さて、『昭和の亡霊』編が終わったので、前フリの『洒落怖チェーンソーデスマッチ1945-60』も含めて、恒例のコメンタリーをやっていきたいと思います。 洒落怖チェーンソーデスマッチ - カクヨム kakuyomu.jp/works/16816700…
2023-08-12 21:19:52今回の長編のそもそもの発端は、ネタ出しのために昭和の妖怪でググったら岸信介が出てきたこと。そういや旧日本軍とかいうネタの宝庫があったなと思い出し、それらを元にして長編を組み立てようということに。それに伴い、設定をひとつ使用することになりました。
2023-08-12 21:28:54それが、『村始まって以来最強のチェーンソーのプロが八尺様に殺された』というもの。これ真相は『八尺様を返り討ちにした後、自害した』ということだけは決まってました。それについての詳しい話を書こうというコンセプトが、1945-60の戦後編。
2023-08-12 21:31:25そしてこれを書いているうちに、『伝説になるまで練り上げた人間は鬼(怪異)になる』という話も思いつきました。すなわち、『暴れすぎた翡翠が鬼に成りかけ、メリーさんたちが止めるハメになる』というもの。旧日本軍ネタに合わせてこいつの話も展開しようということになりました。
2023-08-12 21:33:24まとめると 『旧日本軍の怪異ネタのせいで現代の東京がヤバいことになる』 『その事件に巻き込まれた翡翠が鬼になって、みんなで止める』 という長編があり、それに対する仕込みの長編が 『戦後最強のチェーンソーのプロの伝説』 ということになりました。ややこしくなりそう。なった。
2023-08-12 21:34:56あと、この時点で可能なら突っ込もうと思ってたネタが 『と号電気投擲砲(レールガン)装備でパワーアップする雁金』 『本気を出した吉田千菊』 『メリーさんのオリジンへの布石』 『過縄村の"政治"と"金"の顔出し』 『警察と自衛隊の対怪異戦力の登場』 などなど。半分くらいは出せた。
2023-08-12 21:40:23kakuyomu.jp/works/16816700… で、実際に書き始めた結果、この1話目でいきなり詰まった。甘粕正彦、満州で怪異を使って色々企んでいた、というのは思いついていたけど、肝心の格の高い怪異がピンとこない。大陸の妖怪だから蚩尤なり四凶なり考えてみたけど、しっくりこない。
2023-08-12 21:45:07そんな中で思いついたのが、満州国の守護神。そういやあの国の宗教ってどうなってるんだと調べてみたところ、ハチャメチャに揉めた果てに日本式の神社を建てていたと判明。そしてご神体として収められた鏡が、作中で語られた通りのいわくつきの代物だったと知りました。
2023-08-12 21:48:10という訳で1話にしてラスボスの『鏡の悪魔』が登場。『真夜中に合わせ鏡を覗くと悪魔が写る』という迷信も元になっています。甘粕はこの悪魔を初めとする怪異の力を使って、満州国を支配、あるいは守護しようとしていたんでしょう。チェーンソーによってぶった切られましたが。
2023-08-12 21:50:10kakuyomu.jp/works/16816700… 戦車を斬ったのは趣味。次の要素回収は、元ネタの時点で旧日本軍やGHQが関わっている事になっている『地下の井戸』。ここでは中の怪物が溢れ出していたので、龍庵がひとまず一掃させるという話になりました。
2023-08-12 21:54:53この時点で『ひだる神』、ひいては『南関東ガス田』が最終戦の要素になることは決めていたので、それにつながる布石は置いておきました。どうやって回収するかまでは思いついてなかったので、未来の私にぶん投げていました。お陰で後々苦労することに。
2023-08-12 21:56:53kakuyomu.jp/works/16816700… そしてこの話。実はこれがこの長編で一番最初に書き出した話だったりします。大鋸龍庵という今までとは違う主人公を書くための練習台ですね。翡翠と違って常識や倫理観はちゃんとしてます。ただ、強さだけが常識外れになっている。
2023-08-12 21:59:25練習台なので、龍庵の内面とかは最低限で、『牛女』の強さと、更にそれを上回る龍庵の強さを書くだけになってます。今書き直したら、追い剥ぎ一族は全員死なない程度に手加減してるでしょう。どうだろ。先に殺意を向けられてるから殺してるかもしれない。戦場帰りだし。
2023-08-12 22:03:21洒落怖チェーンソーデスマッチ - カクヨム kakuyomu.jp/works/16816700… やるぞ、コメンタリーだ。ようやく夏休み入ったし、キャラクリも一段落したし、結構な量を書き溜めたからどんどん行く。
2023-08-17 22:05:30kakuyomu.jp/works/16816700… 当初は龍庵のパトロンとして動いていた岸だが、この辺から龍庵と考え方に齟齬が出てくる。龍庵が人間やってられたのは岸がいたのが大きいから、後に致命傷になる。政治家とチェーンソーのプロじゃ視座が違うのも当然だが……。
2023-08-17 22:09:54一応、ラスボスの一角の登場回でもある。今回はいつもと違い、直接戦闘力よりも社会戦で攻めてくる感じの敵組織。まあ、この話は洒落怖チェーンソーデスマッチなので、暴力が足りない連中の末路はアレなんですけど。
2023-08-17 22:11:39kakuyomu.jp/works/16816700… 仕込んだはいいけど結局回収しなかった回。この邪視使いはクソデカきさらぎ駅に出てきた目方で、暗殺を仕組んだのは赤マントの連中。目方はこの事件の後、口封じとして赤マントたちに襲われるも逃亡、亡命生活を送ったという設定でした。
2023-08-17 22:14:57で、この因縁が巡り巡って現代に持ち越され、赤マントたちとの最終決戦に、目方の友人であった『ニンジャ』の怪異憑きが突入してくる……というのをかなり前から考えていましたが、いざプロットを組んだらしっちゃかめっちゃかになったので諦めることに。もったいねえなあ。
2023-08-17 22:16:53kakuyomu.jp/works/16816700… その後、安保闘争と国会包囲を経て、クライマックスイベント。噂や恐怖が具現化する世界。戦後の世の中で最も恐れられたものは何か。……妖怪や都市伝説なんかよりも、これでしょうね。実際、オカルトブームは70年代から始まったものですし。
2023-08-17 22:20:51この頃になると龍庵も人の殺しすぎと、それにともなうストレスで怪異に成りかけています。普通の人間は高度6000mでまともに動けない。まあ、こいつは生身の時点で戦車とタイマンを張る異常戦闘力なんですが……。
2023-08-17 22:22:56kakuyomu.jp/works/16816700… そしてB-29を落として、『チェーンソーの鬼』になった龍庵。もう誰にも止められません。藤原千方も翡翠ひとりじゃ手に負えない大怨霊だったのですが、単純に相手が強すぎる。そして人間でなくなった龍庵は歴史の表舞台から姿を消します。
2023-08-17 22:27:33kakuyomu.jp/works/16816700… そしてチェーンソーの鬼が行き着いた果て。ひとりぼっち、という結末です。これを見せた上で、翡翠をどうやってこの境地に至らせないか、というのが次の長編の軸のひとつでした。なお、この時点で解決策は考えていません。
2023-08-17 22:33:11洒落怖チェーンソーデスマッチ - カクヨム kakuyomu.jp/works/16816700… RiJのアーカイブ見てたらこんな時間だ。コメンタリーやっていくよ
2023-08-18 22:08:07