贋作モデリング/砂漠用装甲強化型ザク編

プラモデルを趣味とするモデラーなら誰しも、子供の頃に模型雑誌で見た、憧れの作例のひとつやふたつはあると思うんですよ。コレを自分の手で作りたいと思い挑戦するも力及ばず、辛酸を嘗めた苦い思い出…。しかし技量が上がり、マテリアルも充実した今なら、思い出のアレを完成させられるんじゃないか…? そんな思いで始めたのが #贋作モデリング です。贋作を謳うからには、目指すのは完コピ! そこに製作者の主観が入ってはいけません。『足を2mm長くしたい』『別の色で塗りたい』そんな思いはグッとこらえて、レッツ贋作!!
10
伊藤霊一/Ryou @Ryou_I_01

モデラーなら誰しも、雑誌で見て憧れた作例ってあると思うんですよね。いつかは作りたいあの作例。そーゆーのって待ってても作る機会はやって来ないので、自分から飛び込んで行くことにします。 で、取り出しましたる1/144シャア専用ザク。コレをどーするかと言いますと… #ザクの日 #贋作モデリング pic.twitter.com/OORIy8hZ8L

2018-03-09 11:17:54
拡大
伊藤霊一/Ryou @Ryou_I_01

こうじゃ! コミックボンボン82年5月号に載った、砂漠用装甲強化型ザクに改造します‼︎(カラーページは2月号) 実は僕は当時もこの改造に挑戦していて、一応完成させました。作品は現存しませんが…。なのでリターンマッチの意味合いもあるんですね。今の技量なら楽勝だと思いますが、果たして…? pic.twitter.com/y9Aev9Spbh

2018-03-09 11:17:59
拡大
拡大
拡大
拡大
伊藤霊一/Ryou @Ryou_I_01

ところで改めて完成写真をよく見ると、解説された部分以外にも手が入っている様子。多分子供向けに必要最低限な箇所のみまとめたんでしょうね。それでもハードル高いですが…w。 今回は作例を完コピする事が目的なので、そーゆー部分も可能な限り洗い出して再現します。ほぼ考古学的調査ですな (^_^;)

2018-03-09 11:18:02
伊藤霊一/Ryou @Ryou_I_01

まず頭部の基本形が全然違います。作例はモノアイシールドの上下幅が広く、その分目から下が狭くなっている様に見えますね。 当時ストリームベースでは1/144ザク用の頭部・左肩・前腕・足首の改造部品を用意し、それを作例に使っていたらしいので、この頭部にもそれが使われた可能性が高いですね。 pic.twitter.com/9DXX0Sh0nw

2018-03-09 13:36:58
拡大
拡大
伊藤霊一/Ryou @Ryou_I_01

その証拠に、当時のストリームベースの他の作例でも、似たような頭部のラインを持つザクが散見されます。 ただこの頭部の詳しい作り方は分からないので(HJ誌に載ってないかなぁ)、推測で攻めるしかないですね。大変だ〜w。 pic.twitter.com/a7NFSSzj7Y

2018-03-09 13:37:04
拡大
拡大
拡大
拡大
伊藤霊一/Ryou @Ryou_I_01

発売当時、ストリームベース謹製のザクヘッドに1番似ている…と言われたのがザクタンクの頭です。設計段階で参考にしたらしいので、似てて当然ですがw。確かにハウトゥビルドガンダム2の図とそっくりですね。 でも今回の砂漠用ザクとは少しラインが違うような? pic.twitter.com/0HerAf7GmK

2018-03-09 21:39:27
拡大
拡大
拡大
伊藤霊一/Ryou @Ryou_I_01

そこで試しに06Rも出してみました。あ、コレは似てる! モノアイシールドの上下幅を広げて、後頭部を少し丸く削ればクリソツになると思うんですが、どーでしょうか? とりあえず頭部は、06Rを参考にして進めるのが良さそうですね (^。^) pic.twitter.com/mMeT1vdyGH

