ミュンヘン工科大学に新設される研究センター

Hideyuki Hirakawa @hirakawah

同僚の小林傳司さんから聞いた話。ミュンヘン工科大学に近々Munich Center for Technology in Societyという科学技術の倫理と責任、コミュニケーション、科学技術社会論（STS）を扱う研究教育センターが新設されるのだとか。興味深いのは設立理由。

Hideyuki Hirakawa @hirakawah

（続）ミュンヘン工科大学は、理工系トップ校の一つで、これまではあまり科学技術の倫理問題等には熱心でない大学だったのだそうだが、なんと福島原発事故をきっかけにして、前ツイートのようなセンターを急遽作ることが決まったのだそうだ。ドイツ政府が福島事故を契機に脱原発決めたのとも似ている。

Hideyuki Hirakawa @hirakawah

（続）他方、翻って日本の大学はどうか。福島原発事故の当事国として、そういう動きが始まった大学は今のところない。8月に閣議決定された政府の第4期科学技術基本計画では、政策への国民参加の促進や倫理的・法的・社会的問題への取組み、テクノロジーアセスメントなど盛り込まれてるのだけど。

Hideyuki Hirakawa @hirakawah

（続）なんつーか、ヘタすると「笛吹けど踊らず」で、政策レベルでは、いい方向性を打ち出しながらも、肝心の大学や研究者集団がなかなか動かない。このまま全然動かない可能性もあるんじゃないかと思えてしまうのが、日本のさらに辛いところ。

Hideyuki Hirakawa @hirakawah

（続）ちなみにセンターの所長さんには最近邦訳『複雑系から創造的偶然へ -カイロスの科学哲学史』が出た物理学者でミュンヘン大学科学哲学教授のKlaus Mainzerさんがなるのだそうだ。