組織とリーダーシップー学校と日本社会は変われるか?

学校と日本社会の改革を「組織とリーダーシップ」の観点から抽象的に論じてみた。併せてそれを福沢諭吉と丸山真男を援用して基本的視座を探ってみた。
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村山紀昭 @muranori7

(組織とリーダーシップ)しょっちゅう出張でJALに乗っていますが、最近CAも地上勤務員も応対やサービスが良くなっているように感じます。大変な経営危機の中、稲盛会長が乗り込んで改革が進んだ結果かもしれません。組織の改革は、こういう現場の小さなところに現れます。

2011-11-24 22:26:44
村山紀昭 @muranori7

(組織)長く通っているある病院も、院長が変わってから看護師さん、窓口の対応がずいぶん変わりました。要するに組織において「意識改革」が進んだのでしょう。こういう組織の改革は想像以上に結構難しいものです。時に、トップダウンで強引に進められることもあります。

2011-11-24 22:31:43
村山紀昭 @muranori7

(組織)本当は構成員の自覚を待ってじっくりと進めるのがいいのでしょう。しかし実際はそうはいかない方が多い。組織、とくに伝統的な組織ほど黙っていて自然成長的に変わることは滅多にありません。橋下前知事の少々エキセントリックな行動もこういう組織改革の難しさの意識から出ているのでしょう。

2011-11-24 22:36:04
村山紀昭 @muranori7

(組織)ここには組織とリーダーシップとの難しい問題が伏在しています。橋下氏が特に問題にしている教育委員会や学校は、組織改革が難しいオーセンティックな組織です。その特殊性は、教育という精神的な社会的活動に関するものであることと、関連した教師たちの自立意識の強さにあります。

2011-11-24 22:40:48
村山紀昭 @muranori7

(組織)橋下氏が言う、各学校に教育目標をしっかりやらせ、だめな校長や教師は厳しく評価するというのも、本来教師たちがみんな自覚して学校ごとによくまとまってやれば解決できることでしょう。しかし、なかなかそうはいかない。教師は上からの命令、たとえ校長であろうと単なる命令には従わない。

2011-11-24 22:45:47
村山紀昭 @muranori7

(組織)命令・指示系統と教師の横並び意識との関係如何の問題です。小中高の学校のヨコ意識はかなり強い。大学と比べても、独特の強さがある。大学はそもそも弱い組織性が根っこにあって、教授たちは基本的に自分の研究がスムースにできれば組織に大方針にそう関心がない。学校は違う。

2011-11-24 22:48:55
村山紀昭 @muranori7

(組織)学校は。日々強い集団活動によらなければ成り立たない。授業一つでも、指導要領があり、学校の教育計画があり、学年の協議があり、勝手にはできない。強い組織性、集団性が教師には常に求められます。だから逆に、権利意識やタテよりヨコ関係を大事にする傾向があるわけです。

2011-11-24 22:52:48
村山紀昭 @muranori7

(組織)時にそのヨコ意識が、リーダーシップ自体を否定したり無視したりすることも起こる。これを「人権」として強く主張することもある。これに対して、橋下的には、「許しがたい」ということになるのでしょう。構成員の自発性を無視した一方的な命令もリーダーシップを認めない横並び主義もダメだ。

2011-11-24 22:57:42
村山紀昭 @muranori7

(組織)それを大政治の独裁か人権かの問題に還元するのも生産的ではないと思う。政治ゲームとして面白く見るだけで終わる。問題の焦点の一つは、「組織における意識変革」がどうあるべきかにある。よく論者が嘆く、日本社会の変わらなさにも直結する事柄だろう。

2011-11-24 23:02:15
村山紀昭 @muranori7

(組織)人の意識を他人が変えることは難しい。難しいが、意識が変わらなければ本当には変わらない。さてどうするか?ネオリベラリズムはそれを、「競争」というフラットな原理を持ち出すことで解決しようとした。日本社会はそう単純ではなく、アメリカの開拓時代以来の競争原理と成功談には乗らない。

2011-11-24 23:07:22
村山紀昭 @muranori7

(組織)アメリカ的発想には「歴史意識」が根本的にかけていると思う。そこで、迂遠ながら、福沢や丸山の歴史意識に思いを馳せる。二人共、文明史観を常に根底に置いていた。かつ文明の形ではなく、「精神」からいっときも目を離さなかった。だから福沢は終生「独立の気概」を強調した。

2011-11-24 23:12:02
村山紀昭 @muranori7

(組織)福沢は、文明化により人々の競争を含む「交際」が拡がり、それが人々の精神を「和らげ」人を高尚にすると言った。しかし同時にそれは自然に起こるものではなく、「徳」の追求とその気概が不可欠だとし、その日本的伝統を三河武士の「痩せ我慢」に見た。

2011-11-24 23:18:19
村山紀昭 @muranori7

(組織)丸山はウェーバーを引きながら、制度をつくる精神の観点から「近代」のエートスをぎりぎりまで追求し、それを乗り越える地平を切望した。そして日本人の「精神革命」に託した。福沢も丸山も、こうして日本の伝統に根を下ろした偉大な「啓蒙家」であった。その悲観と楽観は歴史に託された。

2011-11-24 23:23:25
村山紀昭 @muranori7

(組織)人の意識は命令によっては変わらない。しかし黙っていても変わらない。そこに優れた歴史意識をもったリーダーの役割がある。優れたリーダーは、謙虚である。しかし現状に追従はしない。必要な変革は確固として示す。我慢強いとともに前進への固い意志と論理を明確に構成員に示す。

2011-11-24 23:27:32
村山紀昭 @muranori7

(組織)学校は変わらなければならない、日本社会も変わらなければならない。しかしそのためには、歴史意識を備えた優れたリーダーが不可欠だ。改革の難しさと必至さとを二つながら踏まえたリーダーが学校にも日本社会にも必要だ。そうしたリーダーいまいるのかどうか・・・。それが問題だ。

2011-11-24 23:31:32
村山紀昭 @muranori7

(組織)いまほど、日本的な「ノーブレス・オブリージュ」が切望されることはないと思う。(以上「組織とリーダーシップ」に関する抽象的考察の連続ツイートでした。)

2011-11-24 23:35:22