茂木健一郎氏 @kenichiromogi 【諸悪の根源は大学入試・大学教育】まとめ
- riverland_c
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「連続ツイート」をお届けします。文章は、その場で組み立てながら即興的に書いています! 本日は、このところ考えている日本の教育の問題について。
2011-12-11 08:18:55にび(1)昨日も@Poyo_Fなどと話していて思ったのだが、日本の教育の諸悪の根源は大学入試、及び大学教育であろう。入試問題が現代の文明の要請から見て人工的であり、陳腐すぎる。このような現状になっている根幹は、入試が、実質的に「クラブ入会試験」になっている点にある。
2011-12-11 08:20:31にび(2)インターネットやグローバリズムといった偶有性の文明の波が押し寄せる中で、ひとりの自立した人間として役に立つ知識、経験、スキルを身につけるというのが、教育の本来の目的のはず。ところが、日本の大学入試は、メンバー数の限られた「一流大学」というクラブへの入会試験となっている。
2011-12-11 08:22:03にび(3)入会試験の競争は、人工的に難しくなっていく。そこで得られる知識や経験は、グローバル化した偶有性の文明の中で生きていく上で役に立たない。自然科学や技術に通じる「理系」の科目はまだしも、細かい人名や年号の知識を前提にする「歴史」の入試科目は、時代錯誤もはななだしい。
2011-12-11 08:23:47にび(4)大学入試が「クラブへの入会試験」である結果、どのようなことが起こるかというと、クラブに入るともう勉強しない。必死さがなくなる。18歳の時点の入試など、知の無限の宇宙から見ればひよっこなのに、それで自分が賢いと勘違いしてしまう。
2011-12-11 08:24:59にび(5)日本の企業の愚行が、「クラブ入会試験」の競争に拍車をかける。事情通に聞いたところでは、日本の企業は18歳の時の入試の学力にしか基本的に興味がないのだという。だから、それなら大学一年から採用しちまえという企業も当然出てくる。
2011-12-11 08:26:11にび(6)クラブへの入会資格を争うのは、後進地域の基本的な属性であろう。結局、明治維新からこの方、日本の文化の「中枢」は、世界の田舎から脱することができなかった。自分たちが中心だと思えば、真の実力でフェアに競うという文化ができるが、周縁だと思うと、クラブ入会ではいおしまいになる。
2011-12-11 08:27:56にび(7)街を歩いていてトキワ荘に偶然でくわしたときは本当に感動したな。日本のシリコンバレーはトキワ荘にあった。社会のエスタブリッシュメントからはばかにされ、でも漫画家たちが夢を競い合った聖地。結局、世界的に通じる文化が生まれたのは、東大ではなくトキワ荘だった。
2011-12-11 08:29:25シリコンバレー (Silicon Valley)
アメリカ合衆国カリフォルニア州北部のサンフランシスコ・ベイエリアの南部に位置しているサンタクララバレーおよびその周辺地域の俗称。名称の起源はこの地域の多数の集積回路革新者及び工場と関連しているが、やがてはこの地域内の先端技術ビジネスを当てはめるようになった。「ウィキペディア」より
トキワ荘
当時の売れっ子漫画家・手塚治虫が住んでいたことから、漫画家を志す若者たちが全国から集まり、寝食を共にした場所。「はてなキーワード」より
エスタブリッシュメント (establishment)
社会的な権威を持っている階層。「はてなキーワード」より
にび(8)エリートの堕落。日本の問題点はおそらくこれに尽きる。クラブへの入会試験(世界的にみれば大したクラブでもないのに)を通ると、あとは官僚でも大企業でも通じると思っている。甘い。ぬるま湯のクラブ化した日本の大学の解体的出直しをしないと、日本の再生はない。
2011-12-11 08:30:39にび(9)残念なのは、ガラパゴス化した日本の大学をとりあえず目指す以外に、小中校生の選択肢があまりないこと。本当は、大人たちが日本の教育のビッグ・バンをしてあげなければいけない。しょぼいクラブの入会試験で青春の輝きをくもらせてしまうのは、あまりにももったいない。
2011-12-11 08:31:53ビッグバン (Big Bang)
1986年10月27日にイギリスの証券取引所が実施した大改革のことである。宇宙創造時にあったといわれる大爆発(ビッグバン)になぞらえて名づけられた。ウィキペディア」より