20世紀初頭の空の色氏による、19世紀後半に普及した「死後写真」の解説

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20世紀初頭の空の色 Цвет неба начала 20-го века @pourichkevitch

ヨーロッパ中世の写本。ロシアの19世紀末から20世紀初頭の文学、芸術、デザイン、建築。ロシア帝国。ロシアの皇族と貴族。ロシア革命後のソ連時代。アンティーク。Amazonで『フェリックス・ユスポフ公爵の暗殺計画』と、スターリン時代に弾圧された詩人、芸術家の悲劇を描いた『女たちは列に並んだ アンナも列に並んだ』を出版中。

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死後写真 1839年にダゲレオタイプの写真技法が発明されると、初期は露光時間が10-20分もかかったが改良に改良を重ねて1840年代初頭には1-2分、更には数秒の露光時間で済むようになった。こうなると、まず最初に子供や若者たちの、次第に変化し、 pic.twitter.com/actcIA4flu

2023-08-04 19:47:39
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二度と撮れない姿を残すためのポートレート写真が普及したことだろう。とはいえ、写真は19世紀には高価な贅沢品で多くの人には手が届かなかった。けれども二度と撮れないばかりか、もう二度と会うことが出来ない人たちを撮ることも重要な課題であった。取分け「死後写真」は身内に死者が pic.twitter.com/T32W4zB5ht

2023-08-04 19:50:17
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出た家には価値のあるものだった。現在は奇妙な骨董趣味から蒐集している人もいるし、気味悪いイメージもあるけれど、例えばビクトリア朝時代の人々にとって、普遍的な死に対処し、失われた愛する人たちを追悼する方法だった(肖像画家に描いてもらうことが出来るのは王侯貴族ぐらい)。個人の pic.twitter.com/8K8MmjBxAd

2023-08-04 19:53:00
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写真肖像だけが故人を思い出す唯一のイメージであった。故人の姿を捉えるだけでなく、様々な器具や工夫によって故人が生きているように見せることも試みられた。故人を椅子に座らせ、本や、人形、故人の兄弟、両親と共に生きているように撮ったり、立たせたりする道具を pic.twitter.com/IIXgDEODZk

2023-08-04 19:54:47
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使ったり(こういうものは、生きている子供が露光の間じっとしているためにも使われた) 、或いはビクトリア朝に独特のスリーピングビューティーとして、そのままベッドに横たわっている姿を(花やロザリオ、十字架で飾ったりして)撮ることもあった。こうして撮られた「死後写真」は pic.twitter.com/Pe8nMYXTz8

2023-08-04 19:56:47
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「哀悼のタブロー」と呼ばれる感動的なイメージであった。しかし、これらの作業は多くの困難を伴った。身体を色々な器具で固定しても、約2時間もたつと、死後硬直が顔の筋肉に現れ、次に手足、24時間で全身に現れる。死後硬直が始まってから、遺体を操作して写真撮影の姿勢にすることは pic.twitter.com/E1ciUg8ieF

2023-08-04 19:58:17
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出来なかった。また、死体の目を開くことは大変であった。死後すぐに目が開く可能性は別として。ティースプーンの柄を使えば簡単に開けることが出来ると書いている人もいるが。一方、兄弟や家族と一緒に生きているように工夫した故人を撮影した場合、後に見る人は誰が死者なのか pic.twitter.com/UvpJsvojvR

2023-08-04 20:00:13
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分からないこともある。また、生きている人の肖像も盛んに撮られたので、後世の人が見ると、被写体が死者なのか生きた人なのか区別がつかないこともある。実は私もダゲレオタイプの美少年の肖像写真を持っているのだが、死者か生者かかなり迷ったものだ。だが、表情が pic.twitter.com/QIHKZQPEtF

2023-08-04 20:02:00
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まるでなく、眼は開いているものの、虚ろな感じ、典型的な故人撮影ポーズをしているので、今では「死後写真」と思っている。 pic.twitter.com/AP3jn9Ylir

2023-08-04 20:02:43
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