28 01:54:39なぜに、こんな長編を書くことになるとは思ってもみなかったが、まとめを作られたせいで後には引けなくなりました。ということで「NOSU」再開。
2011-10-29 01:13:39「おい?ノス?ロケハンに行くぞ?」「ロケハンって何ノス?」「ロケハンっていうのは、・・撮影のために事前に下見を行うことだ。さて行くぞ?」
2011-10-29 01:17:06ノスは、富樫の表情がすこしにやけていたのには気づいていた。しかし、今はそれに言及することはやめにした。「次撮るのはな、ドキュメンタリーだ。だからちょっと移動に時間かかるけどいいか?」「いいノス!どこまでもついていくノスよ!」
2011-10-29 01:21:40「じゃあ、ちょっとその箱に入れ。」「え?え?何ノス」「いいからいいから。ほら」「え?え?え?」ノスは電源を切られ、箱に入れられた。
2011-10-29 01:24:19・・・・・・・・・ウィン・・・・「一体なにノス?富樫くん」「ほらノス、着いたぞ?」「え・・・・?」箱から出ると・・・そこは異国でした・・・
2011-10-29 01:27:35「すまないなノス。渡航費を浮かせるためにお前を荷物として運ぶ必要があったもんでな。ここは、アフリカだ。」「アフリカ・・・」
2011-10-29 01:30:47「これから、内戦で混乱しているバングラ帝国手前まで行く。こちらには、ガイドが一応入るが、細心の注意が必要だ。おふざけはなしだ。わかったか?ノス?」「わかったか?ノス?」
2011-10-29 01:39:18いきなりこんなところ来るとは思っていなかったノスだが、富樫に尽くそうと心に決めていた。「富樫くん・・行きます。」ノスは不安でいっぱいだった。
2011-10-29 01:43:02現地のガイドは体格こそ撮影所の大道具のさんのようであったが、物騒な雰囲気であった。「ノス?あまり、心配しなくていい。今回はバングラの中には入らない。バングラから逃げてきた難民を撮る。」「最初はロケハンだって言ったノス!」「はは、そうでもしないとお前は怖がるからな。」
2011-10-29 01:49:42二人は、ガイドが運転する車に乗り込んだ。ガイドは日本語学校で日本語をほんの少しだけ学んだことがあるらしく、ある程度の会話はすることができた。バングラ帝国まで、数十時間・・・・
2011-10-29 01:58:02ふとノスは外を見た、ひたすら広い平原に沈む太陽、それは日本にいたときは絶対に見ることのできない、そして、もう見ることのできない太陽に思った。
2011-10-29 02:02:55そのときだ、前のを走っていたスタッフの車が、轟音を立てた。赤く広がる炎。ノスにはその事態が一体何なのかは全くわからなかった。
2011-10-29 02:05:46