【レイマリ】霊夢の左手が魔理沙になった話🤜

自分用📝
3
ハチ🐾 @hachisu716

多重人格者がでてくるホラー小説、とうとう体の一部が別人格になってしまい、手(が書く字)と会話してて、筋肉に話しかけるなかやまきんにくんみたいになってる。

2023-05-03 22:26:58
ハチ🐾 @hachisu716

は 思ったんですけど、どうにかして すごいなにかがあって 霊夢の中に魔理沙が入ってしまって霊夢が手と会話してたらかっけえな…… いや……かっけえか……?

2023-05-03 22:30:20
ハチ🐾 @hachisu716

魔理沙がほら、妖怪のなんかのアレで(雑)、意識をなくして昏倒して、植物人間みたいになってしまうわけ。 で博麗神社とかに保護されて布団で寝かされてて、幽体離脱状態って判明する。 体から抜け出た魂はどっかにいるはずで、たしかにその気配はあるんだけどいまいち分からない。

2023-05-03 22:33:37
ハチ🐾 @hachisu716

気配があるのに場所がわからないって、匂いはするのに匂いのもとに近づいていけない、くらいに勘の良い霊夢にとっては不思議なことで、 はやく戻してあげたいんだけれどずっと魔理沙の魂が見つからない。 あんたどこにいんのよ……と焦る霊夢。

2023-05-03 22:35:54
ハチ🐾 @hachisu716

そしてその頃から料理に失敗したりするようになる。 気づかないうちに塩を入れ過ぎたり。 醤油瓶を持ったと思ったら酢の瓶と間違えていたり。 お茶を湯呑に出すのにもあふれるまで入れちゃったりして。 魔理沙が見つからなくて、ガラにもなく手元までおぼつかなくなってるのかなあ、と思う霊夢。

2023-05-03 22:39:38
ハチ🐾 @hachisu716

そして、あるとき。 妖怪相手に、尋ね人、もとい尋ね魂のチラシでも配ってみようかしら、と思いつく霊夢。 冗談まじりに、そして魔理沙の捜索手段もこれ以上思いつかなくて、筆を取る。 半紙を広げる。 墨を磨る。 筆先を墨にひたす。 そこに。 霊夢「…………え?」

2023-05-03 22:48:27
ハチ🐾 @hachisu716

筆をとったその右手を、誰かが掴んでいる。 誰が。 わたしの左手が。 霊夢「────あ……れ……?」 わたしの左手が、わたしの右手首を掴んでいた。

2023-05-03 22:50:27
ハチ🐾 @hachisu716

ここを怖い大ゴマでたのむ

2023-05-03 22:51:28
ハチ🐾 @hachisu716

で、 霊夢の右手首をがっちりと掴んだ霊夢の左手は、なんだか目の見えないものが手探りでもするように、右手の形状を確かめるように行き先を迷って、それから右手の先へと這い登るように移動してゆく。勝手に。 霊夢の意思とは関係なく。

2023-05-03 22:53:47
ハチ🐾 @hachisu716

右手の先に行き着いて、右手から搾り取るような動きで筆を取る。 左手に。 霊夢は右利きであるのに。 そして。 霊夢の左手は。 ……わたしの左手は。 ゆっくりと筆の感触を確かめるように、持ち直し。 半紙に文字を、書いた……。 わたしは、文字を書いた。

2023-05-03 22:57:29
ハチ🐾 @hachisu716

呆然と、胸元あたりの血が冷えるような気持ちで、わたしは左手が書く文字を、なにを書くつもりか知らなくて、眺める……。 ごくりと、咽喉が鳴る。 『バーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーカ』 左手は一気にそう書き殴った。

2023-05-03 23:00:17
ハチ🐾 @hachisu716

霊夢「…………。はあ…………?」 半紙に一面なにを書いているんだ。 なんか知らないけど腹立つわね。いや書いたのわたしだけど。 と思っていたら、なおも左手は、いったん力尽きたのかどこかよたよたとした動きで、今度は『バーーーカ』の隙間に文字を書いてゆく。 『おせえよ かくのが』

2023-05-03 23:03:41
ハチ🐾 @hachisu716

霊夢「な、なに? …………なに………………?」 左手と筆談してる。上に、なんか怒られている。よくわからないことで。 左手がまだよたよたと動いている。 『はやく ぺんとれば もっとはやく いえたのに バカ』

2023-05-03 23:07:05
ハチ🐾 @hachisu716

霊夢「バカバカうるさいわね、わたしの左手のくせに……こういうのってバカって言ったほうがバカって言われるの知らないの?」 顔をしかめて左手に言い返したあと、首を傾げる。 霊夢「あれ? それってどのみち、どっちもわたしか」 なぜか左手がそこから動かなくなる。 固まってしまった。

