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松京堂の衆荒句礼務@カスターどうでしょう
@matzkyodo
さっき夢で合唱を立ち聞きしてたんですけど、アカペラの混声の曲で、たぶん組曲の終曲で、ひたすら『どちらが青い、どちらが青い、どちらが…』って連呼する短調の曲ってあります？夢に出てきたくせに聞いた覚えがないんだけど…
2020-05-01 10:41:44
ちいさなプリンセスこちや@姪様甥様可愛すぎbot
@cochu02theworld
@matzkyodo 無伴奏混声合唱のための『どちらが青い』 1. 或る夏 2. 軍事郵便の先の妻 3. 見知らぬ娘 4. 死と夢 5. どちらが青い
2020-05-01 18:44:09
松京堂の衆荒句礼務@カスターどうでしょう
@matzkyodo
@cochu02theworld 或る夏の明るさからの死と夢とか…軍事郵便～はジャズィさを出すのがめちゃむずいですよね
2020-05-01 20:31:48
ちいさなプリンセスこちや@姪様甥様可愛すぎbot
@cochu02theworld
@matzkyodo しかも或る夏の主題が死と夢でも出てきたりするのがまた涙を誘いますよね。軍事郵便〜はあのアンニュイさを出すのが難しいです。
2020-05-01 20:34:34
ちいさなプリンセスこちや@姪様甥様可愛すぎbot
@cochu02theworld
@Latina_tan あのハミングからaのヴォカリーズになってく前奏、泣けますよね…。いつか歌いたいです
2020-05-01 23:44:42
ちいさなプリンセスこちや@姪様甥様可愛すぎbot
@cochu02theworld
@Soichi_ii @matzkyodo あそこはテノール泣かせですよね。あれが効果的なのは分かるんですけど…細かいし高いし跳躍するし……
2020-05-01 23:58:52
松京堂の衆荒句礼務@カスターどうでしょう
@matzkyodo
レディ・セット・ゴウ！で 僕らは投げ込まれたサイダァの壜 貴方のワン・ピイスは 昼の波のイメェジを あの若い日々に 映し出していましたね パラソルの陰で育った僕の焦りと 知らなかった貴方のはにかみが 二人の夏を巻き上げてしまった twitter.com/cochu02theworl…
2023-03-18 22:12:04
松京堂の衆荒句礼務@カスターどうでしょう
@matzkyodo
道端の自転車から 妻のいる窓辺へと 穏やかな庭を歩む 郵便配達夫の手に その手紙の最後の 幾米かは託される 栗材の額のように 切り取られた窓に 飾られている花と 働く妻の朝の横顔 封筒には正方形の 軍用切手と消印に 丸い開封済みの印 形ある祈りは今日 確かに届いたのだ しかし妻の安堵の
2023-03-19 11:50:51
松京堂の衆荒句礼務@カスターどうでしょう
@matzkyodo
美しく溢れる笑顔 は配達夫より先へ 返信されはしない あゝなんと残酷な 神様の采配だろう ある朝 開封検印 の押されない唯一 の軍用封書が届き その手紙の先では 配達夫の足どりも 妻の笑顔の挨拶も 気まずい沈黙の中 凍りついてしまう 『軍事郵便の先の妻』
2023-03-19 11:50:52
松京堂の衆荒句礼務@カスターどうでしょう
@matzkyodo
アパートメントの薄暗い階段室で その娘と出会ったのです 雨の水曜日 午後六時半 蒸し暑い一日でした なぜかすぐに私は 自身に課せられた使命のようなものを 認識するに至り その見知らぬ娘を 私の部屋に招き入れました
2023-03-20 20:28:08
松京堂の衆荒句礼務@カスターどうでしょう
@matzkyodo
実際ひどいなりでした 汚れにまみれ 絡まった髪を 湯で丹念に洗ってやっても その顔に刻まれた心の傷が 癒る筈もありませぬ 名前も 故郷も 親も 話す気になるように 仕向けるまでだとこの哀れな男が 考えても無理ない事
2023-03-20 20:45:32
松京堂の衆荒句礼務@カスターどうでしょう
@matzkyodo
夜半に激しくなった雨が 階段室を音で満たしてくれたのが まあ幸運ではありました 私も功利を急がない性質で ぽつぽつと娘が私に 話してくれた生い立ちは 特に変わり映えもしない ごく現代的なものでした しかしすでに私には 一種の共犯者的意識が すでに大きく育って 今にも暴れるところだったのです
2023-03-20 20:45:33
松京堂の衆荒句礼務@カスターどうでしょう
@matzkyodo
誓って言いますが私は この娘を救うだけでなく 私自身がこの娘に 救われるのを感じたのです 何の政治的意図もなく ただお互いの魂の拠り所を 求め合うだけの関係に 後ろめたさなどありましょうか 伏して請います、今一度 あの娘に会わせてくれないか 『見知らぬ娘』
2023-03-20 20:45:33
松京堂の衆荒句礼務@カスターどうでしょう
@matzkyodo
闇を食い 夜にだけ 咲く花を見た 最後の蝋燭に照らされる 顔のない男の仮面に 砕かれたお前の真珠が 涙のように あがき もがいても どこにも 何も 叫びも 約束も お前には伝わらぬ カーテンは閉ざされ 受話器も外れたまま
2023-03-22 21:13:43
松京堂の衆荒句礼務@カスターどうでしょう
@matzkyodo
紅の花弁がまた 闇に解ける ここには もう誰もいない しかし 目覚めはまだ それは いつ？ 男が黒衣に抱く娘は 目を持たぬ白いドレスに 流したワインを泣いていただろうか 目覚めはまだ それは いつ… 『死と夢』
2023-03-22 21:13:43
松京堂の衆荒句礼務@カスターどうでしょう
@matzkyodo
冬の嵐のような夏だったよ 冷たい灰を払っては ひとつひとつ 探し物を拾い集めよう ソーダ水の空き瓶にも 破いてしまった学位記にも 『ピエ・ゴーシュ』のネオンサインにも 落葉松の森で抱きしめた君の囁きにも この5年に置いてきた みすぼらしい思い出が ほの青く凍りついている
2023-03-23 08:34:11
松京堂の衆荒句礼務@カスターどうでしょう
@matzkyodo
あの砕けた窓が祖国だったのか あの早すぎた卒業式が祖国だったのか グラスの底でぬるくなっていたビールが 薄い君の木綿のワンピースが 誰もが熱中した祖国だったのか あの頃 祖国は言葉だった 知識の中に 紙幣の裏に 朝の挨拶の直立不動に いつも挟まっていた言葉だった 美しい言葉だった
2023-03-23 08:34:11
松京堂の衆荒句礼務@カスターどうでしょう
@matzkyodo
いつも『違う』という言葉だった それが祖国だった 僕らが熱中し たくさんの男たちが早すぎた晩年を 捧げて行った祖国だった 彼らは言葉になって行ってしまった 海の底に 空の底に 世界で最も遠く 青い場所に 僕らは十月 空と海のほとりで 彼らに尋ねてみよう いま 祖国と呼ぶものの名を
2023-03-23 08:34:12