茂木健一郎(@kenichiromogi）さんの連続ツイート第3185回「宮崎駿さんの『君たちはどう生きるか』は、宮崎さんにとって切実な物語ということで反時代的に卓越している。」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート３１８５回をお届けします。文章は即興で書いています。本日は感想です。

茂木健一郎 @kenichiromogi

宮崎駿監督の新作『君たちはどう生きるか』は、観終わって時間が経つと、インパクトが強まってくるんので、おそらく名作なのだと思う。そして、改めて思うのは、宮崎駿さんが自分にとって切実な物語を紡いでいるというその事実の尊さである。

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『君たちはどう生きるか』で、表題の小説はモチーフとしては重要だが、中心となっているのは「母」への思いで、その母が若くてはつらつとしていた頃への追慕が作品を貫いている。そのアプローチが、宮崎駿さんの個人的な感性に基づいていて、それが芸術性になっている。

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現代は、ネットを中心に、マーケットはどうなっているとか、流行はなんだとか、時事はどうしたとか、そういうことばかりで、一人の人間の内面の最も切実な物語が届きにくくなっている。宮崎駿さんの『君たちはどう生きるか』は、宮崎さんにとって切実な物語ということで反時代的に卓越している。

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『君たちはどう生きるか』で当惑するくらいヴィヴィッドな「鳥」たちのイメージは、物語でもっとも大切な「母」への思いの鮮烈な脇役なのであって、物語を生み出した無意識の中から出てきたふしぎな表象である。全体として村上春樹さんの小説やユングやフロイトを思わせる強烈なインパクトとなった。

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以上、連続ツイート３１８５回、「宮崎駿さんの『君たちはどう生きるか』は、宮崎さんにとって切実な物語ということで反時代的に卓越している。」をテーマに４つのツイートをお届けしました。