【めーさく他】咲夜さんが寝ないとき

仕事大好き咲夜さんがあまりに寝ないので、体壊すのを心配してなんとか寝かしつけようとするみなさん。主にめーさく
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ハチ🐾 @hachisu716

咲夜さんが働きすぎて寝ないとき。 魔理沙は、寝なさい、添い寝してあげるから……って説得しつつ、レミリアに「咲夜に仕事すんなって言って」って頼んでおいて周りからかためる。 アリスは、咲夜を泊まりにこさせる。 そして美鈴は、有無を言わさず咲夜さんをお姫様抱っこして寝室まで連れて行く。

2023-05-27 22:31:42
ハチ🐾 @hachisu716

美鈴「寝てください」 咲夜「いや」 美「だめです」 いつも温厚で、じっと相手の話に耳を傾ける美鈴が、咲夜の健康状態を気遣うときには決然としていてまったく咲夜の言うことを聞かない。 といいなって。

2023-05-27 22:33:51
ハチ🐾 @hachisu716

抱えられてすたすたと歩かれてベッドにとっとと横たえられ、掛け布団をかけられる。 咲夜「嫌って言ってるのに」 美鈴「わたしも寝てくださいって云いましたよ」 咲「いや」 美「だめです」 咲「仕事する」 美「だめです」

2023-05-27 22:36:46
ハチ🐾 @hachisu716

だめです。 って断るときの美鈴はめちゃくちゃ強い。

2023-05-27 22:37:57
ハチ🐾 @hachisu716

美鈴がお姫様抱っこですたすた抱えていくとき咲夜さんの細い脚がぶらぶらしてるとこすげー見たくない?

2023-05-27 22:40:33
ハチ🐾 @hachisu716

咲夜さんが寝るまでかたわらで椅子にかけてじっ……と見守ってる真面目な美鈴。 咲夜「そんなに見られてたら寝られないわ」 美鈴「しっかり監視して、見ていないと寝ないじゃないですか」 咲「じゃあどのみち寝ないのよ」 美「同じことなんでしたらずっと見ています」

2023-05-27 22:43:37
ハチ🐾 @hachisu716

咲「意地悪ね」 美「咲夜さんがご自分に意地悪をするんですよ。自分を寝かせてあげてください。良い仕事をするには、良い睡眠時間も必要です」 咲「時間をとめてちゃんと休んでるから」 美「止めてるのなら睡眠時間も0ですよね。ちゃんと休んだかどうかはわたしには分かりませんし」

2023-05-27 22:46:37
ハチ🐾 @hachisu716

咲「美鈴が見ているところで寝ないとカウントされないなら、わたしの睡眠時間、ずっと安定しないじゃない。毎日見守られるわけじゃないんだから」 ぱちぱちとまばたきする美鈴。 美「では、今日からずっと見ます」 真顔でさらっと言う。

2023-05-27 22:50:14
ハチ🐾 @hachisu716

あとでそのやりとりの模様を聞いたレミリアが「重い……」と言う

2023-05-27 22:51:40
ハチ🐾 @hachisu716

咲「おはようからおやすみまで毎日ずっと見守ってくれるの? 素敵ね」 ちょっと投げやりに言う咲夜さん。 美「そうです」 まじで言ってるからなんも通じない美鈴。

2023-05-27 22:53:08
ハチ🐾 @hachisu716

咲「もう。どうしてそこまで頑固なの。ほんのちょっと夜ふかししただけじゃない」 美「咲夜さんの“ほんのちょっと”は、人間の感覚からすれば、さほどちょっとじゃありません」 人間にまぎれて暮らしてきた時間が長かったため、人間の時間感覚も有している妖怪の美鈴。

2023-05-27 22:57:23
ハチ🐾 @hachisu716

ちょっと間を置いて、わずかに下を向いてから、美鈴が顔を上げ口を開く。 美「人間はね。健康を損なうと、本当に、あっという間に死ぬんですよ」 咲「……」 ちょっと黙る咲夜さん。 美鈴のその言葉が、“経験”から来ている、と分かるため。

2023-05-27 23:01:29
ハチ🐾 @hachisu716

美「『これくらい平気よ、また明日』そう云って別れて、平気ではなくて。二度とその明日は来なくて、逢えなくなる。ほんの少し気を配ってくれたなら、きっともっと長く、逢えたのに」 珍しくひとりで長くしゃべる美鈴。

