- hachisu716
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魔理沙「……必要なものあったら持ってきてやるけど」 霊夢「……魔理沙の謝罪」 魔理「くそバカかな博麗さんは」 霊「あとはいらない」 魔理「へえー。おかゆ煮えてるんですけど?」 霊「とっとと持ってきて食べさせなさい」 魔理「まじで図々しいなくそ巫女」
2023-11-18 13:25:03魔理「ほらよ。感謝して食べろ」 霊「(両手をあわせる)いただきます」 魔理「礼儀正しい……」 霊「穀物の神に感謝した」 魔理「わたしは」 霊「謝って」 魔理「バカめ」 霊「……おかゆ熱い」 魔理「お前も熱いんだから関係ないだろ」 霊「そっか」 魔理「そっかじゃねえよ」
2023-11-18 13:27:25霊「…………ふー…………」 魔理「……」 霊「…………ふー…………」 魔理「遅……れんげもつのすらだるいなら言えよ。やってやるから」 霊「……魔理沙の謝罪以外なにもいらない」 魔理「バカめが」
2023-11-18 13:29:11霊「……莫迦って言った方が2の千乗莫迦なのよ」 魔理「めちゃくちゃ乗算するな。半端に具体的でムカつきます。とっとと口開けろよ」 霊「……あ、」 魔理「……はい。いい子ですね」 霊「……そうやって赤ん坊扱いするのがありが腹立たしいとう」 魔理「感謝を混ぜるな」
2023-11-18 13:33:33霊「むぐ……むぐ……むぐ……ぇほ」 水の入った湯呑みを渡す魔理沙 魔理「お水のめ」 霊「ふっ……お水だって……ぇほ」 魔理「虫の息であおるんじゃねえよ。ほら飲んで」 背中を支えてやり、口元に湯呑みをあてゆっくり傾ける。 霊「……(こく)」 魔理「……そんなんじゃ食べない方がいいか」
2023-11-18 13:37:15霊「……はあ?」 魔理「何にキレてんだ?」 霊「おかゆは食べます」 魔理「なんでだ。むせるくせに」 霊「むせてません。咽喉が痛いの」 魔理「咽喉が痛いからむせるんだろ」 霊「……。痴れものめ」 魔理「しれものめ……」 霊「お腹すいてるんだから食べたいの」
2023-11-18 13:37:56魔理「はあん。それはあれだろ。せっかく魔理沙が作ってくれたものだから、わたしが大事に食べなくちゃいやん、っていうあれだろ」 霊「いやうちのお米が勿体ないから食べるの」 魔理「ああ?」 霊「何に怒ってるの」 魔理「怒ってないけどムカつく」 霊「……それ怒ってるんじゃない……ぇほ」
2023-11-18 13:40:08魔理「つーかさっきお腹すいてるから食べたいつったばっかじゃんかよ。腹へってんのか、勿体ないからなのか、どっちだよ」 霊「……どっちも」 魔理「……んんん……まあ、食えるとこまで食えば」 霊「……うん」 顔をそらす魔理沙。 魔理「……無理してまで食うなよ。とっといてやるから」
2023-11-18 13:41:43やっぱり半分も食べられなかった霊夢。 霊「……ちゃんと全部食べるから、とっといてよ」 魔理「うん」 霊「美味しくないから食べないってわけじゃないから」 魔理「んなん分かってるわ。味にフォローいれんな」 霊「ただ鼻詰まってて味がわかんないだけ」 魔理「予想外にフォローになってなかった」
2023-11-18 13:43:50また水を飲ませてやる魔理沙。 魔理「……水分はちゃんと摂れよ」 霊「……ぇほ」 魔理「ところでわたしにごめんなさいは?」 霊「……はあ?」 魔理「くそ巫女」 霊「ばかまり」 魔理「……。……。……さは! さ抜き言葉やめろ」
2023-11-18 13:44:49霊「……きりめまり」 魔理「さぬき言葉やめろ」 霊「……はん」 魔理「あ?」 霊「……もく、はん。……ぼう。……たきこみ、はん」 魔理「……ああ?」 霊「……まどうふ。か、め……か、め。か……のなかのとーりは……ぇほ」 背中支えつつ無言で考える魔理沙 魔理「……分かった。ごを抜いてる」