2023-05-03 23:10:26
ハチ🐾 @hachisu716

なんとなく、ぽかんとしているようにも見える。 少ししてからまた動き出した。 『おまえまじで ・・・ いいから きけ』 「・・・」のところが、どん、どん、どんと強く筆で押し付けられるように書かれていて、力がこもっている。

2023-05-03 23:12:51
ハチ🐾 @hachisu716

霊夢「あーはいはい」 左手がなにかまた書こうとして、半紙の上をうろうろして、止まる。 『かくとこ ない』 霊夢「あー」 最初に大きくバーカなどと書いたせいで、もう余白がなくなっていた。 霊夢は右手だけで新たな半紙を取り出して敷き、文鎮を載せて留める。 霊夢「はい、いいわよ」

2023-05-03 23:15:19
ハチ🐾 @hachisu716

なぜか左手が、自ら手を離したように、指を広げてぼとりと筆を落とした。 霊夢「あ、こら……」 墨で汚れるじゃない、と怒ろうとしたところで、またなにかを探すようによたよたとあたりを探っている。 ……なにか、探してる? 何を。 書くとこないとか言って(書いて)、書くつもりだったのに?

2023-05-03 23:18:31
ハチ🐾 @hachisu716

……あ、もしかして。 霊夢は書道具の竹の筆巻きから、細筆を取り出す。 左手に与えてみる。 霊「……これ?」 左手は親指の付け根あたりにそっと押し付けられた筆に気づいたように握り直すと、これこれ、とでも言うように軽く振った。 よく分かったな、とでも言いたげだ。 いや、わたしの手だけど。

2023-05-03 23:25:10
ハチ🐾 @hachisu716

左手は先ほどより軽快な動きで筆を持ち、指先で器用にくるくると筆を回してみせた。何を書こうかな、とペン回しをするように。 ペン回しなんて、わたしはやったことがないのに。 やり方なんて知らないのに。 くるくる。 くるくると。 ペン回し。 ペン回し……? 霊夢「────────あ」

2023-05-03 23:29:40
ハチ🐾 @hachisu716

ここでカットインして、 魔理沙がなにか書き物をしながら考えごとをするときのペン回ししてる横顔などを思い出すシーンが入りまして、 霊夢「……ねえ。あんた……誰」 霊夢が自分の左手に訊ねます。 左手は書き出しを迷っていたらしいペン回しをやめて、 硯に筆先を浸し、紙の真ん中にこう書く。

2023-05-03 23:35:25
ハチ🐾 @hachisu716

相変わらず、よたついた字で。 しかし、ゆっくりと、漢字で。 『魔理沙』 霊夢「…………っ」 やっぱり……! 霊夢が口唇を噛む。 霊「魔理沙……魔理沙なのね!? あんた今まで何処でなにして……いや、そっか……」

2023-05-03 23:38:21
ハチ🐾 @hachisu716

霊夢は右手を口許に当てる。 魔理沙の魂が、どんな手段かわたしの中に憑いていたとしたら。 わたしの中から必死に呼びかけて、気づかせようとして。 利き手と逆の手の主導権をなんとか乗っ取って……? だから料理に塩を入れ過ぎたり、お茶を零したりしていた? 魔理沙がなんとか気づかせようとして

2023-05-03 23:42:00
ハチ🐾 @hachisu716

だから、わたしに伝える機会を待っていた? 『はやく ぺんとれば もっとはやく いえたのに』 そういうこと……。 霊夢「って、そんなの気づかないわよ……こっちだって必死に探してたんだから、筆握るどころじゃ……」

2023-05-03 23:45:23
ハチ🐾 @hachisu716

でも。 霊夢は自分の左手を右手でとって、墨で服が汚れるのも構わずに、ぎゅっと自分の胸に押し付ける。 霊「────良かった……。ここにいたんだ……」 ホッとしたように息をつく霊夢に抱き寄せられたまま、左手がじっとしている。 霊「見つからなかったらどうしようって……」

2023-05-03 23:49:53
ハチ🐾 @hachisu716

しばらくじっとしていた左手が、またもぞもぞと動き出す。 霊「……ん? ああ、ごめん。なにか書くところだったわよね。邪魔しちゃった」 捉えていた左手を右手がゆるめると、左手はゆるく握った拳で、とんと優しく小突くように霊夢の胸板を叩いた。 それからまた半紙に向かう。

2023-05-03 23:52:37