【映画】『遠隔殺人による自我崩壊の恐怖を描いたホラー版“インセプション”』⇒「ターゲットに近しい人間の意識に入り込み、対象を抹殺する“遠隔殺人”を生業とする主人公」

#未体験ゾーンの映画たち『遠隔殺人による自我崩壊の恐怖を描いたホラー版“インセプション”』他人の意識へ侵入し、遠隔操作する技術が存在する未来。主人公のタシャは、この技術を用いて殺人を請け負うベテラン暗殺者。まず、特殊なデバイスを使ってターゲットに近しい人間の意識に入り込む。そして徐々に人格を乗っ取っていきターゲットを仕留めた後は、ホストを自殺に追い込んで『離脱』する。すべてが速やかに完遂されていたが、あるミッションを機に、彼女の中の何かが狂い始める…… ターゲットに近しい人間の意識に入り込み、対象を抹殺する“遠隔殺人”を生業とする主人公。彼女がミッションの過程で他人を演じる中で、相手と自己との境界が不明瞭になり始めた事をきっかけに、徐々に自我が崩壊してゆく恐怖を描いた新感覚ＳＦノワール。感覚的にかなり新しい試みをやってますよね。他人の意識がちらつくノイズ演出、他者とシンクロしていく際の人格溶解＆再構築されるとことか大好き🥹 小綺麗な摩天楼の美しさと、腹部をメッタ刺しにしたり、頭頂部にプラグを刺し入れたりと攻めたゴア描写のギャップも🙆‍♀️ あと視界の端に『回転する白いほこり（この表現が正しいかはさて置き）』を捉える箇所があるんですが、ここイヤな感じでしたね。ほこりが回転してるってただそれだけにも関わらず、生理的な嫌悪感が湧き上がってくるような不気味なシーンで印象的でした。身体の所有者は誰なのか、意識（あるいは心）とは何なのかとか……考察や深掘りが捗る奥深いストーリーとテーマ。繰り返し鑑賞して理解を深めたいと思わされるような懐の深い作品だと思います。テーマ的にも感覚的にも新鮮な恐怖体験が出来る一本で、特に未見のホラーファンには強くお勧め。 U-NEXTで見放題です🫰 前作『アンチヴァイラル（2012）』でもだいぶ高度に変態な試みをしてましたが、ブラクラ監督の今後が本当に楽しみです😌