『ゲゲゲの謎』時代考証考察まとめ

インクエッジ @02Curry

因習村イメージの定番・横溝正史でも「八つ墓村」なんて何も因習がない(昔々ヒドい故事があっただけ)し、劇中じかに「八つ墓村かよ！」と喩えられる「ミステリと言う勿れ」の映画になったパートの因習(村ではなく家)は明治ポッと出の極めて利己的なもの。

インクエッジ @02Curry

そういうとき「因習」と呼ばれるものは迷惑なしきたりというおおらかな語義ではなく殺人にまで至る深刻なものであったりするが、「ただ因習に素直に従って機械的にやってただけですよ」だけでは暴かれても甲斐がない

インクエッジ @02Curry

近代になってからも極めて利己的な動機でさも古代中世からの伝統めいたファンタジー物語の因習を「創作」する情けなさとか、とっくに形骸化してた因習物語に便乗してしまう悪どさをみて「おぞましい」と感じるものじゃないだろうか。横溝正史のソレ系の特徴をひとことでいったら「伝説便乗犯罪」になる

インクエッジ @02Curry

ふつう、ミステリーで因習物語は真相でなくみえみえのフェイクとして使われるものでしょう。因習に便乗した見立て殺人をする、あくまで現代人の心理が動機

インクエッジ @02Curry

しょうじき言うといちばんワクワクしたのは冒頭の現代時点の因習村廃墟巡りやってん　ああいう廃墟もの、かつて色々あった「名残り」めいたイメージの方が好きなので…

インクエッジ @02Curry

鮮血よりもすっかり乾いて黒茶色の染みだけになった古い血痕の方が風情がある　それが埃を被るとさらに趣がある

インクエッジ @02Curry

個人的な興味ポイントとして、オレは昔から地下秘密基地みたいなのを見ると誰がどうやって建てたのか想像してしまうんよね。「地下秘密基地は誰がどうやって建てたのか？」をじかにやってるのがカイジの地下強制労働編なんやけども。

インクエッジ @02Curry

因習村のソレは明治以前どころか平安あたりからありそうな空間構築に近代的な設備を敷いたハイブリッドなところがとてもグッド

インクエッジ @02Curry

古代から中世にできあがった年季物の空間に、狒々爺の指揮のもと近代設備を運び込みいろいろと敷設していくさまを想像するとアガる

インクエッジ @02Curry

克典は「古からの因習村組」と違って「現代文明組」みたいな位置づけではあるけれど、狒々爺もあれはあれで「受け継いだ因習は断固維持すべき」というタイプではなくて、それに近代的設備を取り入れ近代的事業として大成功させてる革新派ではあるんよね

インクエッジ @02Curry

田舎嫌いの都会派で村でただひとりの余所者である克典にとっては、産まれた自分の娘だけが村の価値観に染まってないと思える気安い存在になる。娘・沙代がそういう接し方をする父の影響を受ければ、同じく唯一気安い存在として父を認識しつつ、村を出たこともないのに妙に東京に憧れを持つようになる

インクエッジ @02Curry

みんなもっと克典を描けよ語れよ

インクエッジ @02Curry

オレもたとえば「明治には中流家庭に座敷牢があった」とか「冷凍ショーケースは昭和30年ごろに流行った」とかカジュアルに喋ってるけど、ソースはそう述べてるサイトそれぞれひとつだけなんですよね。「たぶんそうだろうが、そのサイトの記述が間違ってないとは言い切れない」ていう構えはずっと必要

インクエッジ @02Curry

ぐぐってすぐみつかるようなわかりよく纏められたテキストなんて、ぜんぜん内容の正しさは保証されてない。「その有名サイトでそう書かれて何十年も経ってるが、これまで誰も異議を唱えてない」なんてぜんぜん根拠にならない。もっともらしい出典が書いてあってもその出典を確かめない限りは同じこと