天華論拳 1/19回答🤜💥🤛
@skp_kkdd
九つの夜と九つの昼を費した天華論拳は遂に終わる。 太平の時代において闘技場(スタジアム)での九日間は、過去の歴史の豪傑らを目前にするような刺激的なものであったに違いない。 九日間の全試合を観覧し、ブツブツと小声で早口に解説するものがいる。 ――世捨ての皇子、紫石退水その人である。
2024-01-19 21:10:16
天華論拳 1/19回答🤜💥🤛
@skp_kkdd
「あの桃氏の娘の身のこなしは良かった。腕をこの角度から……爪はこうだったか」 異能の紫石が彼の指先で固まり長い爪になる。 「叔父貴」 「三節棍の男も荒々しいが、繊細な立ち回りをしていた。最後の試合ではこう……」 異能の紫石が空中で凝固し、三節棍の形になる。 「叔父貴よ」
2024-01-19 21:14:43
天華論拳 1/19回答🤜💥🤛
@skp_kkdd
「真顔で、ワクワクし過ぎだ」 「異国の娘の槍はやはり、我が国の槍術とは系譜が違った。」 手を翳して長い槍を形作ろうとするが、紫石は身の丈を越える前に崩れ落ちる。 紫石退水は咳込み、胸を抑える。 「叔父貴…!」 一方、黄欄流の部下らは全試合の結果を書き出し、掲示する準備にかかっていた。
2024-01-19 21:19:40