蔵島 周さんによる日露戦争時の初陣の恐怖と兵科による恐怖の感覚の違い

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蔵島 周 @amane_kura

日露戦争時の日本陸軍を題材にイラスト/漫画を描いています。話題は当時の軍装や戦場での様子が中心。時々、明治時代の兵営生活や故郷の師団である旧陸軍第七師団/屯田兵についても呟きます。衛生部員好き。

蔵島 周 @amane_kura

戦争の初陣では、極度の緊張でその場の将兵はみな無口となるそうで、日露戦争でも突撃を前に士気を鼓舞するため隊長が無言の部下たちに声掛けをしても、反応は無く張り詰めた空気を変えられなかったお話が残っています。 初陣の際に生じる現象として昔から有名なのが、いわゆる「武者震い」です。続→ pic.twitter.com/wAD2zCPlmM

2024-02-10 21:38:57
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蔵島 周 @amane_kura

日露戦争で実際に武者震いを目の当たりにした者の証言によると、10人に1人くらいの割合で頭から足先まで全身握りしめた銃も一緒にガタガタと大きく震え、その震えは恐怖心とは関係なく本人が止めようとしても抑えることができません。 他にも顔面蒼白となったり、小便が無暗に出たくなります。続→

2024-02-10 21:38:58
蔵島 周 @amane_kura

戦場で何度か弾丸の下を潜るにつれて武者震いは生じなくなりますが、初陣が思ったほど激しくなかった場合、戦闘を甘く見て危険を過小に捉え馬鹿にするような者が出てきます。その結果盲目的な行け行け主義になってしまうこともあるそうで、初陣での経験は将兵の心理や行動に強い影響を及ぼすようです。

2024-02-10 21:38:58
遼東半島🇹🇼@skeb開杖! @Liaodong_KMT

@amane_kura 出た香椎中将の黒歴史w 大戦時南方では突撃直前になると日本兵の蛇のような歯軋り音が米兵にまで聞こえたらしいんで兵の緊張は相当だったでしょうね…。

2024-02-13 14:49:47
蔵島 周 @amane_kura

@Liaodong_KMT 緊張緩和のための下ネタ活用は、割と戦線で行われていたようです。上官の態度は部下の士気にそのまま影響しますし、男子共通の話題で上官が戯けて笑いをとることは比較的有効で手っ取り早い手段だったのかもしれません。 (下ネタが苦手な将兵は当時もいたので、100%有効ではなかったとは思いますが…)

2024-02-13 19:51:04
蔵島 周 @amane_kura

日露戦争の従軍者の証言によると、兵卒たちは戦闘に慣れてくれば弾道の音の響き(唸り)によって遠近を区別できるようになり、さほど敵の弾丸に驚かなくなるそうです。 敵の弾丸が「ブーン」と響いて向かってくる場合は、自分の頭上を高く飛んでいく弾で少しも危険は無く…(続) pic.twitter.com/ovuGrp8PB7

2024-02-21 20:42:48
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蔵島 周 @amane_kura

「プス」や「シュッ」と短く響いて向かってくる場合は、身近に落ちてくる弾で警戒が必要です(ただし巨大な砲弾の場合は、遠近関係なく飛行機の爆音のような物凄い響きを立てる)。 戦闘に慣れないうちはこの区別ができないため、敵の弾丸の音が聞こえるごとに恐怖心で思わず首を縮めてしまいます。(続)

2024-02-21 20:42:49
蔵島 周 @amane_kura

また、戦闘に慣れた後も兵科による感覚の違いがあるようで、砲兵は敵の砲弾の炸裂音よりも敵の小銃弾が飛んでくる音を聞くと気味が悪いと感じ、歩兵は敵の砲弾の炸裂音のほうが気味が悪く感じるとのお話も残っています。 ともあれ戦場では、平時よりもずっと音に敏感になるのかもしれませんね。(終)

2024-02-21 20:42:50