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【ビースト・オブ・マッポーカリプス後編】エピローグ

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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

◆14時頃にむけカラテが高まっている◆

2023-06-17 13:35:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【これまでのあらすじ】 北米大陸で明智光秀を爆発四散させたニンジャスレイヤーを獲物に定めた狩りの儀式「カリュドーン」が、邪悪なリアルニンジャ達の手で開催された。 ネオサイタマに送り込まれた7人の狩人の手で呪いを刻まれ、儀式に巻き込まれたニンジャスレイヤー。だが全て返り討ちにした。

2023-06-17 14:00:19
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【あらすじ】 カリュドーンの儀式は元来、古代リアルニンジャの序列決めのゲームであったが、主催のセトは他のリアルニンジャ達も知らぬ超越的な陰謀を潜ませていた。 儀式の盤面となったネオサイタマを贄として、オヒガンの果てに浮かぶキンカク・テンプルを現世に固定し、神の力を支配する企みだ。

2023-06-17 14:03:45
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【あらすじ】 セトの陰謀はしかし、その半ばで阻止される事となった。 ニンジャスレイヤー=マスラダ・カイが狩人を撃破する一方、国際探偵フジキド・ケンジは特派員にやつしてエジプトを攻め、エネアド社社長室のセトを攻撃。 現世とオヒガンが重なる状況下、マスラダは儀式支配空間に逆侵入した。

2023-06-17 14:07:33
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【あらすじ】 セトに対峙するマスラダとフジキドはもはや満身創痍であった。しかしこのイクサの極点において、ナラク・ニンジャが二人を繋ぎ止めたのである。 セトの最終ヒサツ奥義アルファフージンオシリススプリッターを打ち破ったのは、三位一体の破壊拳、究極暗殺拳ナラクアラシノケンであった。

2023-06-17 14:10:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【あらすじ】 狩人が全て倒れ、主催者が滅びた今、カリュドーンの儀式は終局である。 生き残った者達が、日常に戻る――事は、できるのだろうか?

2023-06-17 14:18:08
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

『貴様らの都に、最後の滅びを……千年の呪いを、くれてやる……!』セトの叫びは爆発四散パーティクルと共に、儀式荒野を散っていった。マスラダとフジキドはどちらからともなく、口を開こうとし……その瞬間、同時に、弾かれたように一方向を凝視した。「ミイイイヤアアア」茶器のデーモンが! 1

2023-06-17 14:23:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

肥え太ったデーモンはギョロつく目を激しく動かし、電子涎を撒き散らして狂ったように跳ね始めた。「ミイイイ!」乱雑な牙が生え揃うデーモンの口がすぼまり、セトの爆発四散パーティクルが吸い込まれ始める!デーモンのシルエットがにわかに膨張を始めた。「いけない!」ナンシーが駆け寄る! 2

2023-06-17 14:27:18
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「どうしたナンシー=サン!」膝をついて茶器のデーモンにタイピングを開始したナンシーにフジキドは問いかけた。儀式荒野の空は突如真っ赤に染まり、ドローン描画じみた光文字「爆発します」「すぐ」のミンチョ文字が浮かび上がっていた。ナンシーは叫んだ。「この空間からすぐにログアウトして!」 3

2023-06-17 14:29:57
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ヌウウウッ!」マスラダは頭を押さえた。断片的なビジョンが乱れ飛んだ。地底に設置されたヒラグモ茶器が爆発、ギンカクに反応、スゴイタカイビル諸共に爆発四散し、そのエネルギーがエネアドのネットワークを逆流し、ネオサイタマ全てのUNIXが爆発する……それは物理数秒後の無慈悲な現実だった。 4

2023-06-17 14:33:22
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「セトは最悪の時限爆弾を仕掛けていったようね。万が一にも自分が爆発四散し、儀式が失敗したら、そのエネルギー全てをヒラグモに注ぎ込んで……ネオサイタマを物理と電子の両面で焼き払うつもり!」ナンシーの現状把握はマスラダのニューロンを焼くビジョンと合致していた。「させるか……!」 5

2023-06-17 14:36:18
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

マスラダは耐えようとした。視界が乱れる。マルノウチ前の草原にニンジャ達が集まっている。そこにはガーランドら、知ったニンジャの姿もあった。黄金に輝く人型のニンジャを、彼らがカイシャクしようとする……その時、黄金の人型は極度膨張!ニンジャたちを四方八方に撥ね飛ばし、膨れ上がる!  6

