14世紀イタリア版『犬神家の一族』ナポリ女王ジョヴァンナの王配ハンガリーのアンドレア暗殺事件

爺のめんどくさい遺言に端を発した女相続人をめぐる愛欲と殺人
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海鷹 @SakrelBahr

ここの処 THE HISTORICAL NIGHTS' ENTERTAINMENT を読んでるんですが 一巻収録のTHE NIGHT OF STRANGLERS—Govanna Of Naples And Andreas Of Hungary(絞殺の夜~ナポリ女王ジョヴァンナとハンガリーのアンドレア) がめちゃくそ面白い これ完全にヤクザの抗争だよぉ! note.com/itomaru/n/nc05…

2024-02-22 19:59:15
リンク note(ノート) ラファエル・サバチニの歴史夜話|vic isono サバチニ歴史夜話は「歴史実話を極力創作要素を排して短編小説形式で描く」をコンセプトにしたシリーズ。とりあえず収録作品の概要だけ書き出しておきます。 The Historical Nights' Entertainment, 1st Series(1917年刊行) I. THE NIGHT OF HOLYROOD〜The Murder of David Rizzio ホリールード宮殿の夜 ~ダヴィッド・リッチオ殺害 スコットランド1566年、メアリー・ステュアートの秘書ダヴィッド・リッチオ殺害事件 II.
海鷹 @SakrelBahr

複雑な遺言のせいで女相続人を中心にした殺人事件が起こるあたり横溝正史ワールドに例えるべきか 登場人物の9割9分が権力奪取にアグレッシブでバイオレントな屑なので、無惨にコロコロされても「デスゲームに自分からエントリーしたようなもんだしなぁ」 と高みの見物できるとこがイイよね

2024-02-22 20:01:19
海鷹 @SakrelBahr

メインキャラその1 ロベルト賢王(Roberto I 1277年 - 1343年) ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD… 犬神佐兵衛ポジ 兄の息子ハンガリー王カーロイ1世を押しのけてナポリ王位を得たために、自分の死後の継承権安定を図って孫娘のジョヴァンナとカーロイの次男アンドレアを結婚させる(この時、花婿花嫁共に6歳)

2024-02-22 20:07:05
リンク Wikipedia ロベルト1世 (ナポリ王) ロベルト1世(Roberto I, 1277年 - 1343年1月20日)は、アンジュー家のナポリ王(在位:1309年 - 1343年)。カルロ2世の三男。母はハンガリー王イシュトヴァーン5世の娘マーリア。ロベルト賢明王(Roberto il Saggio)と呼ばれる。教皇党(グエルフィ)のリーダーと見なされていた。 1309年、父王カルロ2世の死によって即位した。このとき早世した兄カルロ・マルテッロの息子カルロ・ロベルトも有力な王位継承権者であったが、カルロ・ロベルトはハンガリー王(カーロイ1世として即 1 user
海鷹 @SakrelBahr

「これでハンガリーに行った兄貴一家との跡目争いを回避できる。ジョヴァンナとアンドレアの共同統治でナポリも安泰じゃ~」 「あ、ジョヴァンナの妹マリアも膨大な持参金付きでカーロイの長男ラヨシュと婚約な!」  #見上げるようなでっけえフラグ

2024-02-22 20:07:50
海鷹 @SakrelBahr

孫娘の結婚から十年後、ロベルト賢王崩御 ナポリ宮廷はジョヴァンナ女王単独統治を支持する有力貴族中心の派閥とアンドレア支持派のハンガリー貴族+非主流派ナポリ貴族の派閥でまっぷたつ 両勢力ともにアヴィニョン教皇庁を味方につけるべく金とコネを駆使 カジュアルに飛んでくる教皇勅書

2024-02-22 20:09:38
海鷹 @SakrelBahr

※ロベルト賢王の弟ターラント公とカトリーヌ・ド・ヴァロワの息子ルイージ ※同じく王弟ドゥラッツォ公とアニェス・ド・ペリゴールの息子カルロ ※賢王の非嫡出子であり、ジョヴァンナの後見人シャルル・ダルトワの息子ベルトラン …が松竹梅姉妹とその息子ポジですかいのう

2024-02-22 20:10:40

王弟たちはこの時点で既に死亡していて、未亡人二人が息子をけしかけて頑張りまくってるあたりも犬神家バイブス

海鷹 @SakrelBahr

メインキャラその2 ナポリ女王ジョヴァンナ(Giovanna I d'Angiò, 1327年 - 1382年) ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8… 1333年、祖父の命令により、6歳にしてハンガリー王の次男で又従兄のアンドレアと結婚 「野蛮なハンガリー男なんてだいきら~い」

2024-02-22 20:14:01
リンク Wikipedia ジョヴァンナ1世 (ナポリ女王) ジョヴァンナ1世・ダンジョ(Giovanna I d'Angiò, 1327年 - 1382年5月12日)は、ナポリ女王(在位:1343年 - 1382年)。エルサレム女王、シチリア女王、アカイア公、プロヴァンス伯、フォルカルキエ伯の称号を有した。ナポリ王ロベルトの長男カラブリア公カルロと、フランス王フィリップ6世の異母妹マリーア・ディ・ヴァロワの娘。 1343年、祖父のロベルトを継いでナポリ女王となった。しかし、王位を又従兄のハンガリー王ラヨシュ1世に狙われ(ラヨシュ1世のナポリ遠征)、1347年にナポ
海鷹 @SakrelBahr

