【美鈴とアリス】園芸友達

メモ📝
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ハチ🐾 @hachisu716

は 美鈴とアリスがガーデニング趣味から仲良くなって、アリスが紅魔館になにかの用事で泊まりに来たとき、 夏の朝早くにふたりで麦わら帽子と軍手と首からタオルでかんぜんに園芸趣味のおばちゃんスタイルで、 花壇前にしゃがみこんで、草むしりしながらのんびり話し合ってたらかわいくないですか?

2023-07-29 20:49:30
ハチ🐾 @hachisu716

いや装い的にはあんまり可愛くないが。 早朝から一緒に草むしりしながら アリス「暑いわねえ」 美鈴「暑いですねえ。……おや、アリスさんは暑さ寒さは感じないのでは?」 アリ「普段はね。いまは感じるようにしてるの」 美「はて?」 アリ「わざとそうしてるのよ」

2023-07-29 20:52:52
ハチ🐾 @hachisu716

アリ「前にね。何十年か周期で魔力というか、あなたたちでいったら、妖力かしら。それが弱まった時期があって。そのときに夏の暑さの不便さも感じたんだけれど、煩わしいのもまた面白くてね。こうしてたまにわざと力を封印して弱めるのよ。そうすると四季の寒暖も感じるの」 美「へええ……」

2023-07-29 20:56:38
ハチ🐾 @hachisu716

美「じゃあいまは妖怪としては少し弱った状態、ということですか?」 アリ「そうね。あ、ごめんね、心配してくれるわよね。あなたは優しいから。大丈夫よ。具合が悪いわけじゃないし、有事にはすぐもとに戻れるような封印だから。……ほらこれ、ピアス。見える?」 髪を避け、耳を見せるアリス。

2023-07-29 20:59:35
ハチ🐾 @hachisu716

美「はい。よく似合っていて、素敵ですね」 アリ「これが、封印。はずせば戻るの。簡単でしょう?」 美「へええ。アリスさんはそんなこともできるんですねえ」 アリ「やだ、もう。美鈴たら。アリスでいいわよ。わたしたちガーデニング友達なんだから」

2023-07-29 21:03:27
ハチ🐾 @hachisu716

美「いやあ、パチュリー様のお客様でもありますし。そもそも早朝からこんな草とりを手伝っていただいているのも、本来申し訳なく……」 アリ「いいのよ。だってわたしがそうしたいって云ったんだもの。上手な庭いじりを覚えたいのよ。だから美鈴とそういう話ができるの、嬉しいわ」

2023-07-29 21:11:06
ハチ🐾 @hachisu716

美「わたしもお話できるかたがいるのは、嬉しいです。魔法使いのみなさんの興味は、もっと効能とか、調合とか、薬学の方面にあるものと思っていたので」 アリ「もちろんわたしも魔女だから、そういう範囲も興味の埒内だわ。でも純粋に育つのを見るのも好きなのよ。どんな色の花が咲くかとかね」

2023-07-29 21:15:50
ハチ🐾 @hachisu716

くすりと笑うアリス。 アリ「たぶん、これは伯母の……って云ったら怒るわね。幽香の影響かも。小さい頃から、魔界でお世話になってたから」 美「ああ、幽香さんと馴染みがあるんですね」 アリ「そう。あの人、口下手だけど、花のことに関しては雄弁だから。だからわたしも花が好きなのかもね」

2023-07-29 21:20:10
ハチ🐾 @hachisu716

美「なるほど。身近にだれか教えてくれる人がいると、親しみやすいですよね」 アリ「美鈴もいたの? あなたが草花に親しみを持つようになる、きっかけになった、そんな身近なひとが」

2023-07-29 21:27:20
ハチ🐾 @hachisu716

美鈴は、普段あまり自分のことを話さない。だから少しでも立ち入ったことを訊かれると、やんわりと退いてしまう習性がある。 だけど、アリスは嘘をつかないゆえに裏表がなく、言葉はその言葉のあるがまま。 なにか腹を探ろう、という思惑が一切ないので、それが気を扱う能力を有する美鈴にも感じ取れる

2023-07-29 21:35:25
ハチ🐾 @hachisu716

訊かれても、嫌ではない。 だから美鈴は、にこりと笑顔で頷いた。 美鈴「ええ、いましたよ。そんなひとが」 もし、それを紅魔館を始めとする美鈴を知る人物が見たら、かなり驚くと思われるほど、あっさりと素直に。 草をむしり、首に巻いたタオルで汗をぬぐいながら、美鈴は穏やかに続ける。

2023-07-29 21:39:43
ハチ🐾 @hachisu716

美「もうほとんど忘れてしまって、ぜんぶおぼろげなほど昔ですが。そんなひとが、確かにいたと思います。わたしに、草を摘ませ、花を見せて、名がないものにもそのすべてに生があり、その唯一があると、教えてくれたひとが」

2023-07-29 21:45:20
ハチ🐾 @hachisu716

美鈴はしゃがみこんだまま手近な草をつまんで、指先でくるくると回す。 美「名も、自分が何者かも分からなかったわたしも、同じだと。そんなふうに勇気づけてくれた気がします。それがわたしの趣味の根っこかもしれませんね。育ての親の趣味を受け継いだのかも」 アリ「素敵ね」

2023-07-29 21:48:54
ハチ🐾 @hachisu716

言葉のままの笑顔を向けて、アリスが優しく微笑む。 アリ「美鈴の趣味のルーツは、育てのお父さま、もしくはお母さまなのね」 美「云われるまで考えたことがなかったですけれど。……そう思うと、親不孝な話ですね」 アリ「ううん。そうやって思い出せるんだから、大切に仕舞っている宝物なのよ」

2023-07-29 21:54:20
ハチ🐾 @hachisu716

いつも通り設定は即席てきとうです

2023-07-29 21:56:11
ハチ🐾 @hachisu716

草を抜く手を止めて、アリスを見る美鈴。 美「……アリスは不思議なひとですね」 アリスは矢車菊の青い花色の瞳を、いたずらっぽくきらめかせる。 アリ「そう? ふふ。アリスって呼んでくれたわね」 美「普段こういうことを、話したりしないのに。不思議な気分です」

2023-07-29 22:07:05
ハチ🐾 @hachisu716

アリ「魔界人ってみんなそうなんじゃないかしら」 アリスがくすりと笑う。 アリ「みんな“不思議なひと”よ」 美「そうかなあ……アリスがきっと、ひとに促したりするのが上手なんだと思います。聞き上手というか」

2023-07-29 22:12:37
ハチ🐾 @hachisu716

というような話をずっと日曜早朝の自治会の集まりで草をむしってるおばさまたち的な具合でやっててほしい。 麦わら帽子、軍手、首かけタオル……あるいはタレ付きの帽子……

2023-07-30 07:09:18