不思議そうに舞台の光景を見ていたネルであったが、曲の盛り上がりと共にその表情はぱあっと明るくなる。 そして、歩けるようになってから初めての歌声を披露した。
2023-02-19 20:13:33「女王様はどこ?」 「あそこさ!」 ネルの問いかけに答えるリクニスが客席の最後尾を指差す。 観客がそれに倣って後ろを振り返れば、ガチャンと開錠する音と共に扉が開く。
2023-02-19 20:14:51赤と黒のドレスに仮面を付けたライカが、女王という役どころに合わせた優雅な出立ちで現れたかと思えば、普段通りの元気いっぱいな笑顔を見せた。 「私のお茶会へようこそ!」
2023-02-19 20:15:41ライカが舞台に加わり、ショーはクライマックスを迎える。 今日の公演は、ここ1番の大盛況であった。 pic.twitter.com/laR7D2LR9r
2023-02-19 20:16:21大きな瞳を輝かせ、自身を抱えているイダの腕から身を乗り出すほどショーに夢中である。 楽しげな音楽に合わせて自然と体が動いていた。
2023-02-19 20:18:39「ぱぱ!ねーねたち きらきらですてき!すてきねぇ!」 「そうだね。みんな沢山練習したからなぁ」 「ままは?ままは でてくるの?」 「最後のご挨拶で出てくるよ」 「ままがでてきたら りーな お~い!ってするのよ~」
2023-02-19 20:19:34シャンジュは一瞬イダと目が合うも、特に助けが必要な様子も無く、その客人を空いている席へ先導していた。 流石、サーカスへ来る前からこういった案内業務の経験を積んでいただけのことはある。
2023-02-19 20:21:51シャンジュに案内された、長い長い黒髪の人物とちょうど視線がぶつかる。 そのモノクルの下で怪しげに光る瞳は、単眼の少女を見逃さなかった。
2023-02-19 20:22:41エカチェリーナの小さな呟きに、イダは首を傾げる。 彼がもう一度視線を向けた頃には、その人物は既に着席しており、観客の中に紛れてしまった。
2023-02-19 20:23:23シュタインやダレン、クニヒサといった力仕事を得意とする団員は大掛かりなセットを片付け、今日は出演の無かったふぁらんを始めとした女子たちは仲良く談笑しながら細々した物を整理していた。
2023-02-19 20:24:16「ライカ、大人っぽくてめちゃ良かったアル…!」 「皆さんとっても輝いてましたものね!ヴェールお嬢様もあんなに堂々と踊っていらして…!」 ふぁらんとアリスは公演の余韻にうっとりと浸りながらそう話す。 心なしか鼻息が荒いのは気のせいではない。
2023-02-19 20:25:10「歌もダンスもどんどん良くなってない!?上達してくみんなをいちばん近くで観れるとか超サイコーなんだけど~!」 「えぇそうね!この場所は舞台がよく見えるもの」 ペネロープは目が合って異能を発動させないよう作業に集中しながらも、エリの言葉に心から賛同し、その声色は明るく弾んでいた。
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