【レイマリ】人気投票１位になった魔理沙

ハチ🐾 @hachisu716

魔理沙「すっげえ久しぶりにお前に勝ったな」 ってにかっと笑う魔理沙。 霊夢「そうねえ。まあ、なんでもいいんだけど。今年は魔理沙が信仰を集めたのねえ」 おせんべ食べながら笑って流す霊夢。 魔理「いやー魔理沙教でも開こうかなあ。みんな啓蒙してやろ」 ごきげんな魔理沙。

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霊「はいはい、お賽銭」 せんべいを一枚とって魔理沙に渡してやる霊夢。 魔理「くるしゅうないぞお」 笑って受け取ってばりばりせんべいを食べる魔理沙。 霊「神様っていうか殿様……？」

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魔理「てか、今回は僅差で負けて悔しいだろ、お前。仲良くワンツーフィニッシュだけどさ」 ははは、とちゃぶ台真ん中のせんべい取りながら得意そうに笑う魔理沙。 霊「うーん。別にー？」 魔理「強がり強がり」 かかっ、と笑う。

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霊「別に悔しかないわよ」 せんべいを取りながら霊夢が笑う。 髪をそっと耳にかけながら。 霊「だってわたしは魔理沙に票入れてるしね」 ぱり。 と霊夢がせんべいを食べる音だけが響く。 魔理沙がきょとんと目をまんまるにしたまま、せんべいを持って固まっている。

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魔理沙がしゃべんなくなったので、霊夢が不思議そうにせんべいを食べながら魔理沙を見つめて、首を傾げる。 霊「？」 魔理「……。えっ」 黙っていると人形のようにかわいい造りの小さな顔の、長い睫毛をぱちぱちと何度もまたたかせながら、魔理沙が口許をきゅっと結ぶ。

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無言のまままばたきを繰り返して、霊夢を指差し、次いで自分を指差した。 何をしているんだと霊夢がちょっと不思議そうにうなずく。 魔理「フォー、わたし。フロム、おまえが？」 霊「？　うん」 魔理「……えっ。なんで？」 霊「当事者が投票しちゃいけないって言われてないから」

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魔理「いやそうじゃなく。ルールとかじゃなくてさあ……なんでお前がわたしに投票すんの？」 なんだか調子が狂った魔理沙が、後ろ頭をぼりぼりとかく。 なにをそんなにうろたえてるのか分からなくて、ただただ不思議そうにせんべいを食べてる霊夢 霊「？　だってわたし毎年 魔理沙に入れてるわよ」

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言ってなかったっけ？と首を傾げる。 せんべいを食べ終わって、湯呑を両手で持ち、ずずっとお茶を飲む。 ふう、と湯呑みを置いて、膝で立ち、急須を持って魔理沙の湯呑みのお茶を足してやりながら、のんびり笑う霊夢 霊「だから、今年は念願叶って良かったわねえ。ついでにわたしもいいことあるかも」

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霊「ご利益ご利益。これから魔理沙教のおかげでお賽銭いっぱい入るといいなあ」 とのんきに笑っている。 その間、魔理沙は固まっている。手許の堅めなせんべいよりも。 魔理「……いや、……えっと」 霊「おめでと」 魔理「……まあその」 すとん、とせんべいの手を下ろす魔理沙。

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なぜか卓上にせんべいを置いて、両手で包むように湯呑みを持ち、霊夢が注ぎ足してくれたお茶をずず……とすする魔理沙。 魔理「あっ……ありがと」 ちょっと頬を赤くしている魔理沙。 霊「？　……照れてる？」 魔理「照れてないよ」 霊「照れてるんだ」 笑って肩肘ついて覗き込む霊夢。

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魔理「照れてなーいよ……」 霊「照ーれてーるよ」 謎の節をつけて照れ隠しする魔理沙に、同じ節をつけて笑って返す霊夢。 霊「そっか言ってなかったかあ。ま、わざわざ言いはしないかもね」 動揺した魔理沙が食べずになぜかちゃぶ台に置いたせんべいを、霊夢が笑ってつまんで食べる。

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毎年ずっと自分に投票してるのはなんで、とか。 そういうことを、なんでさらっと言って笑ってられるんだ、とか。 魔理沙はちぢこまるように膝をくっつけて正座しながら、お茶をすする。 そういうことを、訊きそびれている。 けれど、魔理沙はそのときそれよりも、同じことを胸の中で繰り返していた。

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毎年。 毎年霊夢が、自分に票を入れている。 ……自分に。 じゃあもう。 と、魔理沙は思う。 別に今日一位になったこと、特別喜ばなくてもよかったじゃんか。 それ、最初から知ってたら。 なんだかじわじわと際限なく胸から湧き上がってくるなにかに満たされて、魔理沙は無言でお茶を飲み続けた。

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なんだかそわそわしてお茶を飲み続ける魔理沙を見ながら、霊夢も愉しそうに歯を見せる。 霊「今日はお祝いに夕飯に一品足しましょうかしらねえ」 魔理「……一品かよ」 霊「一献かな？　魔理沙教のお祀りする神様に、お神酒の奉納ね」 くいと猪口を傾ける仕種をする。

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魔理「……魔理沙教の神はめっちゃ酒にうるさいし、ご飯もいっぱい食べるから」 霊「はいはい。えーでもたくさん作るなら手伝ってよ、神様も」 魔理「自分で自分の御神饌の煮炊きする神様なんていないだろ」 霊「かみさまりさはする」 魔理「なんだよかみさまりさって」 霊「神様の魔理沙」

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けらけら笑って、席を立つ霊夢。 霊「ほらほらご馳走作りに行くわよ神様。立って立って」 霊夢が手を差し出す。 魔理沙がちょっと眉を下げて困った表情をする。 そして眉をひそめ歯を食いしばりながら、手を取って立つ。 霊「ふはっ……それどんな表情？」 魔理「くるしゅうない表情」 霊「殿様だ」

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無邪気にけらけら笑って魔理沙をひっぱっていく霊夢でした。 というのがよぎったし人気投票で「わたし毎年魔理沙に入れてるわよ」ってしれっと言う霊夢いたら可愛くない？　って話です。

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霊夢は 『無人島になにかひとつだけ持っていけるなら何を持っていく？』 って言われても 霊夢「じゃあ魔理沙かな。話し相手ほしいし」 って言うし、 『何かいいことあったときに、まず誰に報告しますか？』 って聞かれたら、 霊夢「うーん。魔理沙？」 って普通に言うかなって。