茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第3155回「人間が機械に合わせるのはオリンピック的ではない。」

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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート3155回をお送りします。文章は即興で書いています。本日は感想です。

2023-06-16 07:06:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

NowVoiceの質問は、時折、自分が忘れていたり、考えていなかった視点を提供してくださるので面白い。今朝は太鼓の達人やカラオケの採点機能で上手いとかいう風潮はどうなんだという質問に答えたけれども、とても重要な視点だと思った。

2023-06-16 07:07:33
茂木健一郎 @kenichiromogi

採点機能で問題なのは、人間が機械に合わせていることである。太鼓の達人やカラオケの採点機能はそれが本質で、一つの技術ではあるが最高の基準ではない。むしろ、人間の内発的なリズムとかコーディネーションを重視した方がいい。

2023-06-16 07:08:39
茂木健一郎 @kenichiromogi

オケやバンドなどで、お互いにシンクロするのは人間どうしで合わせるから奥深い。指揮者とオケは人間同士で合わせるから面白いのであって、前にメトロノームが置いてあってそれに楽器が合わせても面白くもなんともない。太鼓の達人やカラオケの採点機能の限界はそこにある。

2023-06-16 07:10:26
茂木健一郎 @kenichiromogi

もっとも、将来的に人工知能が発達して、しなやかで多様なシンクロを評価関数にできる可能性はある。そうなったら、人間どうしで合わせて創発するオケやバンドと同じような奥行きは出てくるだろう。

2023-06-16 07:11:15
茂木健一郎 @kenichiromogi

私も太鼓の達人は昔ゲーセンでやったし、カラオケにもい行くけど、点数は気にしたことは一度もない。太鼓の達人はうまく叩かないと次のステージに行けないとかそういうのがあったかもだけど、それ以外には自分の好きなように叩いて楽しむのがいいと思う。

2023-06-16 07:12:13
茂木健一郎 @kenichiromogi

ずっと以前、NHKプロフェッショナルでピアノの生演奏で住吉美紀が歌うというのがあったと思うけど、横で見ていても楽しそうだった。カラオケと違って、歌手にピアノが息をあわせて創発する音楽は、機械が勝手に伴奏する音楽の1万倍くらい面白い。

2023-06-16 07:13:19
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上の議論は、オリンピックで採用されるe-sportsの本質論とも結びついて、人間が機械に合わせるような競技は面白くないと思う。ストリートファイターの人間と人間モードのように、人と人とが向き合う競技がオリンピックには向いている。人間が機械に合わせるのはオリンピック的ではない。

2023-06-16 07:14:42
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート3155回、「人間が機械に合わせるのはオリンピック的ではない。」をテーマに7つのツイートをお届けしました。

2023-06-16 07:15:50