ジェレミー・ブラック教授講演要旨
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JB24。兵器が将来の戦争にどう影響するか。 現在投資が行われている兵器は20世紀の最初の50年で出来た技術を新しくしているだけ。空母、戦車、核、ジェット機といったものがそう。このタイプの技術は40年代から存在し、将来の兵器を作るのではなく、過去の兵器を新しくしているに過ぎない
2011-12-02 23:20:57JB25。この10年の無責任な財政政策でリソースに限りが出ている。新しい軍事技術への投資ができていない。対称性のある戦争では、大規模な巡航ミサイルを大量に使用することや、より高速な無人機といったものが登場してくる可能性がある。
2011-12-02 23:22:43JB26。将来の戦争の様相は、どういった任務を軍・兵士が担うかで変わる。90年代にアメリカはRMAを推進し、その中でNCW構想を抱いていたが、イラク戦争でそれらは重要な成功を収めたと考える。湾岸戦争とイラク戦争では軍の規模は後者が遥かに小さいが成功した。
2011-12-02 23:24:03JB27。アメリカ政府はイラク侵攻後に、政策をがらりと変えている。アメリカはドクトリンや訓練を変えてきている。それは反乱鎮圧に特化している。その意味では、アメリカの兵士たちがアフガンに派遣される際は、今までよりも軽装な歩兵という形で送られている。
2011-12-02 23:25:21JB28。最近のアメリカのレビューでは中国や空軍、サイバー戦争に多くを割いている。他国との戦争を主眼において書かれているが、中国が第一の候補として存在している。
2011-12-02 23:27:06JB29。米海軍では対中国戦略を良く話ししている。しかし、米陸軍ではカストロ後のキューバやメキシコでのLIC等が話されている。同じアメリカでも、アメリカの将来の戦争への見解は全く異なる。
2011-12-02 23:28:37JB30。最後の結論で所見を述べる。1つ、将来の戦争は今の時点では未知である。不確実性を踏まえた上で考えると、軍務は国内の秩序の維持。国外の対立を武力で解決するの2つがあるだろう
2011-12-02 23:30:26JB31。外国人の私(JB)が言うことではないが、これから2,3世代後の戦略的文化の変化に伴い、日本も十分な武装をするといった結論も導くかも知れない。その場合、軍事と福祉のバランスを取ることが重要となるだろう(このへん、疲れてかなり曖昧)。以上
2011-12-02 23:32:33JB32.質疑応答での回答内容がこれまでの補足的内容になっている。 民主主義の進展により、必然的に国の政策決定において、人々の生活に重きをむく方向や、快楽主義が生まれる。戦争で犠牲を強いることが難しくなってくる。
2011-12-02 23:34:34JB33。しかし、世界では全く状況の異なる国もある。イランでは対イラク戦争で、数十万人という犠牲者が出ながら戦争継続した。これは日米では考えられない。ここで、先程のアウトカム。アウトプットの対比がでてくる。2つの国の性質が重要になってくる。
2011-12-02 23:35:5012/3。石津朋之防衛研究所主任研究官(アマゾン著書リンク)によるコメント、質疑応答を中心に追加。
JB34。質疑応答。 石津朋之防研主任研究官による質問。 将来の戦争の主体は誰なのか。我々が今後目にするのは、あたかも中世のヨーロッパのような世界になるのでは。 中国の軍事家が言うに、MOOTWの概念すら古くなっていると。軍事以外の戦争活動、といったものが出ているのではないか?
2011-12-03 22:32:43JB35。石津主任その2。経済の戦い、金融の戦い、ハッカー、生態の戦い。という軍を用いない形態の戦争が生まれつつあるのではないか。 平時と戦時、前線と銃後、という区分けがますます意味がなくなっている。グローバル化、ボーダレス化が新たな戦争を生み出しているのではないかと考えている。
2011-12-03 22:34:25JB36。石津主任3。アクターがどう戦うのか、全く想像つかない。現実的な兵器かもしれないが、一方でスタックスネットなどのサイバー兵器で大量破壊ができる時代になってきた
2011-12-03 22:35:23JB37。石津4。JBの話の中でもあったが、今の時代は軍事力が警察力に近くなっている。しかし歴史的に考えると、抑止と対処に軍事力が限定されていたのは20世紀のわずかな時期のみで、今後の軍事力が警察力に似通ってきたとしても驚かないし、そうなると思う。
2011-12-03 22:36:46JB38。石津5。RMA概念について、実は1940年くらいからRMAと呼ばれる範疇の現象に入っているのではないかと考えている。 コンピュータや軍事・民間技術の領域の曖昧化などがあるが、情報革命という大きなRMAが40年から続いているのはでないかと考えている。
2011-12-03 22:38:20JB39。石津6。JB先生はマイケルロバーツとの議論の中で、「1世紀も続くような革命は革命といえない」という言葉があったのでそのような疑問を持った。今まで、核兵器は革命的と思っていたが、そうではないのかと思うようになっているがどうか。
2011-12-03 22:39:32JB40。質問への回答。40年代からのコンピュータの開発は戦争の上位レベルに大きな影響を及ぼしてきたのは事実。戦争技術的変化について、兵器自体の変化にも目を向けなければいけないが、非軍事的民生技術の軍事転用を考えなければならないだろう
2011-12-03 22:41:42JB41。技術転用としては、蒸気機関車のエンジンがその例。どうやってみんの技術を軍事転用するかが軍事力に関わってくる。そして、革命とは長期的ではなく、短期的なものこそ私は革命と考えている。
2011-12-03 22:42:44JB42。コンピュータの発明が軍事に大きな影響あったのは分かるが、それはトランスフォーメーションと考えるべきではないか。1800年代、正規軍が持っているのは非正規軍とたいして違いはなかった(陸は特に)。だから、反乱軍が大きな占領地を得ることが出来た
2011-12-03 22:44:24JB43。しかし、近年の正規軍の兵器システムを見ると、非正規軍と大きな違いがある。正規軍に対処するには、その兵器システムに対抗する手段・手法に依存することになる。具体的には高度な戦車・戦闘機にロケット弾や対空砲(チープな)で対応するようなことだ
2011-12-03 22:45:30JB44。石津質問その2。JB先生は、「軍事への人々の姿勢」、という概念について言っているが、これについて詳しくお願いしたい。
2011-12-03 22:50:29JB45。日英にとって重要な概念と考えている。私の主張には以下の背景がある。西側諸国では、RMAに代表されるような技術的な進化よりも、社会的な脈絡により軍が影響受けていると考えているからだ
2011-12-03 22:51:30