老害世代による『ジョン・ウィック』大批判
- woody_honpo
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私は、ラーメンといえば昔ながらの鶏がらスープでさっぱり醤油味の東京風ラーメンが好きで、最近のラーメンはコッテリし過ぎで「まぁたまには良いけど、これホントに美味しいの?」という感じなのだが、若い人は昔のラーメンでは満足しないのだろう。 こうしたズレを映画でも感じる。 これが老いかな。
2023-09-24 09:09:09オタク層に人気のある作品の悪口を言うのは、マイナスしかないのだけれど、老害には老害的発言にしか存在意義がない…と思っているので、『ジョン・ウィック』への違和感でも呟いてみるかな… つまらない映画とは思わないが「何か感覚の違いを覚える」とも思うんですよね。 特にではなく、一例ですが。
2023-09-24 12:34:58『ジョン・ウィック』は生のドラマの匂いがしない。何というか語り口が非常に段取り的なのだ。 妻が死んで悲しいですね ↓ 犬で癒されます ↓ あ、犬殺されました。許せん ↓ 復讐の始まりです …と、ドラマというより場面のクリアの連続を見せられているようで、その意味でゲーム的な作品だと思う。 pic.twitter.com/7wRsTqjFl5
2023-09-24 17:27:52ジョン・ウィックは古巣のボスの話し合いも拒否して復讐を始める。 殺しのプロならバカ息子だけ狙えば良いのに、その努力もせず、ロシアンマフィアの下っ端たちを巻き添えに、平然と血祭りに上げて行く。 何人殺したんだ!昔の同僚じゃないのか? この主人公に感情移入できるだろうか? 私はできない。
2023-09-24 17:28:40本当に酷いと思う。 ロシアンマフィアの下っ端は、悪い奴かもしれないが、ジョン・ウィックには何もしていないじゃない? それを次から次へと冷酷に殺してさ。 この話「殺されそうになったジョン・ウィックの反撃」ではなく、「ジョン・ウィックに全滅させられそうなロシアンマフィアの自衛」なのだ。 twitter.com/woody_honpo/st…
2023-09-24 18:35:45組織を抜けた殺し屋が再び組織と対決するドラマは多いが、通常、組織に自分や大切な人が狙われ、追いつめられて、やむなく反撃するのだ。 ジョン・ウィックは違う。 車を盗られ、犬を殺されただけだ。 妻の形見といっても大した期間飼ってないじゃないか。かわいそうだが話し合いの余地はあるのでは?
2023-09-24 17:29:41だいたい、このジョン・ウィックという男、全く孤独ではないのだ。 周りの人間に慕われ、一目置かれている。妻の死の悲しみで一時的に鬱なだけで、社会の中にちゃんと居場所がある。 こういうリア充的な人間が、破滅的な復讐をするものだろうか。 孤独ではない復讐者には、どうも感情移入できない。
2023-09-24 17:30:57その中では仕事は厳禁。だから殺し屋が安心して拠点にできる「殺し屋ホテル」という設定も実にゲーム的だ。 どうやって採算を取ってるの?その街には、そんなに沢山の殺し屋がいて、いつも仕事してるの?殺し屋の身元証明ってどうやるの?と突っ込みたくなる。 リアリティは気にしていないのだろうが。
2023-09-24 17:31:37この映画の肝は復讐の動機が「犬を殺された恨み」なことにあるのだろう(脚本家がそう言っていた)が、確かに現代を象徴している。 犬や猫の画像には多数の「癒されるぅ」というコメントが付き、その同じ口で、意見の違う者を罵倒し嘲笑し叩き潰す人間がSNSに溢れている。 私達はジョン・ウィックだ。
2023-09-24 17:32:43現代の大衆は犬や猫は愛せるが人間は愛せない。 捨て犬には手を差し伸べるが、弱者が倒れ苦しんでいても平然とその横を通り過ぎる。 私にも、その傾向が多分にある。 犬猫ブームは現代人の酷薄さの裏返しではないか。犬猫への愛は、結局はエゴイズムだからだ。 だから私はジョン・ウィックを拒絶する。
2023-09-24 17:33:31「ただの犬」ではなければ殺しが許されるのだろうか? 「ただの犬ではない」という勝手な思い入れ(エゴイズム)で、直接関係ない他人(マフィアの下っ端)を大量に殺す正当性など全くないし同情する事もできない。 逆ギレ的八つ当たりに過ぎない。 マフィアの下っ端にも家族はいるし人生はあるんだ。
2023-09-27 11:13:57「君の妻は病気で死んだんだ。冷静になれよ。その怒りと悲しみは自分の内面の問題として解決するんだ」という他ない。 ジョン・ウィックの妻は病気で死んだ。マフィアに殺されたのではない。 だから『ジョン・ウィック』は実は復讐譚ですらない。復讐譚の皮を被った「何か」なのだ。
2023-09-27 11:14:32多くの娯楽作品が「勧善懲悪」なのは、勧善懲悪の枠組みがあるからこそ「悪を倒す」行為にカタルシスを得ることができるからだ。 「悪が悪を殺す」ことも現実には多いだろうが、それがエンタテインメントとして提示され「爽快感」を得るのは、たとえ古いと言われても、やはり健全ではないと思う。
2023-09-27 11:15:18『ジョン・ウィック』って2作目、3作目と続くに従って、コンチネンタルの掟だの誓約だの主席連合だの、どんどんマンガっぽく、ゲームっぽくなって行くんだな。 シリアスな復讐譚だと思ってマジレスするのも、バカらしかったか。 いずれにしても、ドラマがなくアクションばかり続くので私の好みでない。
2023-09-26 15:40:32『ジョン・ウィック2』が特に酷いのだけれど、最初断っていたくせに「誓約を果たせ」と言われて、何の恨みもない「友人」の女性を殺してしまうのだ。保身のために。 どうせ悪の組織とは殺し合いになるのだから「そんなことはできない」と断って、最初から組織と戦うのが、本来のヒーローじゃないのか?
2023-09-27 08:53:31コンチネンタルの掟だの誓約だの主席連合だの、結局は悪い奴らの「勝手ルール」に過ぎない。 しかし、ジョン・ウィックにはそうした勝手ルールに(モラルに基づいて)反抗する独立心が全くない。 目の前の規則には妙に厳しいが、それを押し付ける権力の不正や悪とは戦わない、現代の大衆そのものだ。
2023-09-27 08:59:52与えられた、限られた世界のルールを否定せず、所与のものとして受け入れてしまう考え方がゲーム的だと思う。 全ての「ゲーム」はそういうものだからだ。 ジョン・ウィックも最終的には戦うみたいだが、あくまで保身の結果で、モラルや矜持から来る反抗ではないのが、現代を表しているとは言える。
2023-09-27 09:05:01「ゲーム」って、本質的に「ドラマ」にはならないと思うんだよね。 「ゲーム」では「世界やルールは与えられるもの」で、それに疑問を持ったり、打ち壊すことは許されないからだ。 今の、ゲームを原作にしたりゲームの影響を受けたフィクションに、私のような古い世代が感じる閉塞感は、そこにある。 twitter.com/woody_honpo/st…
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