【創作企画】12月4日 子羊たちへ【贖いの方舟】

【創作企画】贖いの方舟 @Redemption_Ark

誰もいなくなったレストランから出て、アイディオは4階の廊下を見渡した。 さほど広いわけではないが、人2人がすれ違えるほどの大きさのそれ。

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赤い絨毯と白い壁、ベージュ色の枠。 目に入るものは豪華な屋敷と変わらない内装だが、どこか薄暗く入る光すら不気味に思えるのは気のせいだろうか。

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先に行ってしまったクラリッサの後を追うべく、誰もいない廊下を進んでいると…ふと向こうから誰かが歩いてくるのが見えた。

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服装はどうやら船内スタッフのもののようだが、男性ではない。 小柄な女性だろうか。 なんとなしに、ふと横を通り過ぎる。

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────横目に見れば、それは10代の少女だった。 茶色の短い髪を揺らし、前髪の隙間から見える紫色の瞳には光を宿していない。 pic.twitter.com/IiOsLQdjqG

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「────………」 pic.twitter.com/stSjrijaHJ

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少女はアイディオに気づいているのかいないのか、特に挨拶などをすることもせずレストランへと消えていった。

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この船にスタッフは多数いたが、あんな少女はいただろうか。 アイディオは少し立ち止まって、扉の閉められたレストランを見つめている。

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「……………」 名前も顔も知らない少女なのに、何故か引っかかって。

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「…ディオ？何してるの？」 「…っ！あ、あぁ…」

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いつの間に傍に戻ってきていたのだろう。クラリッサの声でようやく我に返った。 少し驚いて声が上擦ってしまったが。

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「行こう、ゲームルームでこっそり作戦会議だって」 「───…今行く」

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🧭第2話 終🧭