新しい楽器:24.枯葉

単著『サウンド・アートとは何か 音と耳に関わる現代アートの四つの系譜』(ナカニシヤ、2023年)(https://www.nakanishiya.co.jp/book/b10044931.html)の宣伝を兼ねてはじめた「新しい楽器」という読み物です。
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nakagawa @nakagawa09

24.枯葉:今日は枯葉という楽器について。そろそろ春ですが、最初にこの「新しい楽器」を書き溜めていってみようと思った頃は、まだ秋でした。枯葉と藤本由紀夫さんのお話です。

2024-03-12 16:07:56
nakagawa @nakagawa09

枯葉はたいてい地面に落ちています。で、わざわざその上を歩くのはなかなか楽しい行為です。サラサラカシャカシャ音がします。足音と枯れ葉が触れ合う音です。辞書によれば足音とは「歩く時の足の音」あるいは「物事が近づいてくる気配」という意味だそうです。

2024-03-12 16:07:56
nakagawa @nakagawa09

ともあれ、枯葉といえば、藤本由紀夫さんの枯葉の上を歩くインスタレーション作品が素晴らしいです(面識あるので「さん」付けしています)。作品名がすぐには分からないのですが、枯れ葉の敷き詰められた部屋の中を歩き回ることができます。

2024-03-12 16:07:57
nakagawa @nakagawa09

例えばこれ。 | 藤本由紀夫[BROOM(KMMA)]1997,インスタレーション(北九州市立美術館) apm.musabi.ac.jp/imsc/cp/menu/a…

2024-03-12 16:07:58
nakagawa @nakagawa09

この画像は、以下のリンク先のインタビューが掲載されているページにあった画像です。武蔵野美術大学芸術文化学科の企画なんでしょうか。 | 2001年1月30日京都国立近代美術館カフェにて、藤本由紀夫×岡部あおみ Culture Power - 藤本由紀夫 apm.musabi.ac.jp/imsc/cp/menu/a…

2024-03-12 16:07:59
nakagawa @nakagawa09

あるいは、こちらにはこういう画像があります。 | 美術館の遠足 3/10(1999年12月12日) 「床一面が落ち葉で埋めつくされている部屋」 西宮市大谷記念美術館・藤本由紀夫「美術館の遠足」を観る(3/10-10/10) hccweb.bai.ne.jp/~hda25701/biju…

2024-03-12 16:08:00
nakagawa @nakagawa09

あるいはこちら。 | 美術館の遠足5/10 2002年11月23日13:00~21:00 お奨め展覧会:木下智恵子 artscape.jp/artscape/view/…

2024-03-12 16:08:00
nakagawa @nakagawa09

落ち葉が敷き詰められた展示ケース内の写真画像:artscape.jp/artscape/view/…

2024-03-12 16:08:01
nakagawa @nakagawa09

2016年03月15日号 藤本由紀夫 Broom(Coal)/Tokyo:artscapeレビュー|美術館・アート情報 artscape artscape.jp/report/review/… 会期:2016/02/06~2016/03/06 シュウゴアーツ ウィークエンドギャラリー[東京都]

2024-03-12 16:08:02
nakagawa @nakagawa09

こちらは2002年に中川が撮影した記録です。問題あればすぐに削除しますのでお知らせください。解像度が悪く顔は識別できませんが、オレンジ色のTシャツが当時の僕です。痩せている! | 20020622 - 藤本由紀夫「Audio picnic 6/10」(2002年6月22日)」:drive.google.com/open?id=1Ba-Rn…

2024-03-12 16:08:03
nakagawa @nakagawa09

藤本由紀夫さんは、1980年代から活動する作家で、音をきっかけに発想する作家さんです。|Yukio FUJIMOTO – ShugoArts shugoarts.com/artist/46/

2024-03-12 16:08:03
nakagawa @nakagawa09

ずっと関西で活動されている作家さんで、日本で最初期に音を使う作家として認知された人、と言うべきでしょう。が、「サウンド・アーティスト」というラベルだけで片付けられる作家ではありません。 | oralarthistory.org/archives/fujim… 日本美術オーラル・ヒストリー・アーカイヴ/藤本由紀夫

