- rouillewrite
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アイディオもその1人だった。 寝不足な上余計にこの事実が眉間に皺を寄せさせる。 ふと、縋るかのように隣を見て、その席が空白だったことに気がついた。
2024-01-28 21:48:04いつの間に席を外していたのだろう。 気が付かなかった。 キョロキョロと辺りを見回すと、どうやらリリーディスとアメリアもいないようで、ナサニエルとイアンも辺りを見回している。
2024-01-28 21:49:04探しに行った方がいいか、と少し焦りが見え始めた頃に、カチャカチャと音がした。 食器の音だろうか。 朝食の後片付けは終えたはずだから、もうこのレストランにスタッフは残っていないはずなのに。
2024-01-28 21:49:49「皆様、お茶が入りましたよ」 「話すなら必要かなって思って、ディスが用意してくれたの。あったかいうちにどうぞ」 pic.twitter.com/So1doMBZCz
2024-01-28 21:50:53見れば、12人分のティーカップが乗せられたトレーを抱えて、リリーディスとクラリッサがこちらに向かってきていた。 残りの人数分はアメリアが運んできているようで、少し覚束無いが。
2024-01-28 21:52:35入れられていたのはどうやら紅茶のようだ。 淹れたてなのか、美しい模様のついた白いカップから立ち込める香りが心地よい。
2024-01-28 21:53:28紅茶を運んでくるアメリアをハラハラしながら見守るイアンが、ようやく机に到着したそれを見てほっとした頃。 おかしな話をされてちょうど喉も乾いていたしな、とオースティンがそれを口にする。他の者たちも次々に白いカップへと口をつけた。
2024-01-28 21:55:28席に戻ってきたクラリッサが首を傾けて、アイディオの言葉にそう返す。優しい笑顔が目に入り、少しほっとした自分を隠せずに目を逸らした。
2024-01-28 21:56:11「すまん!!!責め立てるようなことを言ってしまって!!つい!!」 「声が大きい」 「アダッッ!!せ…誠実さが伝わるかと思って…」 「君は行動が軽率なんだ」
2024-01-28 21:57:41机に頭をぶつけんばかりの勢いのギルバートに対して、シャールは1発蹴りを入れた。いい音がしたので多分お尻に。 自分よりふた周りほども小さい彼女に注意され、最後に叱られた子犬のような顔になるとギルバートは大人しく椅子に座り直す。
2024-01-28 21:58:00「そうね、でも、これからどうしようかしら。何が起きるかはまだわからないわけだし、命がかかってるならいがみ合ったり疑いあってる場合じゃないのかも」
2024-01-28 21:59:30「…そう言ったってどうすんだよ。 許すだの許さないだの決めろって、処刑の権限持たされたってこっちとしては不利にしかならねぇ」
2024-01-28 21:59:47ミアの言葉に、ダンデがそう返す。 隣に座っているクロエが不安そうに下を向いているので、どうもいたたまれない気持ちになった。
2024-01-28 22:00:30「この指輪で生死を決めるとか何とか言ってましたよね、いっそ海に捨てるとかは?」 「…キャリー、それはちょっとろくなことにならないかも…」
2024-01-28 22:01:29キャロラインがそう提案する横で、アルフレッドが長い袖を軽く揺らして目線を後ろに向けた。 いつの間に戻ってきていたのか。 見張っているのかそうでないのか、舞台袖の下に、エイダンがずっと立ってこちらを見つめている。…ちょっと怖い。
2024-01-28 22:02:03「す、捨てるなんてことしたら……怒られるじゃすまなそうですねぇ…」 「正直邪魔くさいから取りたいんだけどね」
2024-01-28 22:02:59アメリアやイアンが口々に言う中で、特に名案も出ず、というか相手の目的が「命を奪う」ということしか分からず、そんなことをさせる理由も分からないため対策の取りようがないと判断した彼らは、一度席を立つことにした。 どうも長時間ここにいると息が詰まりそうだ。
2024-01-28 22:03:31オースティンのその言葉を合図に、探偵も少女たちも立ち上がった。 「仕切んな」とダンデが茶々を入れた気がするが、あの二人はいつもの事なので放っておこう。
2024-01-28 22:05:48