ストレイトロード:ルート140(69~70周目)
- Rista_Bakeya
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Twitterに登録した日を覚えていますか? #MyTwitterAnniversary 今日はRistaが個人サイトを開設した日、化屋月華堂の日です。何か大きなことをするのは大体この日なので覚えてましたが……10……もうそんなに…… なおストレイトロードの誕生はTwitter開始初年度でした。つまり……もうすぐです。 pic.twitter.com/fy1Rn7dIq4
2023-02-19 09:01:38最初の短編「ストレイトロード」の公開は2013年8月22日でした(過去の化屋ブログにて確認)。
化屋月華堂の通販( bakeya-gekkado.booth.pm )を一時再開します。 これまで即売会に出してきた一次創作ファンタジー小説等とその試し読みを揃えております。 5月のイベントに参加できなかった、買い逃した、後で気になる本が出てきた……などなどありましたらぜひご利用ください。
2023-05-06 11:55:16今回の本編
風が吹き荒れた。巨大クリーチャーの強固な皮膚に跳ね返された砲弾が軌道を変え、人のいない場所に落ちた。怪物が飛び去り、住民達が安堵する中、違う声が上がった。「子供にこんなことをさせるなどけしからん」杖をついた老人が藍の親を探している。娘の活躍を後押ししていると聞いたら卒倒しそうだ。
2023-01-12 18:48:52トンネルの終点は飛行機の格納庫を思い出させる広い空間だった。「地下の町は初めて?」「そうでもないけど、他と全然違う」藍が幾つか例を挙げると案内人は笑った。生活を維持するだけならこんな高い天井は必要ないはず。疑問を蹴散らすようにドローンが横切った。「ここは技術を守るための町だから」
2023-01-13 18:59:48140文字で描く練習、3402。維持。 地上は飛行物体全般が禁止された世界。でも、どこかで使い続けなければ廃れるばかりだから。
2023-01-13 18:59:49『僕も連れてってください』「行って」車のドア越しの懇願は藍の一声で却下された。少年が世界を救う冒険だと思っている魔女の旅は、怪物より厄介な人間との鬼ごっこだ。『オネガイシマスー』唐突な裏声に藍が吹き出したが答えは変わらない。危険な調査を諦めない無謀な子供は一人きりであってほしい。
2023-01-14 19:07:52今夜の面会は藍にだけ声がかかり、私はただ指示通りに車を走らせた。彼女は私を同席させないと断言し、会いに行く相手の情報を少しも言わず、機嫌の悪い顔も見せなかった。だから私は雇い主が向かった場所と、やたら警備が厳重なことしか知らない。どこかの王に謁見するかのような緊張感は私の主観だ。
2023-01-15 18:46:41車で行けない場所に逃げた怪物を追うには徒歩しかない。だが視線ガイド役に必要だからと渡されたリュックが非常に重く、道中は常に後れをとった。「それ何?」休憩中、藍に尋ねられて開けると、確かに必要だが私に扱えない機材ばかり出てきた。わざと重荷を押しつけられたようだ。そんな気はしていた。
2023-01-16 20:02:56何もかも破壊された街が新しく造り直される過程を新聞が取り上げていた。現在地に近いことを藍に話すと興味を持ったので通過を決めた。低層の建物が密集した住宅地はよくある怪物対策だが、屋上を隔てるフェンスが不思議な形をしている。「本当だ、楽譜みたい」隣近所を繋げると郷土の歌になるらしい。
2023-01-17 19:11:05140文字で描く練習、3406。楽譜。 元のまま復元したくてもできないのは、彼らの敵がもっぱら空から来るから。高い建物を造れば再び餌食になりかねない。
2023-01-17 19:11:05町に近づくと電波が届き、携帯端末が騒ぎ出す。今日最初の不在着信は藍の母親からだった。『今日は家族の大事な記念日なの!』すぐに折り返し連絡してと強調するメール付きだ。「先にホテル探して」当の藍に焦る様子はない。「記念日はいつもビデオ通話だから、ちゃんとした身支度と背景の確保が優先」
2023-01-18 18:57:50大きく削られた地面の底から怪物の鱗が出てきた。現場を調査する研究員の一人が藍に渡すよう提案した。「勲章みたいな形だし」謎の生物の硬い防御を攻略できたのは彼女の力あってこそ。記念になるかと納得していたら、別の職員が言った。「あれだけ活躍して勲章もないの?」魔女の評価は難しいだろう。
2023-01-19 18:45:07「学校はいいのかい?」「先生の許可ならもらってます」地元の教員に問われた藍が胸を張る。遠く離れた土地を訪ねた目的について世界の現状に触れて見識を深める為と答えているが、後から考えた理由だろう。「勉強見てくれる人もいますし」笑顔を私に向けた。本当に深く知りたいことは匂わせもしない。
2023-01-20 18:57:18140文字で描く練習、3409。見識。 経験を積んで判断力を磨くこと自体は、大人から見ても余計なことではない、はず。 問題はクリーチャーたちの謎を追いかけるという本来の目的が勉強に結びつきそうにないことか。
2023-01-20 18:57:18明日は荒天が予想される。ラジオはそう繰り返したが、藍は「予定通り出かける」と譲らなかった。邪魔な天候は魔女の力で払いのけるつもりか。「逆。呼ばなくても来てくれる方がいいの」翌朝は雨と強風に出迎えられた。厚い雲の中を何かが飛んでいるように見えた。「雲から作るより楽に捕獲できるから」
2023-01-21 20:51:08道中で集めた怪物のデータは藍に協力している研究所へ定期的に送る。通信網があればどこでも協力できるが、今回は藍の希望で直接拠点へ届けた。「解析に時間かかるから、あなたは休憩して」藍の指示を受けた職員が私を殺風景な部屋に案内した。仮眠の他に選択肢がない。閉鎖環境の夢を見て飛び起きた。
2023-01-22 18:57:06