2024-03-12 16:08:04
nakagawa @nakagawa09

藤本さんは、1997年から2006年まで10年連続で、毎年一日だけ開催されるaudio picnicという展覧会、を西宮市大谷記念美術館で開催したことがあります。中川はこれの五回目か六回目くらいから何度か参加しましたが、毎年、美術館に入るための行列が伸びていって、すごかったです。

2024-03-12 16:08:05
nakagawa @nakagawa09

また、この展覧会の面白さに驚いたことと、同時期にクリスチャン・マークレーのメトロでのライブをお手伝いした(後にこの人が視覚美術作品を作ることも知った)ことなどが、後に中川がサウンド・アート研究に向かったきっかけとなりました。

2024-03-12 16:08:06
nakagawa @nakagawa09

藤本由紀夫さんの作品は、他にこちらも有名です。参加型椅子作品として語ったことがある作品です。|EARS WITH CHAIR (MOT) | ToMuCo - Tokyo Museum Collection museumcollection.tokyo/works/6383725/

2024-03-12 16:08:07
nakagawa @nakagawa09

あるいはこちら。|Yukio FUJIMOTO – ShugoArts shugoarts.com/artist/46/

2024-03-12 16:08:07
nakagawa @nakagawa09

これは、要するに、両耳に雨樋のようなパイプをあてる作品です。他には何の仕掛けもありませんが、こうすると、周りの音がパイプの中で反響変容し、ディジェリドゥみたい音に変化しつつも、元の音も聞こえる、という仕掛けです。周りで人が話している時に聞くと、なんか面白いです。

2024-03-12 16:08:08
nakagawa @nakagawa09

あるいは、こちらは、2020年までアートホステルだったkumagusukuで行われた展示風景です。藤本由紀夫さんの作品が展示された中で宿泊できました。朝食が美味しかった。|facebook.com/watch/?v=91539…

2024-03-12 16:08:09
nakagawa @nakagawa09

kumagusukuについてはこちら。|kumagusuku - 2020年にアートホステルとしての営業を終え、2021年3月に12店舗が入居する小規模アート複合施設へとリニューアルしました。| kumagusuku.info

2024-03-12 16:08:10
nakagawa @nakagawa09

先ほどの動画の途中に出てくるように、藤本由紀夫さんはオルゴールを使うのが好きです。光と影の演出も、過剰でもなく薄くもなく「極薄(アンフラマンス)」なのが、デュシャンから学んだ藤本由紀夫さん流なのでしょうか。

2024-03-12 16:08:10
nakagawa @nakagawa09

オルゴールに試験管を取り付けて、その中にサイコロなどいれて、ゆっくりとした時間の流れの中でカチ、コチ、という音を出す仕掛けも、有名です。|そこで、耳を澄ませてごらん——藤本由紀夫 オンラインショー hillslife.jp/art/2020/08/24…

2024-03-12 16:08:11
nakagawa @nakagawa09

で、今日は、枯葉のインスタレーションを紹介しておきたかったわけです。また、一緒に、2022年に国立新美術館で見た李禹煥(リー・ウー・ファン)の石の部屋のインスタレーション《関係項―棲処(B)》(2017/2022)のことも紹介したいところです。| youtu.be/qTX3_B3_tRI?t=…

2024-03-12 16:08:12
nakagawa @nakagawa09

こういう説明を見つけました。「《関係項 ― 棲処(B)》は、ル・コルビュジエが設計したラ・トゥーレット修道院(フランス・エヴー)で発表されたもので、鑑賞者が歩くと、敷き詰められた玄昌石の音が館内に響きます。」 museum.or.jp/report/108461 国立新美術館開館15周年記念李禹煥 | レポート

2024-03-12 16:08:13
nakagawa @nakagawa09

ともあれ、これもまた、部屋の中を歩くと音が室内に響き渡るインスタレーションだ、と言いたいわけです。

2024-03-12 16:08:14