「共感」の普遍性。

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東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

たとえばアフリカの飢えた子どもの写真をみる。心が動く。それがぼく(ローティ)の言う共感であり、宗教や価値観とは関係ありません。

2011-12-25 02:22:32
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

とはいえ、この部分は(拙著にも記したように)、ローティそのものも頻繁に誤解されているところではある。ローティの共感に対して、「共感できるのは結局はアメリカ人だけなのでは」という疑問はむかしからある。しかしぼくはその批判は誤解に基づくと考える。

2011-12-25 02:23:57
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

テロリストであってもだれかには憐れみを感じる。連続殺人鬼でもだれかには憐れみを感じる。人間はそういうふうにできている。これは「だから人間はすばらしい」という話ではありません。テロリストや殺人鬼の憐れみなんて独善的で身勝手なものです。最悪です。でもそれが「共感」の普遍性なのです。

2011-12-25 03:06:37
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

普遍的な人類全体への憐れみなど考えてはいけない。それではカントの格率と変わらない。ルソー/ローティ/ぼくが言っているのは、あくまでも目の前の存在に対する個別の憐れみ。それは人にだけ向けられるものですらない。動物にも仮想人格にも向けられる。そしてそれでいい。そういう心の動き。

2011-12-25 04:00:47
東浩紀 Hiroki Azuma @hazuma

哲学者の定義は厳密です。そしてぼくの「共感」「憐れみ」もまたルソーとローティの再解釈のうえに成立していて、その経緯は本のなかに書いてある。適当なのは、書かれたものを読みもしないで、語感で判断しているほうなのでは。

2011-12-25 04:57:18