- sdokudaaki
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フリーレンから見る魔族への優勢学
【感想 書きました】主人公は「恋愛感情や生殖能力はない」と説明されるので、アセクシュアル・アロマンティック表象としてみることもできるけど、それ以前にこの手の種族モノにありがちな優生思想が滲むよねという感想です アニメ『葬送のフリーレン』感想(詳細は以下)⬇️ cinemandrake.com/frieren-anime
2024-04-03 07:01:00あの魔族の描き方、後にひっくり返されるのかな?と思ったくらい。肯定的に扱っちゃだめな設定だと思うんだけどな……。 相手に「心がある」かどうかって、結局はコミュニケーションが成立するかどうか?で判断するしかない。(例え成立したのが対立であっても) となると、まず排除されるのが→ x.com/cinemandrake/s…
2024-04-03 11:21:25→「言葉が通じない者」で、他言語話者や何らかの障害によって言語を使えない者たち。 そして件の作中のように、言葉が通じても「価値観が通じない者」も排除される。異文化や異なる信条を持つ者たち。 「心があるかどうかを判断する側=人間らしさを持つ者」は、いくらでも恣意的に上記のような→
2024-04-03 11:21:26うん、私もあの作品の魔族の扱いは苦手。心の有無で線引きする優生思想、ほんとにそうだと思うし。あと対魔族となると、エルフやドワーフもサラッと「人間」の括りに入れてしまうんだよな。決定的にダメとは思わんけど、ちょいちょい危うい感じがする。 x.com/cinemandrake/s…
2024-04-03 08:01:41絶対的な断絶、絶対的な敵、ていう筋書きにしたいのは分かるんだけど、分かり合えない相手がいることもそれはそれで仕方ないけど、結局それは魔族を殲滅していい理由付けとして持ってこられるものだから、『やっぱ対話は無理か、○そう』展開にスカッとしてる層がいるのかなと思うときつい。
2024-04-03 08:05:54→者たちの前に線を引いて排除することができる。 優生思想や排外主義そのものだと思うんだよね。 だから「魔族は絶対的な異質」という設定は、作中世界での偏見としてひっくり返されるんだろうと思ったんだよ。 でも、どうもその気配がないので、困惑している。
2024-04-03 11:21:26@sakana6634 キツいですね。 そして、少なくない、「純粋に作品を楽しみたい」を幟に掲げる層は、 その加害性の内包についてあまりにも無自覚なんですよね。 (作者も、おそらく、その無自覚層な気はします)
2024-04-03 12:57:38@Astolfo50224287 「人間」側の登場人物は、一芸に秀でていても対人関係は不器用だったりどこかしらポンコツで、不完全さを許容し合ってゆっくり理解を深めていくのに、魔族に対しては掌を返して不寛容であり、不寛容であっていい理由が強く示されるので、その不公正な温度差が時々しんどいです。
2024-04-03 14:00:23@Astolfo50224287 いつかその不寛容さが指摘されることでもあれば変わるのかもしれませんが、今の所、物語の視点も人間側の不寛容さに寄ってしまっているようなので、メインキャラクター達の素朴で不器用な善性にほっこりさせようとするエピソードがお寒く見えてしまうことがあるんですよね。
2024-04-03 14:05:16作中でフリーレンを始めとする本作のエルフは「恋愛感情や生殖能力はない」と説明されます。これは長命という時間認識のズレと共に、このエルフを人間と異なる存在へ特徴づける特性として活かされています。感情や感性に乏しく、人間離れした特異性のわかりやすい目安です。
そういう設定上、このフリーレンもアセクシュアル・アロマンティックのような性的指向・恋愛的指向のアイデンティティとして解釈できないことはないですし、そういうヘッドカノンな楽しみ方をする人もいるでしょう。それは全然自由です。恋愛を達観的に見ている仕草は共感性を刺激するそれっぽさもありますし…。
アセクシュアル・アロマンティックの観点では、フリーレンは、亜人としての「人外」という、わりとベタなクィア・コーディングと言えます。歴史的にロボットとか異星人とか極端に人間文明と離れた存在がアセクシュアル・アロマンティックの方面ではクィア・リーディングされやすいものでした。
ただ、本作はフリーレンにはヒンメルというキャラクターとの関係に重きが置かれ、これは疑似恋愛パートナー的に機能していて、明らかにロマンス・プロットを借用しています(久遠の愛情を示す指輪のエピソードとか、かなり露骨)。なので本作は”しっかり”(あえてそういう言い方をしますが)恋愛伴侶規範や異性愛規範にどっぷり染まった視聴者が何も違和感なく楽しめるようにできています(フェルン&シュタルクの若さゆえの未熟な”恋”風なヤキモキ模様など、本作はそういう提供をあえてやりたがるところがある)
個人的には、フリーレンとヒンメルの関係性はものすっごく「アロフィリア」っぽいなと思いました。アロフィリア(allophilia)というのは、異なる他者と見なされるグループのメンバーに対する個人の強い感情を指します。フリーレンとヒンメルは互いの他者性に惹かれていますよね。
こうなってくるとどうしたって浮きあがるのが、優生思想です。魔族は自分以外の存在を下にみており、フリーレンは魔族を下にみます。心の有無で境界線をひくというのはよくある構図ですが、その発想自体は優生思想の定番でもあります。
こういう種族間の軋轢や関係性が生じるジャンルは真っ先に「人種(race)」で分析されやすいものですけど(Anime Feminist)、日本ではあまりなされないような…。やっぱり問題意識は希薄なのかな。
本作はシリーズで一番恐竜に同情的で、一方で人間の無責任さに無頓着的であり、やはり作り手は興行しか意識してないのではないかと思わせます。
私だったらここは思い切って「人間全滅エンド」でもいいと考えていましたよ。今の環境問題を振り返っても『ドント・ルック・アップ』みたいにフィクションの中でくらいは何回か人類を絶滅させてやらないと…それくらいしないと加害者責任を自覚できないんですよ、人間は。今作のオチは人間は恐竜を愛せるいいやつでしょ?となっていて、私はそこまで希望的観測で人間を肯定的に捉えられないかなと思うし。
【感想 書きました】オッペンハイマーの心理を表現することに特化した主観映画といった感じ。これを機に核兵器に関する世界の出来事が多角的にどんどん映画化されるといいなと私は思います。題材はまだまだありますから。 『オッペンハイマー』感想(詳細は以下)⬇️ cinemandrake.com/oppenheimer2023
2024-03-30 07:01:00オッペンハイマー
そう考えるとこの映画はアメリカ人だけでなく、日本人も観た方がいい作品なのではないでしょうか。被害者側ありきではなく、反省する側として…