解体一課の新人

狭霧 創作垢 @asagirisousaku

#書き出し祭り 解体一課でした。

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というわけでいつも通り小ネタ流す。

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ネタ自体は何年も前に書いたものだった。 ネタ書いたきっかけは怪獣○号で、あの漫画の一話で怪獣の解体業者って設定超面白いなって思ったのにそういう職業ものじゃない方向性に行ったからじゃあ自分でそれっぽいの書いてみるかって思って書いた。

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多分電鋸悪魔の影響も受けてたのかなと今は思ってる。

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この先は軽く設定を。 主人公のムラサキは西日本で作られたクローンもしくはデザインベビー。 人工物の証として髪の色が通常では発生しない色になるように遺伝子操作されてる。 ムラサキが自分のことをひとでなしって言ってるのは真っ当な方法で生まれた人間ではないから。

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西日本ではムラサキみたいなひとでなしがいっぱい作られてる。 なんでかっていうと、魔獣(西日本では獣神さま)に捧げる生贄にするから。

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西日本でも魔獣をどうにかしなければって色々模索してたんだけど、ある時期に魔獣に人よりも少し低い程度の知能があることが発覚して、それと同じくらいの時期にとある少女が「自分のことを好きにしていいからもう何もせずにいてほしい」って魔獣に懇願した。

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そしたらその魔獣は少女を丸呑みにした。 それで少女の願い通り身動きを取らず人を襲う事がなくなった。

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西日本側の政府は同じ事ができるのか何度か検証して、それで魔獣がある適性を持つ人間を好んで喰らうことと、その適性のある人間が自らの身を差し出すと、その時に請われた願いを叶えるという習性があることに気づいた。

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それがわかった時点で西日本の政府は魔獣を獣神さまと称し、荒ぶる神々から多くの人々を守るため、獣神さまにその身を捧げる神子を集め始めた。 ただし民衆からは滅茶苦茶批難されたので集めた人々のDNAを採取して、そのDNAを元にクローンやデザインベビーを作ることにした。

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そういう経緯でひちでなしたちが作られたんだけど、作られた子供達の中で獣神さまの生贄になれる適性を持つ子供はほんの一握りだけだった。

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また獣神さまに神子を捧げていくうちに彼らが色を判別できない事が発覚したので、普通に生まれた人と神子を量産するために作られたひとでなしを区別するために、ひとでなしは作成時にあえて普通に生まれない色になるようにDNAを調整されることになった。

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神子の量産のためにひとでなしを大量生産しても、そのほとんどが神子として正しく機能しなかった。 それじゃあ神子になれなかったひとでなしがどうなったのかっていうと、奴隷にされた。 男は基本的に肉体労働、女のほとんどは性奴隷として普通の人間に消費され死んでいった。

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ムラサキがひとでなしの平均寿命が十五歳くらいって言ってたのは、遺伝子操作して生まれたから短命とかじゃなくて、酷使され使い捨てられる事が多いからすぐに死ぬっていうだけの話。

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ムラサキは神子にはなれなかった側なので奴隷として生きてきた。 それである日西日本と東日本の間で東日本の討伐課に所属するライジョーという少年に保護された。

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保護された後はライジョーの家の居候になった、ムラサキは奴隷としての生き方しか知らなかったので居候させてもらっている対価にとライジョーにご奉仕しようとしたけど、ライジョーくんはそういうのが嫌だったので拒否した。

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それでもう二度とそういうことをするな、そういうことをしなくてもいいんだと泣きながら激怒した。 ライジョーくんは奴隷としての生き方しか知らないムラサキが普通の女の子と同じように生きられるように色々頑張っていた。

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ムラサキの経緯はそんな感じだった。 じゃあなんでムラサキがライジョーくんちじゃら追い出されたのかっていうと、ライジョーくんが現人神になったから。

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東日本では自らを神と称するものからの協力を受けたことで魔獣に対抗する力を得たんだけど、その力っていうのが神の加護が与えられた魔獣の死骸から作られた武器。 東日本では獣器って呼ばれてる。

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この獣器、加護が強すぎるものを人間が使いすぎると、神とほぼ同等の力を得られる代わりに趣味嗜好が神よりになる。 この状態になったことを現人神って呼んでるんだけど、現人神というか神は不浄を毛嫌いする。 それで、生まれた頃からライジョーくんに保護されるまで性奴隷やってたムラサキは不浄の塊

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それでライジョーくんはムラサキのことが滅茶苦茶汚く見えるようになってしまった。 とにかく醜悪なものとして自分の目に映るようになってしまった彼女を自分が殺してしまわないようにライジョーくんはムラサキを追い出した。 ムラサキはそんな事情がよくわかってないので途方に暮れてた。

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途方に暮れて他ところで課長に拾われたっていうのが一話目の話になる。

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ライジョーくん、本当はムラサキのこと大好きだったから現人神になった後ムラサキにどうしようもない嫌悪感抱いてしまったことにかなりショック受けてる。 というか好きだった分余計に穢らしく感じてて、このままだと絶対に殺すって思ったから衝動的に追い出した。

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後は適当に解説というか小ネタを。 一話でメスだと孕んでいる可能性があるから雌雄の確認やってるっていう話だけど、実は二十年くらい前に起こったとある大事件の再発を防ぐためにやってる。

狭霧 創作垢 @asagirisousaku

クイーンアントの惨劇って呼ばれてる事件で、ある日討伐された大きな女王蟻型の魔獣の解体作業中に胎の中にあった大量の卵が一斉に孵化して、人々を襲った。 当時の解体課は全滅寸前になったし、民間人にも甚大な被害が出てる。