推理小説作家・綾辻行人さんの原作・映像化作品について

誰かがまとめてくれるかと思ってたんだけど、誰もまとめてないのでまとめました。
6
綾辻行人 @ayatsujiyukito

#原作改変 が話題のようなので、ささやかな経験談を。 ○『霧越邸殺人事件』→『湖畔の館殺人事件』(火曜サスペンス劇場) 昔のいわゆる2時間ドラマ。当時のエージェントが話をまとめて、脚本の事前チェック等はいっさいなし。送られてきたVを観て、骨格からして違う別物になっていたので、いっそ愉快でした。あまりにも原作とは違うので、これで「原作使用料」をいただけるとは、と不思議に思ったりもしたものです。

2024-01-28 11:08:30
綾辻行人 @ayatsujiyukito

○『鳴風荘事件』→『月蝕の館殺人事件』(土曜ワイド劇場) これも2時間ドラマ。このときは直接、制作会社のプロデューサと交渉をして、やはり原作をいろいろ改変したがるので「もうやめましょう」と撤退しようとしたのですが、「そこをなんとか」と説得されてOKした記憶が。──というネタにできるので、まあいっか。

2024-01-28 11:13:13
綾辻行人 @ayatsujiyukito

○「四〇九号室の患者」が飯田譲治Presentsの『幻想ミッドナイト』という深夜枠でドラマ化されたことがありました。これは悪くなかったのではないでしょうか。

2024-01-28 11:16:04
綾辻行人 @ayatsujiyukito

○「再生」が角川のOVでいつのまにか実写ドラマ化されていたことがありました。本当に「いつのまにか」で、当時これはひそかに大問題になったものでした。

2024-01-28 11:17:58
綾辻行人 @ayatsujiyukito

○『Another』の実写映画化における原作改変は、オファーを受けた時点から、基本的には「どうぞお好きにしてください」というスタンスだったのです。が、これくらい時間が経って振り返ると、もう少し何とかしようがなかったのかなあ、と思うこともあります。  ちなみに『Another』のアニメのほうは、改変部分も含めて文句なし、でした。

2024-01-28 11:22:11
綾辻行人 @ayatsujiyukito

○そしてこのたび、『十角館の殺人』の実写化──なわけですが。さて、どうなるのでしょうね。

2024-01-28 11:24:44
綾辻行人 @ayatsujiyukito

そんなこんなで個人的には、自作の映像化については「基本的な部分を押さえたうえで、あとはプロにお任せ」が良かろう、と思っています。小説家は小説のプロですが、他メディアの表現についてはおおむね素人ですからね。で、うまくいったら「良かったネ」、うまくいかなかったら「残念でした」──くらいの距離感でいるのがいいのではないかなあ、と。

2024-01-28 11:37:02
綾辻行人 @ayatsujiyukito

さて、このついでに──。 そんな綾辻が、わりと真面目に「これはいけるのではないかな」と思っている自作の映像化案を、いくつか。 ○『殺人鬼』をガチで、R18を想定して映画に。 ○『緋色の囁き』を、美少女をふんだんに使ってアルジェント・テイストの映画(もしくは連ドラ)に。

2024-01-28 11:52:41
綾辻行人 @ayatsujiyukito

○『Another』の無印から『エピソードS』『2001』までをアニメでリブート。 ○『深泥丘奇談』を、深夜の短い枠で「奇妙な味」の連作に。 ……なんてことを妄想している時間があったら、新作の原稿を少しでも書きなさい。はい。

2024-01-28 12:02:45
綾辻行人 @ayatsujiyukito

清原さんが描いてくださった漫画版『Another』および『十角館の殺人』は、どちらも最高でした。 twitter.com/hiro_kiyohara/…

2024-01-28 12:13:48
清原紘 @hiro_kiyohara

小説を漫画という他媒体に再構築する仕事に関わってきた側としては、原作のテーマや原作者さんの意図を理解した上で、それを新しい媒体でどう表現するかが大事なんじゃないかと。全ては原作ありきなので。(当然、許可がなければどんな改変もNGです)

2024-01-28 12:05:05
清原紘 @hiro_kiyohara

と、なんだか偉そうなことを言いつつも…漫画版十角館ではけっこう大胆な改変を綾辻先生にご快諾いただけて、面白いコミックリメイクになったと思っています。 実写化、どんな感じになるのか本当に楽しみです。

2024-01-28 12:16:56
綾辻行人 @ayatsujiyukito

いや、「今回のケース」が何かはだいたい把握しているつもりですが、原作者の方が訴えておられるあの流れは確かに「ひどい話だな」と思います。 私が書いたのは、もっと前段階の問題。自作の映像化オファーについては、よほど慎重に構えて(版元の理解と協力も充分に得ながら)対応するか、最初からある程度割り切って過剰な期待はしないか──なのだろう、ということです。

2024-01-28 12:32:17
ミズチ @olssvs

@ayatsujiyukito 綾辻先生に意見するのは大変恐縮なのですが、今回のケースは単なる「失敗」ではなく「契約違反が行われた上での失敗」なのだと思われます(口頭か書面かは問題ではないようです)。 失敗してもいいと構えていたのと、これだけは厳守してほしいと伝えたことが破られた上で…では、全く違うのかなあと。

2024-01-28 12:18:53
綾辻行人 @ayatsujiyukito

@hiro_kiyohara 最高のコミックリメイクだったよー!

2024-01-28 12:39:09
檜垣亮/脚本家 @higaki_ryo

別業種の知人から流れ弾が…「脚本家ってああなの?」返信は「うぐぅ」。少なくとも自分は原作モノで「脚本」をやるときは、様々な提案はしますけど「原作者は神」のスタンスを崩しません。個人的には、好き勝手やりたいならあなたがゼロから企画通しなさいよ、と思う。他の人は知らんけども。

2024-01-28 22:16:01
綾辻行人 @ayatsujiyukito

@higaki_ryo 檜垣さんの『Another』は素晴らしかったですとも👍

2024-01-28 22:51:43
綾辻行人 @ayatsujiyukito

愛読していた佐々木倫子さんの名作『動物のお医者さん』の発表は1988年~1993年。まさかその後、佐々木さんと『月館の殺人』を共作することになるとは夢想だにしませんでした。経緯を思い出すとほんと、不思議な感じ。

2024-01-31 08:40:52
綾辻行人 @ayatsujiyukito

『月館』は『暗黒館の殺人』の完成が見えてきたころに持ちかけられた企画だったのですが、いやあ、思い返すにつけ、しみじみと楽しい仕事でありました。 pic.twitter.com/SQvi20xjkt

2024-01-31 08:53:47
拡大