2023-05-27 23:08:22
ハチ🐾 @hachisu716

美「……でも、したいことをして生きられるのなら、したいことを制限して長く生きるのよりもその人にとってはいいのかなと、思ってもきました。少しでも長く共に過ごしていられたら、と思うのは、それはあくまでも、わたしのエゴですから」 そこまでをしゃべってから、また少しうつむく美鈴。

2023-05-27 23:13:45
ハチ🐾 @hachisu716

美「……でも」 膝に置いた長い指を、ぐっと握る美鈴。 顔を上げる。 咲夜が、美鈴の顔を見て、ちょっと目を見開く。 美「それじゃ、淋しいじゃないですか」

2023-05-27 23:16:40
ハチ🐾 @hachisu716

美「自分のしたいことがしたいようにできるのは、満足でしょう。それはそうでしょう。だけど、それって。それって、わたし」 言葉を切って、美鈴がちょっと膝から両手の拳を浮かせる。 なにをするのかな、と咲夜が見ていたら、美鈴はその拳を膝に打ち付けた。 美「ちょっとやだなって、思うんです」

2023-05-27 23:28:55
ハチ🐾 @hachisu716

ぽん、と膝に打ち付けた拳は、どんっ、ほどの強い力ではなかったけど、しかし美鈴にしては少し強めの勢いがあった。 なおかつ、打ち付けた手を、膝にぐい、と押し付けている。やや、強めに。 いつもおだやかに笑っている美鈴が、苦しげな表情をしている。

2023-05-27 23:33:49
ハチ🐾 @hachisu716

それが物珍しかったので、思わず目を見開いてじっと見守っていた咲夜は、そこでようやく気づく。 あ。 怒ってるんだ。 これ。 苦しげなのではなく。

2023-05-27 23:36:02
ハチ🐾 @hachisu716

美鈴は、またぽん、とやや強めに(本当にややなのだ)両手の拳を膝に打ち付けてから、今度は片方の拳を片方の掌でぱちん、と受け止めた。ばちん、ではなく、ぱちっ、と。 なにか忘れてた用事を思い出したときに手を合わせるときのお嬢様くらいの強さで。ささやかに。

2023-05-27 23:39:02
ハチ🐾 @hachisu716

美「冷たくなったあなたがたを見ながら、わたし、考えてしまうんです」 あなたがた。 わたしはまだ冷たくなっていないんだけど、とちらりと咲夜は思ったけど、 美鈴の中の『あなたがた』は、もうなにか違う誰かたちを含め見ているようなので(なおかつ彼女が本当に珍しく怒っているようなので)、

2023-05-27 23:45:52
ハチ🐾 @hachisu716

口に出さずにおく。 その懸命さはかろうじて持ち合わせているようだ、と自分の成長を感じる咲夜。 普段からお嬢様に『人の心に、より心を配れるようになれるといいね』と言われていることだし、あとで褒めてもらおう。 とぼんやりと思いながら怒れる美鈴の話を聞いている。

2023-05-27 23:49:03
ハチ🐾 @hachisu716

なぜわたしは怒った紅美鈴の話をツリーで長々と?(理性 comes back)

2023-05-27 23:54:02
ハチ🐾 @hachisu716

怒ってるわりに怒り慣れていなくて、怒りの仕草がぜんぶほどほどになる紅美鈴ってよくはないですか(理性 has gone)

2023-05-27 23:56:02
ハチ🐾 @hachisu716

美「『また明日ね』って、昨日まで親しく過ごしたわたしに、あなたはそう云って」 美鈴が拳を掌で受け止めたまま、少し背中を折って丸くなる。 眉をひそめながら。 いや、これは。 咲夜は思う。 怒っているというよりは。 美「……なのにあなたは、わたしとの明日は欲しくなかったのかな、って」

2023-05-27 23:59:37
ハチ🐾 @hachisu716

美「わたしと、『また明日ね』の明日を今日にして過ごすこと、少しでも考えてくれなかったのかなって。それはあなたの『したいこと』には入らなかったのかなって」 美鈴が、何度か握りきれていない拳を、広げ切れていない掌で受け止める。ぱちん、ぱちん。 小さな拍手でもするように。

2023-05-28 00:04:54