2018-03-09 21:39:30
拡大
拡大
伊藤霊一/Ryou @Ryou_I_01

とりあえず接着できる部品をビシバシ接着。僕は、ロボは可動しなきゃイヤ〜ンなタイプのモデラーなので、こーゆー作り方は背徳感があるんですがw、今回は固定ポーズで行きます。 足首は先に切っておきますよ。ここもボンボンでは解説されていない改造ポイントですね。 pic.twitter.com/oTLFcxyORh

2018-03-09 23:02:41
拡大
伊藤霊一/Ryou @Ryou_I_01

#贋作モデリング 解析を進めると、やはり頭部はキットベースで改造した物の様なので、その線で進めます。 後ろから見ると動力パイプの接続部が細くなっているので、接着面で幅詰めしている様子。でも正面ダクトの幅は変わっていないので、後ろのみ1㎜くさび形に詰めました。 pic.twitter.com/dNS6JWfsxl

2018-03-10 10:34:18
拡大
拡大
伊藤霊一/Ryou @Ryou_I_01

胸は中央を裏打ちして削り。ボンボン解説では下腹を削る指示は無いけど、完成写真を見ると削られている様なので、ココも削り。 背中の裏側にはレジンブロックを接着し、脚をアルミ線で接続する土台にします。脚を抜き差しするには、下から差し込む方が楽なので (^。^) pic.twitter.com/mRzTO55d4x

2018-03-10 15:13:25
拡大
拡大
伊藤霊一/Ryou @Ryou_I_01

左肩をボンボン解説通りに削ってみたら、やはり穴が空きました。横着せずに裏打ちすればよかった _(:3 」∠)_ 仕方ないのでプラ片で埋めます。 この肩も、作例ではストリームベース謹製部品を素体にしている様なので、そのラインを再現する必要がありますね。 pic.twitter.com/6yhx2DiBJf

2018-03-10 20:05:25
拡大
拡大
伊藤霊一/Ryou @Ryou_I_01

#贋作モデリング 頭部をいじります。作例の口は小さくなっている様なので、下側を削りプラ板で塞ぐ。ダクトのモールドは無い様だけど、一応入れておいた。砂漠ザクのスリットは縦なので注意。 そしてモノアイシールドの下の線を削って上下幅を広げる。う〜ん、まだ遠いか? pic.twitter.com/1G5jIjp050

2018-03-11 13:53:06
拡大
拡大
伊藤霊一/Ryou @Ryou_I_01

鼻面の面(真ん中にミゾがある面)を削って高さを抑え、モノアイシールドは上側を削って斜めに傾かせた。さらに側頭部を削って丸みを抑える。 大分近付いたけど、もうひと息。ココからはパテ盛りしないとダメかなぁ。 pic.twitter.com/NTkSqPqRrc

2018-03-11 13:53:11
拡大
拡大
伊藤霊一/Ryou @Ryou_I_01

足首は形状からして旧ザクの流用かと思ったんだけど、いざ比べてみると、似てはいるけど違うようです。この足首も多分キットベースで加工した、ストリームベース製の改造パーツですね。なのでココも切り取った足首を加工する事で近付けていこうと思います。 pic.twitter.com/msCCoMwUlz

2018-03-11 15:08:43
拡大
拡大
伊藤霊一/Ryou @Ryou_I_01

で、頭部にパテ盛り。作例を作った小田さんはポリパテ党として有名ですが、今回はエポパテでw。 ついでに肩と大腿部の内側にも盛っておきます。こーゆー作業は、ある程度まとめて一気にやった方が効率いいですね。パテも余りにくいしw。 pic.twitter.com/qjILbGuiDD

2018-03-11 16:20:37
拡大
伊藤霊一/Ryou @Ryou_I_01

キタコレ。 基本形はこんなモンか? どうよどうよ? pic.twitter.com/RvevZgycjh

2018-03-11 20:03:20
拡大
拡大
拡大
拡大
伊藤霊一/Ryou @Ryou_I_01

#贋作モデリング この頃(1980年頃)のプラモは部品の合わせが悪く、このくらいの段差が出来ることはしょっちゅうです。なのでその都度、ヤスリで削ってならすか、パテなどで埋めるかの対策が必要となります。 今回は0.3㎜プラ板で埋めてみました。直線的かつ平面的な段差には有効な方法ですね。 pic.twitter.com/ZivtRbk8Zq

