稲川淳二の『つぶやき怪談』(2022.11.29)

稲川淳二 @Junji_Inagawa

あの面の、目と鼻と口から、 血が“フーッ”と吹いている。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

震えて、 床を見ると、 床には血が落ちてない。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

ものすごい勢いで、 吹いているのにですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

もう、自分がおかしくなったと思ったから、 どうにかしようと思って、まずね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

自分の付き合いのある霊能のある人に、 電話しようと考えて、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

部屋の電気をつけて、 枕元に電話をひっぱった。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そして、今、 俺こういうことが、起こったんだって、話したら、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「あんた、それはいけない。 そのままにしてたら、命、取られるよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

すぐ俺のとこに、来い」 って、霊能者に言われたから、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

すぐにマネージャーを呼んで、 事情を話した。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

嫌がるマネージャーに、面を外させたら、 マネージャーが、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「社長、これ随分重いんですねえ」

稲川淳二 @Junji_Inagawa

って、言うんです。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「そんなわけないだろ。 焼き物だぜ。 重いわけないだろ」

稲川淳二 @Junji_Inagawa

でも、マネージャー、それには答えず、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「それに、冷たいですねえ」 って、言うんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

さすがに気になって、自分で面を持つと、 確かに、重いし、冷たい。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

それ急げって、車を飛ばした。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

霊能者の先生のところに着いたら、 電気がついていて、 玄関で先生、待っていてくれた。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

何か、感じるものがあったんでしょうねえ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

部屋に入って、面を見始めた先生が、 プルプル震えだした。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

それ見て、その人もマネージャーも、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「これは、ただごとじゃねえ」 と、思ったんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

先生が、からだを震わせながら、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「お前、これどこで手に入れた」 と言うから、