- rouillewrite
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朝起きた時や、授業中、昼休憩の時間、所々で気を抜くとどこか身体がだるい様な感じがしていたが、まさか委員会の仕事中に意識を失うことになるとは思ってもいなかった。
2023-02-05 21:07:47幸いにも、今日同じ当番だった先輩の右京が棚の奥で倒れている自分に気づいてくれて、保健室に運んでくれたのだが。
2023-02-05 21:08:40左腕を額に置いて、仰向けの状態で深々とため息をつく。 別に熱があるわけではないが、どこか気だるくて眠たい。起き上がるのも億劫で、病気というよりは夢に引っ張られているような感覚がした。 やはり昨日の戦闘で、2人分のダメージを3回も受けてしまったのが原因かと少し眉を寄せる。
2023-02-05 21:10:03あとで右京にお礼を言いに行こう、そんな事を考えながら誰もいない保健室で外を眺めようとした時、ガラガラーッと勢いよく保健室の扉が開いた。
2023-02-05 21:11:55「今日は体調が悪くて来たんじゃなくて怪我だからな!!わははは!!部活中に足ひねった!!大丈夫かキヨハル!!」 「…もう少し声、落としてください……頭に響くので……」 pic.twitter.com/gcCG1VtYmr
2023-02-05 21:15:09意気揚々と保健室に入ってきたのは向日葵太陽だ。 声や体調は通常通りだが、確かに入ってくる時の動きがどこかぎこちない。左足を庇いながらひょこひょこと聖遥の横の椅子に座ると、誰もいないのをいいことに勝手に横の棚を漁り出す。
2023-02-05 21:17:30「…ちょっ…いいんですかそれ…」 「わはは、いつも使ってるから湿布の場所くらいわかるぞ〜。今日は春馬が当番のはずだよな?どこ行ったんだ?」
2023-02-05 21:18:21「…先生に呼ばれてどっか行きましたよ。すぐ戻ってくるとは思うんですけど……」 「そっかぁ。ちょっと残念だぁ」
2023-02-05 21:18:37力なくそう答える聖遥を横目に、自分の左足首に湿布を貼る太陽。確かに少し赤く腫れているが、太陽曰く「ぐにゃってなっただけ」というのでよくある捻挫だろう。
2023-02-05 21:21:06手慣れた様子で自分の足の処置をする太陽を見ていると、再び足音がした。今度は少し足早に、先程よりも勢いはないがどこか急いだ様子だ。 ガラリ、と扉が開く。
2023-02-05 21:22:32「…どこか痛いとかはないから…寝てれば大丈夫、だと思うけど。入らないの?」 「…いや、大丈夫なら、いい。 様子を見に来ただけだから、帰るよ」 「えっ、ちょっと、」
2023-02-05 21:28:23引き留めようとして、口を噤む。様子を見に来ただけで、彼が忙しいのなら引き止める理由は特に無い。 一瞬起き上がったが、それを許さないかのようにぐらぐらと揺れる頭に従って再びベッドの上に落ちる。そのまま去っていく火咲の背を見送って。
2023-02-05 21:29:37…息を切らすまで走ってきたのに、5分足らずでこの場を去る彼のあの表情は、一体。 普段話をしたり、一緒にいることは多いが…
2023-02-05 21:30:58まっすぐ相手の顔をみて話す彼にしては珍しく、目を逸らして唇を噛み、何かに怯えるようにして揺れていた瞳。
2023-02-05 21:33:51