性同一性障害特例法に絡む最高裁違憲判決に関する滝本太郎弁護士のコメント

性同一性障害特例法に絡む最高裁違憲判決に関する滝本太郎弁護士のコメント
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滝本太郎 @takitaro2

① 本日、最高裁は3条4号の「生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態にあること。」につき違憲とし、5号の「その身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えていること。」については高裁段階で検討されていないとして、

2023-10-25 20:17:54
滝本太郎 @takitaro2

② 自ら判断はせずに審理を高裁に差し戻した。憲法判断としては、15人全員の一致で4号生殖機能喪失の要件は違憲としたことになる。三浦、草野、宇賀の3人の裁判官は5号の外観要件も違憲だから、差し戻しせずに変更を認めよとして反対意見を示した。  このことにつき、急ぎコメントする。

2023-10-25 20:18:25
滝本太郎 @takitaro2

③ 最高裁のとんでもない暴走である。「性自認至上主義」に侵された最高裁になってしまっていた。相手方がない裁判、申立人側以外の主張や立証を聞かない裁判で、全会派一致で成立した法律の条文を違憲としてしまった。

2023-10-25 20:18:53
滝本太郎 @takitaro2

④ 決定文の中には、この数年間ますます明らかになってきた先行した国々で女性の安心安全が害されている実態と混乱、イギリスが正常化に舵を切り苦労していること、国際水泳連盟や世界陸連では男性としての思春期を幾分でも経験した者は女子スポーツ選手権への参加資格がないとしたこと等の言及

2023-10-25 20:19:31
滝本太郎 @takitaro2

⑤ さえない。読み取れるのは、もはや問題を露呈し続けている考えである「性自認は他者の権利法益より優先すべきである」とする考えに基づく論理展開である。  「性自認と書類上の法的性別の食い違いには耐えられないが、トイレや風呂でいつも見る自分の体と性自認の食い違いには耐えられる」という

2023-10-25 20:19:58
滝本太郎 @takitaro2

⑥ 事態は、どういうことか。性自認至上主義は、人類が成立以前からある男女の性別と、時代と地域で異なる「らしさ・社会的役割である「ジェンダー」とを混同してしまい、男性・女性の定義を変更することを求める間違いに陥っている。

2023-10-25 20:20:14
滝本太郎 @takitaro2

⑦ また、この6月成立の理解増進法は、「性の多様性」を承認し尊重しようとしているのであって「性別の多様性」を認めているものではない。  特例法は、身体違和がきつく固着している人につき性別適合手術までもしてのならば、法的性別を変えられるという個別救済のための法律として全会派一致で

2023-10-25 20:20:54
滝本太郎 @takitaro2

⑧ 成立したものであった。  今回の最高裁決定は、内容においても、また申立人側の主張立証のみで法律の重要な要素を違憲とした信じがたいものであり、最高裁の暴走であると言う外ない。

2023-10-25 20:21:11
滝本太郎 @takitaro2

とは書いたが、  3人の―合憲だとするのではなく―反対意見である5号外観要件も違憲なのだから「差し戻し」ではなく最高裁で破棄自判により性別変更を認めよ、というのが多数意見にならなかったのは、様々な運動の成果なのは確実、と思えます。  いわば先送り、内閣と国会に任せたのだと。 twitter.com/takitaro2/stat…

2023-10-25 20:27:52