P5R（ペルソナ5ザ・ロイヤル）の物語（+演出）評価についての話

tricken（Tw以外の居場所は固定参照） @tricken

ペルソナ5R、シナリオは本当によくないなとおもったんだけど、ペルソナ5無印の頃になかったという追加シナリオだけは、そのシナリオの「よくなさ」を一応自己批判したような内容になっていて多少評価している。

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ただ、そのような仕組みであるために「えっ、この追加シナリオのない無印P5のシナリオだったら俺は本当に怒ってP5アンチだったかもしれない、とすら思ったが。

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それはそれとして、あの当時に「主なヴィランのヴィランたる所以は、男たちが権力を悪用して性暴力を正当化することだ」に狙いを定めていたのは、結果的には日本から出すビデオゲームとして重要だったなと思う。P5Rが2010sに出てない2023年日本の過ごし方は、きっと大きく変わっていた。

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P5Rの悪役が（或るたった一人の敵を除き）ほぼほぼ性暴力ないし搾取の化け物であること、つまりワインスタイン/ジャニー喜多川/山口敬之/その他もろもろの悪行をしてきた者たちの醜悪な映し絵だったことはーー“残念ながら”と言いたいがーーまさに今の日本に必要な“懲悪もの”の狙い先であると感じる。

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そういう、現代社会の本当にダメな点について芯を食ったヴィランを作っているのに、いざ味方側の方になると、あいかわらずのハーレム展開可能な仕組みとかが残存していて、（それが90s日本のギャルゲー文脈の延長とは理解した上で）解釈可能な信念の総合としては雑味が多すぎて気持ち悪い面がある。

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“攻略”可能な異性ヒロインを02/14にズラッと並べて修羅場にすることが可能な仕組みにしておいて、シナリオ冒頭から「どんな偉い人であれ性暴力を許さないのがこのゲームの主人公だ」と示唆して最後まで行くの、大分矛盾がある（※もちろん、できても試みるなよと開発側が考えてるなら別の議論があるが

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P5Rは100時間取られるゲームなので、フルプライス払ってそんなに長く拘束されるのがいやなら無課金でだらっと長く遊べていつでもやめられるFF14フリートライアルでもどうぞ（より長くなりうるコンテンツをしれっと薦めるな）

ふぇいせっと @facet31

ペルソナ3しかプレイしたことないけど人間関係とカード性能がリンクしているコミュ機能がめんどくさ…と感じてしまう上に「性能」を重視すると最終的に複数人と親密な関係を築かないといけなくなってしまうのもまたメンタルのハードル高いナリよね…となる。

ふぇいせっと @facet31

最大まで親密になっても最終的にプレイヤーが友情と性愛を選べればいいんですけどね〜

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@facet31 P5Rは恋人になるか友人になるか、ひとりひとり選べます！（修羅場における批判の余地とはそういうことです）

ふぇいせっと @facet31

@tricken あー！そうはなってるんですね！じゃあ修羅場ったら主人公への非難は免れないし、プレイヤーに対してシナリオで描いたことに反する問題を抱えさせるのはどうなの？って評価になるのもまたわかりますね…

ソクラス @Sokrath

ペルソナ5のシナリオについては自分もかなり思う所はあるのだけど、それを語るならほぼ同一の構造である所のペルソナ4のシナリオの「良さ」も合わせて語って欲しいなと個人的には思う。ほぼコピーなのに手触りが全く違うので。

ソクラス @Sokrath

P5のダンジョン攻略は洗脳なのに対し、P4のダンジョン攻略は自己との対話の促進と成長なんだよ…。 ボスを調伏する事で犠牲者は自己の醜い部分と向き合い、対話し、受け入れる事でマヨナカテレビから解放され、そして新たなペルソナ使いとして共闘してくれるという流れは今思い出しても美しい。