2018-03-13 15:07:33
拡大
拡大
拡大
伊藤霊一/Ryou @Ryou_I_01

作例の足首は恐らくストリームベース製の、1/144ザク改造パーツを使用しています。足首の外側を2㎜ほど広げて、設定画のベタッとした感じを出しているようですね。 いきなりパテを盛ってもいいんですが、ガイドとして1㎜プラ板を貼りました。隙間にエポパテを詰めれば、容易に左右対称が出せます。 pic.twitter.com/QYaNSWoOis

2018-03-13 16:53:56
拡大
拡大
伊藤霊一/Ryou @Ryou_I_01

#贋作モデリング 足首にエポパテを盛って削り出し。甲の部分は、個人的にはキットのままの緩いエッジの方が好みなんだけど、今回は完コピがテーマなので、パテ盛りしてエッジを立てました。 大分似た感じになったかなぁ? pic.twitter.com/BnuznhorBs

2018-03-14 13:22:02
拡大
拡大
伊藤霊一/Ryou @Ryou_I_01

作例のボディは解説に書かれている以外に、恒例の肩ハの字切りもやっているので切ります。 しかし今考えても、コレってエポックな発明なのよね。肩を斜めに切る事でボリューム過多な上半身を引き締め、同時に怒り肩になるので設定画の雰囲気も出るという一挙両得! スゴイです (^_^;) pic.twitter.com/FRdHPxK0uS

2018-03-14 17:06:48
拡大
伊藤霊一/Ryou @Ryou_I_01

スパイクアーマーはボンボン解説では単に『かくばらせて』と書かれているだけですが、実際にはパテ盛りしないと狙った形にはなりませんw。 作例ではストリームベース謹製部品を芯に使っているようなので、そのラインに似せるため、単に角ばらせるだけでなく、上面も盛り上げるようにしています。 pic.twitter.com/ZQ5zpCT8aY

2018-03-14 19:51:12
拡大
拡大
伊藤霊一/Ryou @Ryou_I_01

動力パイプの接続部とフンドシにもパテ盛り整形。フンドシは単に前に張り出させるだけでなく、少し上の方にも伸ばした方がいいようです。 なんかこーゆーパテ盛りだらけの作品って、作っていても懐かしい感じがしていいねw。最近はあんまりやらないからなぁ (^。^) pic.twitter.com/PRzGfiwF75

2018-03-14 21:52:58
拡大
拡大
伊藤霊一/Ryou @Ryou_I_01

#贋作モデリング ふくらはぎ内側の追加ダクト部分にもパテ盛り。1/144キットではポコッと飛び出した形になっているけど、作例を作った小田さんはふくらはぎの曲線と一体になっていると解釈したらしく、背面には段差が見当たらない(影が潰れてる可能性もあるけど)。なのでそのように作ります。 pic.twitter.com/S0YlNqYK1V

2018-03-15 09:54:53
拡大
拡大
伊藤霊一/Ryou @Ryou_I_01

ハの字切りした肩を塞ぎます。腕を取り付ける穴を開ける事になると思うので、あらかじめプラ板を2重貼りして厚みを持たせておきます。 こーゆー場合、プラ板の1部が欠けていてもパテで埋めればいいので、そんなにピッタリ切り出さなくても大丈夫よ (^。^) pic.twitter.com/dlhJOMV2Gg

2018-03-15 16:14:49
拡大
拡大
伊藤霊一/Ryou @Ryou_I_01

こーゆー捉えどころのない形を左右対称に作る場合、最初はエッジを立てた状態で造形すると、対称が出しやすいです。 対称が出たら、エッジを落として目的の形に整形するワケですね。 pic.twitter.com/CMTzlRyfZN

2018-03-15 18:58:34
拡大