このまとめに関連して、ウクライナにおいて劣化ウランによる汚染を引き起こしそうなものをいくつか調べてみる。
情報が少なく、不確定なものも多いのでご了承下さい。
※まとめ主は劣化ウラン弾は他の砲弾や兵器残骸等とともに土壌の重金属汚染の一因となることを重く見ています。放射能の影響については、先のまとめに掲載されているUNODAの報告・決議を閲覧して各々の意見を持つことを推奨します。
航空機や車両のパーツ
劣化ウランは鉛やタングステンといった金属を上回る密度を持つため、航空機動翼のカウンターマスや車両のマスバランスとして利用されていました。
近年では使用を避ける場合もあり、使用していた場合は交換されることもあります。
過去には交換漏れが問題になったり、あるいは使用が疑われ報道されたりすることもあります。(後者については誤報だったようですが)
ウクライナではロシア・ウクライナ双方の様々な航空機が使用され、度々撃墜・墜落しています。
これらの航空機は旧式のものが少なくなく、劣化ウランがパーツに使用されている可能性があり、その他の構成物ともども土壌への影響が懸念されます。
車両についても同様のことが言えるかもしれません。
医療機関
X線やガンマ線の遮蔽効果が大きい劣化ウランは、医療現場において放射線の遮蔽に用いられます。
病院施設等が破壊された際に飛散している可能性は充分考えられます。
原子力発電所
劣化ウランは核燃料精製時の残滓、あるいは使用済み核燃料としても発生します。
ウクライナでは度々原発施設の損傷が報告されているため、漏洩が懸念されます。
あるいは、無知な兵士による持ち出しなどももしかしたら発生するかもしれません。
IAEAは6日、ロシア軍が占拠するウクライナ南部のザポロジエ原子力発電所に関する報告書を発表し、核燃料や放射性廃棄物の貯蔵施設など複数の建物に大規模な損傷を確認したと指摘した。 pic.twitter.com/MIh3524zrR
2022-09-07 20:00:32空対空ミサイル
旧ソ連製空対空ミサイルであるR-60(AA-8)の弾頭には破片効果を高めるため劣化ウランが使用されます。
やや旧式ではあるものの未だにロシアでは現役であるミサイルのため、使用されることがあればもちろん弾頭の劣化ウランは飛散することになります。
劣化ウラン弾
劣化ウランによる健康被害といえば一番に槍玉に上がります。
これまで述べてきたものも無視できないはずですが、一番わかりやすいので仕方ない。
ウクライナ側では供与されるチャレンジャー主力戦車向けの砲弾として話題になっています。
L27A1 APFSDS
"劣化ウラン製のより長いペネトレーターを備え、複雑なアーマー アレイや高度な形態の ERA を打ち負かします。"
とはいえ、ソ連にも昔から劣化ウラン弾はあり、既に双方が使用している可能性が考えられます。
核兵器でもない単なる戦車砲弾の一種の使用に言及する必要はないのです。
ロシア側メディアでさえ、この劣化ウラン弾の供与について「他に供与できる戦車砲弾が無いから仕方ない」とするところもあります。