ソクラス @Sokrath

そしてパーティメンバー全員めっちゃ仲が良い。何故かというと、ダンジョン攻略の過程で自分の一番醜い、隠したい部分を相互に見せ合っているので秘密も何もなく、あとは仲良くなるしかない。 コミュも基本的に自己の醜さを認めた後の克服するためのエピソードなので本編と自然に並行して流れてゆく。

ソクラス @Sokrath

潜在的にゲイセクシャリティを抱えている完二、潜在的にトランスジェンダーを抱えている直斗を主人公チームにヒーローとして据えているのもおそらく意図的で、時代的にはかなり新しかったよなあ、と。両者ともシナリオ内であいまいに誤魔化してしまったのは、個人的には残念に感じたのを覚えている。

ソクラス @Sokrath

P4というゲームストーリーの本質は個々のキャラクターの自己対話と認容、成長であって、探偵やってるメインストーリーもこう言っちゃ何だが自己対話の促進のための狂言回しでしかなく、個人的にはどうでも良かったりする。 ラスボスはあり得ないほど蛇足だと思う…。

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P4Gは概ね同じ仕組みをとってるのに、良いんですよね。あれは迷宮の主が「ヴィラン」ではなく「悩みを交通整理しカウンセリングする相手（＝将来味方になりうる人）」だから、同じダンジョン攻略の構図をとっていても対話的な流れになりうる。P5Rはダンジョン攻略が切断的&洗脳的な帰結を齎す。

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もちろんP4Gにも、今の倫理的スタンダードでいうと古びたところもあるんだけど（完二のkawaii趣味の処理や白鐘のジェンダーアイデンティティの扱いなど）、「我が身にある敵と同じ悪」という点では、マルチエンディングの取り方含めて自覚的になっていると思う。

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P5Rの方でP4G的なカウンセリング目的のダンジョンは、佐倉双葉の新島冴、どちらも女性キャラ対象となっている。

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P5Rのシナリオの難しさ（難点）は、「権力を背景にした（しばしば常習的）性加害者」を、ミドルティーンの少年たちがマジカルな手段でカウンセリングするには問題が巨大すぎて、人格を切断/洗脳するしかない、という話の流れを選んでしまったことなんだよな。

tricken（Tw以外の居場所は固定参照） @tricken

性加害者に“適切な罪悪感”をinceptして終わりでいいのか、ということについて、しっかりした議論が作品内で尽くされないまま、続編まで多数作られているのがP5の擁護しづらさである。そしてそういう悩ましさは、基本的に悩みの当事者しか相手取ってないP4Gでは起きづらかった。

tricken（Tw以外の居場所は固定参照） @tricken

じゃあ改めて、精神迷宮を攻略することが結果としてcounselingとinceptionどっちに振れるのか、その違いを作中の出来事に即してハッキリと言おうとすると、なかなか難しい。P5Rのヴィランの多くはカウンセリングなどされていないのは明らかだが、P4Gの各キャラが絶対inceptされてないとも言い切れない

tricken（Tw以外の居場所は固定参照） @tricken

今から脱線するけど、『ナイトメアハンターディープ』という精神迷宮ダイブTRPGがあります。ペルソナ召喚しない以外は概ねP4/P5みたいなことがシナリオの基礎になってるんですが、そういうプロットに「カウンセリング派」と「インセプト派」とがあったら面白いかなと思いました。

tricken（Tw以外の居場所は固定参照） @tricken

あくまで本人の内的な対話の結果として自己実現する/過ちを認めるような帰結を目指す「カウンセリング派」の精神迷宮攻略と、本人の内的プロセスを無視してでも強制的に遵法的な意向に心を改造してしまう「インセプト派」の迷宮攻略とは違ってくるんじゃないか。

tricken（Tw以外の居場所は固定参照） @tricken

P4の主人公チームはほぼカウンセリング派、P5は男性加害者ヴィランについてはほぼインセプト派で、この区別を彼らがそれぞれあまり意識せず採用しているところに、P4/P5共通の隙だらけの感じが出てしまってるのかなと思う。