福島原発2号機でキセノン検出に関する斗ヶ沢記者の見解

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福島第1原発:キセノン検出確認 「長時間臨界」は否定http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111103k0000m040089000c.html

斗ヶ沢秀俊(4月からの職を探しています) @hidetoga

東京電力福島第1原子力発電所2号機で、原子炉格納容器内に、核分裂の際に生じる放射性キセノン(Xe133、Xe135)が検出され、東電は核分裂を抑制するホウ酸水を容器内に注入した――とのニュースについて、考えてみました。

2011-11-02 18:16:31
斗ヶ沢秀俊(4月からの職を探しています) @hidetoga

核分裂反応が継続する「臨界」が小規模に起こっている可能性を否定できないと、東電は言っているとのことです。しかし、そうではないでしょう。第一に考えられることは、誤検出、測定ミスである可能性です。放射性キセノンはごく微量とのことで、データとその分析の正確さに、「?」が付きます。

2011-11-02 18:20:24
斗ヶ沢秀俊(4月からの職を探しています) @hidetoga

東電は3月27日、2号機タービン建屋の汚染水の放射性物質濃度が、通常の原子炉冷却水に比べて1000万倍高いと発表し、原子力安全委員会の指摘を受けて再検討したところ、2ケタ低い数値だったと訂正しました。放射性セシウム134と放射性ヨウ素134を誤認したことが間違いの原因でした。

2011-11-02 18:30:23
斗ヶ沢秀俊(4月からの職を探しています) @hidetoga

事故後まもないころの混乱期とはいえ、お粗末な出来事でした。仮に半減期が55分と短い放射性ヨウ素134が一定量検出されたとすれば、再臨界した可能性が高いことになりますが、中性子線のデータなどから、再臨界が起こったことは考えられません。

2011-11-02 18:33:28
斗ヶ沢秀俊(4月からの職を探しています) @hidetoga

だから、放射性ヨウ素134かどうかを、きちんと確認しなければならないのに、それを誰もできなかった。お粗末な分析・評価能力、誤りを見抜けない組織体制を露呈してしまったのです。東電に原発を運転・管理する能力が本当にあるのかという疑問をいだきました。

2011-11-02 18:43:21
斗ヶ沢秀俊(4月からの職を探しています) @hidetoga

ですから、今回の「Xe133、Xe135を検出」ということが正確かどうかがまず疑われます。核分裂反応がある程度の頻度で起こる、あるいは核分裂反応が継続する臨界が起こったとしたら、それに伴って発生する中性子線が検出されるはずですが、中性子線のデータに変化はないようです。

2011-11-02 18:49:34
斗ヶ沢秀俊(4月からの職を探しています) @hidetoga

核分裂に伴う放射性ヨウ素なども検出されていないようですし、原子炉内の温度も大きな変化はありません。したがって、誤検出の可能性が高いと考えられます。仮に誤検出ではなく、確かに放射性キセノンが検出されているとしたら、核分裂反応が起こっていると考えられます。

2011-11-02 18:52:24
斗ヶ沢秀俊(4月からの職を探しています) @hidetoga

その場合は、量の分析が重要でしょう。また、小規模な臨界、部分的な臨界が起こっているかどうかも分析しなければなりません。前述した理由で、再臨界が起こったとは考えにくいので、部分的に低い頻度で核分裂反応が起こっているということにとどまるでしょう。

2011-11-02 18:55:13
斗ヶ沢秀俊(4月からの職を探しています) @hidetoga

いずれにしても、これは、新たに相当量の放射性物質が環境中に放出されていることを示すということではありません。原子炉の制御という観点での話であり、私たち住民への健康影響にはつながりません。

2011-11-02 18:58:30
斗ヶ沢秀俊(4月からの職を探しています) @hidetoga

メディアはこのニュースを大きく取り上げざるをえない(わが新聞も夕刊1面トップ、あすの朝刊も当然トップでしょう)ので、たいへんなことが起こったと感じる方が多いかと思いますが、今後の経過を冷静に見守ってほしいと思います。

2011-11-02 19:01:01