- toluna_plus
- 716
- 0
- 0
- 0
「えっと……校長先生……なんですか?以前お会いした時は」 「体質でね。週に一度クマさんになるんだよ。獣好きの妻とは盛り上がる。君も似たようなものじゃないかい?」 「そ、そうかもしれないですね……?」 そこまで説明すると校長先生は自警団にお辞儀をした。
2023-04-29 20:34:00「ご協力ありがとうございました。もう自由にしていただいて結構です。保護者の方々もお疲れさまでした。子供たちも怖かったかな?後で保護者の方におねだりするといい。ミユキくんは……ボーナスを楽しみにしておいてくれ。では」 そういうと彼は「クルリ」と反転し去っていった。
2023-04-29 20:36:00後に残された子供たちは気が抜けたのか机にダラリともたれかかったり来ていた保護者に何故言ってくれなかったのかなどと詰め寄ったりしていた。 メアも後者の一人であった。 「マミ―!何か言うことがあるのだ?」 「すまん。仕事の内容を話すわけにはいかなかったんだ。お前は口が軽いからな」
2023-04-29 20:38:00「そら、そーだ。でもアタシには伝えててもよかったんじゃね~か?」 「アークも口軽いのだ~」 「そういうことです。それと……娘と行動をする人の実力をみておきたかった」 「それで満足いったか?」 不敵な笑みを浮かべるアークに対してメアの母親は冷静な顔を崩さず答えた。
2023-04-29 20:40:00「実力は。今後も娘と行動を共にするなら素行は直していただきたいですが。」 「はーい」 自警団の長は他の自警団メンバーに呼び掛ける。 「任務完了。帰るものは帰ってよし。私はしばらく残る」 「のだ!?マミー授業参観してくれるのだ!?」
2023-04-29 20:42:00母は驚く娘と視線を合わせると優しい声でいった。 「ああ、トウコも上手く時間を作れたようでな。六時間目には間に合うみたいだぞ」 「やったのだ~!!」 メア親子のやりとりをミユキが見ているとそれに気づいたアークが近づいてきた。
2023-04-29 20:44:00(い、色々あってすっかり忘れてたけど……私、この人に殺されるんだ……!) 逃げようとしてももう遅い肩を掴まれた。 「おい……」 「皆さんさよなら~!」 席替えですよ~ならこの状況下でも逃げられるか?でも明日からの生活どうするよなどと思考していると言葉が来た。
2023-04-29 20:46:00「オメーSHだったんだな。さっきの啖呵すげーよかったぜ。カッコいい先生だった」 「へ?」 拍子抜けする好意的な言葉につい聞き返してしまう。 「私、殺されるんじゃないんですか?」 「なんで!?誰に!?もしかしてアタシか?」 「はい……」
2023-04-29 20:48:00墓穴を掘ったかとも思ったが当の相手は参ったというように頭を掻いている。 「別にSHだからって理由でぶっころしたりぶっとばしたりはしねーよ。アタシのやりたいことの邪魔をしてきたんなら別だけど。アンタ別にそうでもねーだろ」 ほっと一息をつくとアークは「あ、でも」と付け足した。
2023-04-29 20:50:00「メアを攫ったりしたらボコボコじゃ済まさねーから。よく覚えとけよ」 「ハイ……ソレハモウ」 「ならいいや!じゃあ授業再開しようぜ。おーい。おーいってば」
2023-04-29 20:52:00想像通りの狂暴さと屈託のない笑顔を見せられ固まってしまったミユキはフリーズして再起動するまでに十分かかった。その後教室の片づけをしていると五時間目は終わり最後の時間が始まった。
2023-04-29 20:53:00再び擬態で挑んだ六時間目はアークという心配事がなくなったこともあるのか、それとも生徒たちの思いを知れたからか。いつになく穏やかに進めることができた。こうして一人の教師が大きく成長し、5─Aの一日授業参観は幕を閉じたのであった。
2023-04-29 20:54:00♦ 〈女性の声〉 授業参観終了~。やー、学校ってこんな感じになってるんだね。僕ら組織育ちは学校になんて通ったことないから新鮮だったよ。まあ、似たような教育自体は受けてはいるんだけどね?
2023-04-29 20:55:00しかし、あの教師どこかで見た顔だと思ったらやっぱりウチのSHだったか。メア筆頭にロールシャッハが一杯いそうなクラスなんだから組織に献上しちゃえば得だったのにもったいないことしてたねえ。
2023-04-29 20:56:00「ウメーウメーやっぱメアのかーちゃんの飯は最高だな」 「あらアークさんお世辞が上手ね。もっと食べてもいいのよ」 「コイツ調子ノ乗ラスト食費ガエライコトニナルゼ」 「アークぅ。メアの分のおかわりを残しておくのだ」 「ハァ……」
2023-04-29 20:57:00というわけで今日もカメラはメア家の食卓に回しているよ。あー、おいしそうな料理がたくさん並んでるし会話が多いな……。 いや、羨ましくないって。ほんとほんと。ほんとだぞ~。
2023-04-29 20:58:00「ウメ~!アタシここの子になる~」 「お泊りなのだ~?」 「お帰りください」 ……やっぱり羨ましいかも。 SHs大戦11話「メアの学校」完
2023-04-29 20:59:00図鑑&次回予告
SH能力 先行一殺(バールストンギャンビット) 能力発動直後から一瞬にしてありとあらゆる死因の死体になることができる。(死後経過時間も弄れる)雷がなくとも感電したいになれるし火の気がなくとも焼死体になるし水がなくとも溺死体になり惨殺死体にもなれる。
2023-05-13 00:20:07能力解除後は何事もなかったかのように振舞える。 意識はおおよそ幽体離脱状態で把握できる。ただし死体のそばからは離れられない。
2023-05-13 00:20:112ダイイングメッセージ(死語) かつてある程度の認知度を誇ったものの現在は廃れ意味が伝わらなくなった言語たち、死語。 死語を操る能力
2023-05-13 00:20:29