「ねじれ」の正体

斉藤　淳　『アメリカの大学生が学んでいる本物の教養』 (SB新書) 発売中💙💛 @junsaito0529

僕は日本の内政の混乱について１５分ほど話をした。日本の問題は統治機構のデザイン失敗であり、６年間で６人も首相が交代するような弱体の統治機構は、要するに「韓国第2共和国の亡霊」に他ならないのだ、と主張した。韓国第二共和国（６０－６１）は議院内閣制と二院制を組み合わせた失敗憲法だ。

斉藤　淳　『アメリカの大学生が学んでいる本物の教養』 (SB新書) 発売中💙💛 @junsaito0529

日本の内政混乱を考えるのにもう一つ重要な視点は、９４年選挙制度改革の意図されざる効果だ。衆議院で定数格差是正を行い、参議院の格差を放置したため、ねじれ現象が起こりやすくなっている。さらに衆院が小選挙区ベースなため二大政党制でねじれるため、多党制のねじれに比べて連立での対応が困難。

斉藤　淳　『アメリカの大学生が学んでいる本物の教養』 (SB新書) 発売中💙💛 @junsaito0529

改憲せずにねじれを防ぐためには、衆参同日選挙を「慣例」として守っていくなどの解決策があるだろう。ただ、解散タイミングは政党の凝集力を保つために首相が持つ数少ない切り札だけに、これを首相が自発的に手放すコミットメントをすることは難しいのではないか。

斉藤　淳　『アメリカの大学生が学んでいる本物の教養』 (SB新書) 発売中💙💛 @junsaito0529

実は憲法に明文化されていない基本政策について、基本法を改正するなどという形で、他国では憲法改正に相当する政策変更を日本国政府はしばしば行ってきた。再解釈の余地のあった自衛権は解釈改憲で時代の要請に対応した。しかし統治機構だけは改憲以外の解決策がない。この現実を直視すべきだ。