- rouillewrite
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【創作企画】リグレット・カレイドスコープ
@Regret_kaleido
劇場内にお越しの皆様。 本日は当劇場にお越しいただきまして、誠にありがとうございます。
2023-04-30 21:02:19
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ
@Regret_kaleido
部活を終えて各々帰宅するために、体育館を出ていく運動部の学生たち。 夏に近づくにつれて日が長くなったとはいえ、この時間になると夕焼けが顔を出していた。
2023-04-30 21:09:01
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ
@Regret_kaleido
体育館で活動をしていたのは、運動部だけではない。舞台上でのリハーサルのために、演劇部もまた部員全員での合わせを行っていた。
2023-04-30 21:09:35
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ
@Regret_kaleido
周りの生徒より一回り大きな背中は、よく目立つ。 彼が舞台上で自身の“武器”を眺めていると、体育館の大きな扉が開く音がした。 忘れ物でもした生徒がいたのだろうか。驚いて振り返ると、そこには見慣れた色の違う双眸が、嬉しげに手を振っている。
2023-04-30 21:10:38
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ
@Regret_kaleido
「───識圜! 帰り近場でマックとか食って帰らねぇ?…って、お前だけじゃん。残ってんの。まだ片付け残ってる感じか?」 「あ〜…マックね。今日はいい、パス」 「えぇ、なんだよノリわりぃなぁ」
2023-04-30 21:11:21
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ
@Regret_kaleido
今まで、散々見せつけられてきた。過去の思い出と戦わされ、無理やり内側を引っ張りだされ、最後は結果的に胸の内の痼を取り除かれている。 累は結果論だが、それで良かったと思っている。だが。
2023-04-30 21:14:34
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ
@Regret_kaleido
以前、彼の家に行って、彼の内側まで踏み込もうとして、拒絶されたことがある。 親友の彼だって、自分には言えないことを沢山抱えているのだろうと思った。弱さだってちっとも見せない、格好良い彼だけれど。 その弱さに浸ると、動けなくなることを累は知っている。
2023-04-30 21:16:01
【創作企画】リグレット・カレイドスコープ
@Regret_kaleido
「や、言いたくなっただけ」 「……ふーん…。 それは、おれが“誰”だったとしても、累が親友ってことに変わりはないってことだよな……さんきゅ」
2023-04-30 21:18:03