大阪万博350億円リング問題の本質の本質

この木造リングは香原斗志(かはら・とし)さんが、お人良しに買いかぶるそういった「日本の木の建築文化全体を包摂する」ものではありません。 建築家の私的な作品性と社会の衝突です。 そこに真の意味が本質があります。
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建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

大阪万博 350億円「リング問題」の本質 「無駄」論争で置き去りになっていることがある dailyshincho.jp/article/2023/1… #デイリー新潮 万博という国内外から多くの人が集まる場を、木造建築の価値を通じて、環境への負荷、日本の伝統技術の保持、伝統的景観の維持と再生、山林の再生、林業の活性化……と、さまざまな課題を考える機会にする。リングが存在することで、こうした課題について世界を巻き込み、世界に影響を与えながら議論できる。

2023-12-24 16:15:08
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

そもそも、この木造リングは香原斗志(かはら・とし)さんが、お人良しに買いかぶるそういった「日本の木の建築文化全体を包摂する」ものではなく、 はじめのコンセプトは会場全体をまとまりをもったものにするための円形の仕掛けでしかなかったし、その効果のあるリング状の構築物であったわけですが

2023-12-24 16:18:29
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

会場を俯瞰する全体性のあるリング構造物と同時に、藤本壮介氏が「氏の建築作品化」しようとしたときに生じた矛盾が原因となっているわけです。 藤本壮介氏の作品というのは昨今盛隆となっている「部分の集合が生み出す曖昧な輪郭と、集合行為の中なら無作為に造形的衝突や空間構成を発生させる」こと pic.twitter.com/OEkSRHNfp8

2023-12-24 16:24:00
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その彼の作品コンセプトの延長の中で、「立体格子」の連続性を盛り込む理由は、芸術性ある意味非合理性が生み出す、建築作品の強度、体感的価値だからです。 「リング構築物」の具体化において、日建設計の実施設の提案である「鉄骨にすれば完成も早く工事費も3分1になる」を却下せざるを得ないのは pic.twitter.com/m9BTaJR2n6

2023-12-24 16:30:40
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たとえば、このアップル本社の庇部分の状況を意味することになり、「これでは建築的=たてもの的=使用便益のある構築物という意味」しか発生しなくなります。 藤本氏が狙っているのは、「抽象的な強度をもった構築物の機能が剥がれたモノ性=現代美術におけるオブジェクト指向」なので、建物ではなく pic.twitter.com/YKdtOx3OzH

2023-12-24 16:33:33
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藤本氏の作りたいものは建物ではなく、「建築を道具として使い生み出す状況」なのです。 この議論は非常に重要で、このことを建築家や建築家協会、建築学会はド真剣に向き合わないといけない問題なのです。 逆にいえば、藤本氏は確信犯的にある意味作家キャリアを掛けてこの問題を起こしている。 pic.twitter.com/uJMIpnXwfR

2023-12-24 16:37:45
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つまり私的な問題意識を社会化しようとしている事件なのです。 これは藤本氏だけではなく隈研吾氏も2015年あたりから早々に路線変更し必死に追従していますが、建築は形態を構成するのか、建築は形態を統制するのか、建築は形態で都市を構成するのか、といった問いと対になっており、建築と社会の pic.twitter.com/7OV1VfBLmS

2023-12-24 16:43:07
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建築の形態的規律(ディシプリン、たとえば柱や梁が合あって窓があって屋根があるといった形態表現)を破壊、もしくは無視する、そして分解された抽象的要素の無作為な集合としての自発的シチュエーションをデザインしようとする試みが、新しいというより、先行する現代美術からの流れ込みであり、剽窃 pic.twitter.com/ZN7sbRf9iW

2023-12-24 16:49:26
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1970年代から始まった現代美術、特にミニマリズムやプライマルストラクチャーからの剽窃といえば剽窃なのですが、文化というのはあらゆるジャンル全体で動きますから、特に建築は新しい芸術ムーブメントから遅れるので、今、まさにソル・ルウィットや、ドナルド・ジャッドのような作品を建築に取り入れ pic.twitter.com/j2jr7sk4JQ

2023-12-24 16:53:56
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ドナルド・ジャッドなど現代美術作品の先行性を意識的に取り入れた日本の建築家では、隈氏や藤本氏の前に板茂氏がいますが、板氏の場合はまだ「建築の構築性」や「建築形態として統合」しようという意思の元に、そうした芸術的諸要素を制御しようとしており、たてもの的です。しかし、ながら藤本氏以降 pic.twitter.com/ExqhU90hwh

2023-12-24 17:00:57
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藤本氏以降の建築家、特に作品指向のいわゆるドヤ建築家は、「建築家の私的な恣意による造形作品」をつくることへの「先天的な罪悪感、根拠性の喪失」といったものを抱えているように見受けられることだ。そのため、結果として「自ら造形しないで自同律的に造形が発生する」ことを偽装する傾向にある pic.twitter.com/qKuVS051JN

2023-12-24 18:08:18
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これはむしろ、これまでの建築家に見られ建築家価値観の中での閉じた作品感からの離脱ともとれるし、作品を結果ではなく、プロセス=仕掛け、造形を結果ではなく、アルゴリズム=自同律、とも捉えられ、条件に柔軟に対応しながらも、作家の意思を維持する戦略とも肯定的に見ることもできる。が、古い pic.twitter.com/zRk3SAv5HY

2023-12-24 18:11:54
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現代の前衛とみなされる建築家の建築作品は、造形を「考え方の結果」とし、造形そのものの責任を回避しようという意図が見受けられるわけです。 たとえば、この建築。 Coll-Barreu Arquitectosというスペインの建築家ですが、彼らは多様性と自然に対応した建築空間とその視認性を仕掛けたと、正当化 pic.twitter.com/ydBjM2j1lb

2023-12-28 19:48:21
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建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

与えられた条件の中で、地域文化の多様性と自然に対応した活動的建築空間とその視認性を都市のコミュケーション仕掛けたと、正当化していますが、 要は「異形の建築」「通常の建築とは異なるディテール」等を、既存の街区や環境に暴力的に挿入して、カオス的ショックを与えているに過ぎません。

2023-12-28 19:50:33
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

そのように、作品としての強度=ショッキングな形態=分かりやすい環境への暴力、という目的を達成するために、既存環境の条件と機能要望と構築性を、一定のルールをもったアルゴリズムで演算したら、こうなっだけと嘘をついているのです。 むしろ、CGや模型等でエエ感じを模索した結果を後付けで理由

2023-12-28 19:53:13
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

むしろ、「建築造形=ショッキングフォルムを目指している」と堂々と吐露して、そのことが持つ意味と効果をキチンと説明し、建築文化史の文脈の中でどんな成果を得るのかを論ずるべきなのです。 それをやらず、SDGsでとか、環境的とか、その場しのぎの誤魔化しが建築家の信用を失わせているのです。

2023-12-28 19:57:25
建築エコノミスト森山高至「土建国防論」執筆中 @mori_arch_econo

@upup4444upup 建てちゃって、賞まで与えていますからね。 建築学生はこういうのやらなきゃいけない、と脅迫されているようなものです。

2023-12-28 19:58:26