ChatGPTが抱えている問題:主に運用コスト、著作権

こんなに専用半導体を使ったAIの運用コストが高いとなるとChatGPTを一般ユーザーが使えるのはいまのうちだけかもしれんなあ
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ゆな先生 @JapanTank

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ゆな先生 @JapanTank

【ChatGPTが乗り越える必要がある壁 - Googleから学ぶ(全部無料公開にしました)】 ChatGPTの元となるGPT-3が登場したのが2020年。その頃はまだ一部の技術者たちの間でのみ話題となり、競合各社も危機感を顕にはしなかった。 ChatGPTが登場したのが2022年末。1ヶ月後には1億ユーザーを突破した。

2023-03-26 22:24:19
ゆな先生 @JapanTank

2023年初頭にはGPT-3への独占アクセス契約を持つMicrosoftがBingに搭載。APIも公開され様々なサードパーティアプリがその技術を生かして新しいサービスを開発できるのではと考え始め、歴史的な転換が始まるとさえ言われている。 医療専用ChatGPT、精神科ChatGPT、法曹ChatGPTなども期待されている。

2023-03-26 22:24:20
ゆな先生 @JapanTank

まず、ChatGPTとMicrosoft Bingの連合に最も危機感を持ち始めたのは、一般市民ではなくGoogleであった。 世界中で圧倒的な検索シェアを誇っていたGoogleは、いち早くAI、特に機械学習(またはディープラーニング)の分野の重要性を見出しており、第一人者という自負があったはずだった。

2023-03-26 22:24:20
ゆな先生 @JapanTank

Googleは2011年にGoogle Brainと呼ばれるAI専門チームを立ち上げ、13年に深層学習の第一人者であるジェフリー・ヒントン教授とその部下をトロント大学の研究室ごと吸収し、わざわざトロントオフィスまで立ち上げた。 14年には英国のAI企業で、Alpha Goシリーズを開発で有名なDeepMind社を買収する。

2023-03-26 22:24:21
ゆな先生 @JapanTank

2017年には囲碁世界1位の柯潔を3連勝で破り、人類最強の棋士・柯潔選手は対局後に涙を流した。 1997年にIBMがチェスで当時の世界王者ガルリ・カスパロフを破ってから20年。 囲碁の複雑性は将棋よりも高いので、藤井聡太選手がどんなに歴史的な将棋棋士であっても、もう人間がAIに勝つことはできない。

2023-03-26 22:24:22
ゆな先生 @JapanTank

Googleにも足かせができつつあった。 AIで世界のトップを走るも、AIの倫理性などを重視し始めた。 2018年にはクラウド部門が米国防総省から請け負っていたAI画像解析プロジェクト「Maven」から撤退。 社員たちがAIが武器に転用されることを猛烈に反対し、社内にAI倫理委員会なるものが設立された。

2023-03-26 22:24:22
ゆな先生 @JapanTank

AIの倫理(AI Ethics)は、AIの発展とともに重視されてきた分野で、いくつかの問題をはらみ、私達の生活にも関わるので3つ記載する。 (1)差別問題 AIは提供された様々なデータや文献を学習して学んでいく。 学習に使ったデータに差別的な要素が含まれていれば当然AIも差別的な学習をしてしまうし、

2023-03-26 22:24:23
ゆな先生 @JapanTank

差別的な要素を取り除いて学習させたとしても、その中から差別的な思想を導き出してしまう場合もある。 例えば2018年にアマゾンが人材採用AIを開発したところ、エンジニアは男性ばかりを採用せよという判断を下しプロジェクトは解散した。これは学習データに問題があったと言われた。

2023-03-26 22:24:23
ゆな先生 @JapanTank

Microsoftも2016年に投入した”Tay”というAIを開発するも、「ナチスは正しかった」などと発言するようになり、プロジェクトは停止した。 GoogleもGoogle Photoの写真自動タグ付け機能において、黒人を「ゴリラ」と同一視し自動タグづけしてしまうなどの問題を引き起こした。

2023-03-26 22:24:24
ゆな先生 @JapanTank

(2)責任の問題 AIを利用して何らかの事故が起きた場合の話。 例えば自動運転車が人身事故を起こした場合や、不良品自動検出AIが作動せず不良品を大量出荷してしまった場合、不純物検出AIが本来食品に入っていてはいけないものを見逃してしまった場合に、さてAIを”利用”するほうが責任を取るのか、

2023-03-26 22:24:25
ゆな先生 @JapanTank

”作成”したほうが責任を取るのか、そのAIを”保有”している会社が別にいるならそこが責任を取るのか、明確ではない状態が起きる。 普通、自動車事故であれば通常は運転手が基本的には責任を取る 。 しかしAIの場合は、自動車メーカーか、AI作成者か、車の所有者か、運転手か、という曖昧性が残る。

2023-03-26 22:24:25
ゆな先生 @JapanTank

この責任のあいまい性は保険会社側にも波及し保険提供がしにくくなる。 無保険車を運転はしたい人は少ないので、自動運転の普及にも倫理性の議論はかかせない。 (3)個人情報の問題 AIは物事を学習し、ChatGPTのようなLLM(大規模言語モデル)の場合は結果の出力を行う。 このとき、2つの問題が起きる。