2023-11-18 13:46:37魔理「急になんだよ、咽喉痛いのに歌うな。ごぬき……あ? ごぼう抜き? よく分からんけどやかましいわ」 そこで魔理沙をちらっと見る霊夢 霊「……里の蕎麦屋が引っ越して……そのままそこが、団子屋に……なった。台所とか、蕎麦屋の設備のまま……団子ゆでてる」 魔理「え……なんか始まった」
2023-11-18 13:48:45無言で考える魔理沙。 しばらく顎を親指と人差し指の間に入れながら考えて、ふと顔をあげる。 魔理「そりゃ『居抜き』だ?」 霊「……うん」
2023-11-18 13:50:16魔理「やばい。とち狂ってるのか。水のめ」 霊「……うん……」 こくこくと、魔理沙に支えられて水を飲む霊夢。 魔理「……もう寝ろよ。後やっとくから」 片付け始めた魔理沙を、起き上がって背中を丸めたまま、横目で見ながら。 ふと、霊夢が呟く。 霊「……め、ん……。な」 魔理「あ?」
2023-11-18 13:52:43そのまま黙ってしまう霊夢。 片眉をあげて不審がる魔理沙。 魔理「なんか抜くクイズはもういいって。寝ろ」 霊夢は俯いたまま、布団の柄模様あたりを見つめて、むくんだ眼でぱちぱちと瞬きする。 魔理「……お粥は蓋してここに置いとくから」
2023-11-18 13:55:09霊夢が謎の言葉を発したままなにも言わなくなったので、無言で頭をかく魔理沙。 魔理「……水、もうちょっと飲みやすいようにして持ってくるか」 湯呑みではある程度起き上がらなくてはならないし転がしてしまいやすい。 もうちょっと簡単に飲めるものがないかと、魔理沙が立ち上がる。 と。
2023-11-18 13:58:07なにか抵抗を感じて、膝をついて腰を浮かせた体勢のまま、止まった。 振り返れば、霊夢が魔理沙の服の裾を、指でつまんでちょいと引っ張って、こっちを向いている。 魔理「……なんだよ」 霊夢は少し俯いて、目線は外したまま、 霊「……め、……ん、……な」
2023-11-18 14:01:10また例の言葉を繰り返す。 意図は分からないが、まあ何だかかまってほしい気持ちに、悪意は感じない。 魔理沙はちょっと警戒心を解いて、今度はなるべく優しく言った。 魔理「……大人しく寝てな、だじゃれ巫女」 ぽんと霊夢の頭を叩く。 霊夢は無言で裾を離した。
2023-11-18 14:03:33ひとり取り残された霊夢は、布団を見つめたまま、またぽつりと呟く。 霊「…………めんな」 魔理「……ん?」 台所で洗い物をしながら、ふとなにかに気づいた魔理沙が顔を上げる。 ご抜き。 さ抜き。 い抜き。 “「……め、……ん、……な」”
2023-11-18 14:07:00ばんっと戸を開けて走ってきた魔理沙が、難しい顔でどかりと座る。 そうして、水の入った竹の水筒を霊夢の枕元にやや乱暴に置き、 魔理「……ごさいを抜くなっ」 と怒鳴って、霊夢の頭にぺんと濡れタオルを置いた。 知らん顔して霊夢は寝ていた。 おわり
2023-11-18 14:10:12魔理沙と喧嘩すると一気に免疫がさがって、普段なら2、3年に一回ひくかどうかの風邪を半日で引きがちな女、博麗霊夢かわいくない? へこむとメンタルにくるより先にフィジカルにくる女……
2023-11-18 19:21:05メンタルにも来てるんだけど、傷ついても基本的に立ち上がるので病んだとこ見せないんだけど、 フィジカルは素直すぎてがくんとへこむとがくんと体調も崩す、だとかわいい。 だから霊夢が体調崩すと魔理沙とちょっと大きめのケンカしたんだな……となる咲夜アリス早苗あたり。
2023-11-18 19:27:43