メインキャラその3 カラブリア公アンドレア(Andrea d'Ungheria, 1327年 - 1345年) ハンガリー王の次男 6歳にして又従妹のジョヴァンナと結婚 ナポリ育ちだけど嫁と取り巻きからはハンガリーの野蛮人あつかい ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2…

2024-02-22 20:15:17
リンク Wikipedia アンドレア・ドゥンゲリア アンドレア・ドゥンゲリア(イタリア語: Andrea d'Ungheria, 1327年10月30日 - 1345年9月18/19日)は、ナポリ女王ジョヴァンナ1世の最初の夫。カラブリア公。またはアンドレア・ダンジョ(イタリア語: Andrea d'Angiò)とも。ハンガリー語名はアニョウ・アンドラーシュ(Anjou András)またはエンドレ(Endre)。ハンガリー王ラヨシュ1世の弟にあたる。 ハンガリー王カーロイ1世と3番目の妃エルジェーベトの間に四男として生まれる。1333年、6歳で再従妹のジ

姫様たちの下半身攻略戦

海鷹 @SakrelBahr

そんな状況下で次を見越して動く野心家たち その1 ドゥラッツォ公カルロ(Carlo di Durazzo, 1323年 - 1348年) ロベルト賢王の甥 ロベルト王崩御の三ヶ月後、20歳の時、ナポリ王位継承権目当てにジョヴァンナの妹で当時14歳の従妹マリアを略取誘拐・監禁の上、秘密結婚 ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB…

2024-02-22 20:16:58
リンク Wikipedia カルロ・ディ・ドゥラッツォ カルロ・ディ・ドゥラッツォ(Carlo di Durazzo, 1323年 - 1348年1月23日)は、ナポリ王国の貴族。アンジュー=シチリア家のジョヴァンニ・ディ・ドゥラッツォとアニェス・ド・ペリゴールとの間の息子。ドゥラッツォ公。 カルロは1336年に父の跡を継ぎ、ドゥラッツォ公となった。 1343年4月21日、アルバ女伯マリア・ディ・カラブリアと結婚した。マリアはカラブリア公カルロの娘でナポリ女王ジョヴァンナ1世の妹に当たり、当初はハンガリー王ラヨシュ1世もしくはフランス王ジャン2世の妃となる予定
海鷹 @SakrelBahr

ちなみにカルロの母はフランスの名門ペリゴール家の出で、枢機卿エリー・ド・タレイラン=ペリゴールの姉妹にあたり、そのツテで教皇を説得してこの結婚を許可する特免状をゲットしていたりする 当然、17歳のジョヴァンナ女王は従兄と妹が私の王位を狙ってる!とブチギレて親族に対して疑心暗鬼に

2024-02-22 20:19:44

14歳の妹ちゃんは被害者ではっ?

海鷹 @SakrelBahr

野心家その2 ジョヴァンナ女王の乳母、フィリッパ・デ・カターニア 洗濯女からナポリ王室の乳母に採用され、信頼を得て富貴の身に 息子ロベルトに女王を誘惑させ支配しようとする 「あんたもお母ちゃんの子なら、小娘ひとりコマしていいなりにさせるくらいの甲斐性見せな!」 en.wikipedia.org/wiki/Philippa_…

2024-02-22 20:24:06
リンク Wikipedia Philippa of Catania Philippa of Catania, also known Philippa the Catanian or Filippa Catanese (died in 1345), was a Sicilian woman of low birth who became an influential figure in the royal court of the Kingdom of Naples. Born in Catania, Philippa was a local fisherman's dau
海鷹 @SakrelBahr

見事に17歳の女王を篭絡したロベルトくんは爵位と王領から割譲された領地をゲット 非嫡出の叔父にして後見人でもあるダルトワの息子ベルトランや王弟ターラント公妃カトリーヌ・ド・ヴァロワの息子ルイージも一族の栄耀を懸けて女王をコマしにかかる 寵臣にホイホイ王領を切り分ける女王にキレる教皇庁

2024-02-22 20:25:55

親切面した妾腹の叔父が本家の乗っ取りをたくらむ曲者とか、身内同然の家庭教師が成り上がりを狙った悪女とかも、あるある展開ですわ

海鷹 @SakrelBahr

遂に宗主権限発動で政治介入するクレメンス6世「あんまり勝手してっと破門だ破門!」 更に1345年7月には「ジョヴァンナとアンドレの共同戴冠式で手打ちにしいや」の教皇勅書 ハンガリー側が多額の金を積んで教皇庁とナポリ貴族を懐柔したのである 「クソ坊主がッ銭で転びやがった!!」

2024-02-22 20:30:44
海鷹 @SakrelBahr

メインキャラその4 教皇クレメンス6世(Clemens VI、1291年 - 1352年)在位1342年 - 1352年 まぁ……金遣い荒かったからね、この教皇……シカタナイネ ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF…

2024-02-22 20:31:56