2023-03-26 22:24:26
ゆな先生 @JapanTank

(a)AIにはどこまで個人情報を提供し分析させるべきか (b)出力する時に個人情報が漏出せずに、かつ必要な情報を提示するにはどうしたらよいか AIが学習する内容を全て人間が目を通すことはできないし、出力時の結果も人間が全てを監視することは出来ず、むしろ自動化されていることにメリットがある。

2023-03-26 22:24:27
ゆな先生 @JapanTank

例えば、前者(a)で言えば、中国アリババグループのアント社が提供している「芝麻信用」(ゴマ信用・セサミクレジット)では、アリババ社の様々なWebサービスの利用データ、SNSでの発言内容、様々な信用情報(学歴、勤務先、資産状況、SNSの繋がりなど)をコンピューターに学習させ、信用スコアを生成する。

2023-03-26 22:24:27
ゆな先生 @JapanTank

信用スコアにより、ローン金利優遇、様々な割引、公共サービスや就職活動の待遇の差が生まれる。 信用スコアが高い人を厚遇するメリットは企業側にも公共サービス提供側にもあるからだが、AIが作る信用スコアが本人に非がないのに何らかの理由で急落し劣悪な扱いを受ける場合、どう感じるだろうか。

2023-03-26 22:24:28
ゆな先生 @JapanTank

また、後者(2)・AIによる結果出力時の個人情報問題を考えてみる。 横浜市に住む山田太郎さんには変態的な趣味があってそれに関する何らかのデータを、何かの手違いでうっかりAIに学習されてしまったとする。 人間なら情報が断片的すぎて山田さんの趣味には気づかないが、AIは学習できてしまうとする。

2023-03-26 22:24:28
ゆな先生 @JapanTank

例えばChatGPTに誰かが「ド変態なおじさんが登場する小説を書いて」と伝えた時、突然「横浜市XX通りX番地に住みXX会社で働く山田太郎さん(57歳)は、いつもどおりパンツをかぶって...」などという小説が作られ、その山田太郎さんが実在する人物だったら、山田さんは社会的に苦しい立場に置かれる。

2023-03-26 22:24:29
ゆな先生 @JapanTank

一方で、有名人について教えてほしいとか、この論文は誰が書いたとか、ある程度の必要な情報も出力しなければユーザーは「無能なAIめ」と思って使わなくなってしまうだろう。 LLMの出力時に個人情報がどこまで入るべきか、どのように制限し規制するべきか、という議論の重要性が理解できたと思う。

2023-03-26 22:24:30
ゆな先生 @JapanTank

【Googleのジレンマ】 では、AIで先端を走っていたはずのGoogleは、なぜ先行投入ができなかったのだろう。倫理だけの問題ではなかった。 AI第一人者のGoogleは倫理を非常に重要視していたと同時に、クレイトン・クリステンセン教授の言う有名な「イノベーションのジレンマ」を抱えていた。

2023-03-26 22:24:30
ゆな先生 @JapanTank

Googleの検索市場シェアは世界1位であり、収益の源泉は、検索した結果に表示される検索結果に出てくる広告リンクである。 検索時、ユーザーは下記の4つを繰り返す。 (1)Google検索をする (2)出てきたリンクを踏む (3)必要な情報をリンク先で探す (4)情報が足りなければ他のリンクを踏むか(1)に戻る

2023-03-26 22:24:31
ゆな先生 @JapanTank

(1)~(4)の間にユーザーは検索連動広告や、サイト内部のGoogleに配信された広告を踏む。 テレビ広告や新聞広告と異なり、検索連動広告はその分野に興味がある人をピンポイントで狙い撃ちすることができる。 Web広告は日本でも2009年に新聞を追い抜き、2019年にはテレビを追い抜き2兆円市場となった。

2023-03-26 22:24:32
ゆな先生 @JapanTank

Web広告で超高収益、売上は30兆円の巨大企業になったGoogleは検索をし広告を踏んでもらわないと収益が得られない。 逆を言えば今の検索ビジネスをやめることができないという立場にある。 ChatGPTのようなChatBotは、質問に対しAIが「Webリンク」ではなく「回答」を提供するところがGoogleと異なる。

2023-03-26 22:24:32
ゆな先生 @JapanTank

GoogleはChatGPTのような技術を実は先行して開発していた。 ChatGPTの知識学習を担うTransformerという機械学習技術はGoogleが開発したもので、また2020年にはLaMDAというLLMを発表し、言語解析技術、機械翻訳技術、Chatbotの技術まで持っていたのに、Chat型AIを先に投入したのはOpenAIであった。

2023-03-26 22:24:33
ゆな先生 @JapanTank

それはひとえに、Googleが超高性能なChat型AIを開発できたといしても、上記で出てきたユーザーによる検索(1)~(4)+広告クリックという30兆円ビジネスを減らすことになり、かつ上場株式会社であるので利益の減ることは出来ず、自発的に市場投入することは当然ためらうからでもあった。

2023-03-26 22:24:34