2023-06-17 14:40:10
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「現世に固定されたキンカクの力が均衡を崩しつつあるわ!」ナンシーは茶器のデーモンを制御しようと心を砕いた。「セトの要素がヒラグモを毒し、力の流れを堰き止め、乱している。これが千年の呪いだというの?……Y2Kが再び……!」「落ち着け。ナンシー=サン」フジキドが彼女の手に肩を置いた。 7

2023-06-17 14:43:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

彼はやおら、暴れる茶器のデーモンを抱え上げた。デーモンは脱出しようと藻掻くが、それを許さぬ。そして彼はマスラダを見た。「この茶器は私がどうにかする。オヌシは現世に戻り、問題に対処せねばならぬ。ニンジャスレイヤーとナラクの力を以てしてだ!」「01001!」マスラダの叫びはかき消された。8

2023-06-17 14:47:40
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

儀式荒野から強制ログオフされたマスラダの痕跡が消えるのを見て、フジキドは力強く頷いた。「001010」今度はナンシーだった。彼女の言葉もすでにノイズだ。薄れ、消えてゆく。そしてフジキドは荒野に生じた無数の亀裂を見た。フットボール選手めいて、彼はダッシュの予備姿勢を取った。  9

2023-06-17 14:50:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ミイヤアア!ミイイヤアア!」デーモンが抗った。だがフジキドは決断的に最後のカラテを漲らせた。ネオサイタマと結びついたこの儀式荒野から脱出し、オヒガンの果てでヒラグモを爆発させる。さすれば現実世界スゴイタカイビル地底のヒラグモの爆発は破滅的影響を免れる。彼の推理は正確であった。10

2023-06-17 14:53:15
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ゆくぞ」フジキドは亀裂を睨んだ。オヒガンの虚無にタッチダウンすべし!「……成る程、それは実際、ただ一つの冴えたやり方といったところか。君自身が犠牲となる点を除けばね」傍らで、声がした。その響きだけで、かのニヤニヤ笑いをも想起させる、宿敵の声であった。「待ち給えよ……」 11

2023-06-17 14:56:35
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ケイトー・ニンジャ=サン……!」意識外よりの出現であった。恐るべきリアルニンジャがその隙に乗じるのは児戯に等しかった。瞬時にヒラグモ・デーモンを奪い取ったケイトー・ニンジャは、暴れる存在を赤子めいて抱きかかえた。「ここは私に……」ヒラグモが顎を蹴った。「ええい!ここは私……」12

2023-06-17 14:59:27
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」フジキドはケイトー・ニンジャにカラテを仕掛ける!「イヤーッ!」インタラプトし、その手を止めたのは……「ドーモ。サツバツナイト=サン。リバティです」ローブ姿のニンジャは厳かにアイサツした。「貴殿の懸念も尤もです。だがここは彼奴に負荷を追わせるのが得策」「ヌウウッ?」13

2023-06-17 15:02:43
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「誤解から来る無用な諍いを止めてくれてご苦労。リバティ=サン」ケイトー・ニンジャは言った。そして真摯な眼差しでフジキドを見た。「貴公との間には幾つかの行き違いからくる相互不信が存在する。不本意な事だ。だが今は個人的確執にフォーカスする時ではない。私とて世界の破滅は避けたいのだ」14

2023-06-17 15:08:53
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「何だと……?」「貴公はまだ若く、未熟だ。このヒラグモを貴公がオヒガンに廃棄したとすれば、貴公が自我亡失する確率は100%。単なる消滅ならばまだよいが、かのヤマト・ニンジャの轍を踏み、次なる災厄の火種すら生じかねん。私ならば、この爆発を現世に影響を及ぼさぬ場所で引き受けられる」15

2023-06-17 15:13:32
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「如何なる企みが……!」「無論、冒険の意志はゼロではない!我ながら智謀の存在ゆえ、可能性の追求は止められん」ケイトーは苦笑した。「だが今は私に任せておけ。未来ある若者が理不尽に犬死にするさまは耐え難い。災厄のスケープゴートにふさわしき存在とは即ち、私のような過去の遺物なのだよ」16

2023-06-17 15:17:57
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

緋色の稲妻がヒラグモの膨張をかりそめに抑えた。いよいよ不可避の爆発が近いのだ。「敢えて付け加えるならば、貴公らの必死のイクサに、ほだされてしまった…とでも言えば納得するかね?フフッ、信じるまいな。私もメロドラマは苦手だ」ケイトーはせわしなく稲妻をふるった。石碑のひとつが砕けた。17

2023-06-17 15:22:14
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